2017年、私は二人の子を持つシングルマザーの妻と結婚することになった。上の娘は重度の発達障害でもある。
簡単に決断できたの?何か問題はなかったの?と言われれば、確かにあった。
決めたんだからやるしかない!と悩みながら過ごしてきたが、実際にそこには高い高いハードルがあったように思う。
そこで!私が実際に結婚する時にそれなりに乗り越えてきたハードルをいくつか紹介したい。
①子供たちの年齢と結婚のタイミング
まずもっとも大きいのが子供達の年齢と、結婚(同居)のタイミングである。
結婚前に子供たちと何度も顔は会わせたが、実際に父親として一緒に住むとなると話は別だ。
たまに顔合わせていた優しいおじさんが突然一緒に住むなんて、普通に考えて怖い話。しかも突然同居を始めたそいつがお父さんだという。正気の沙汰ではない。
そのおじさんを子供達が受け入れられるか?これは非常に大きな問題だ。
子供の年齢にもよるが、小学生以上の年齢ならもはやそこまでタイミングは重要ではないのではないか。
それ以上なら、それはもう大人と大人の、人間関係の話になるのだろう。
私の場合は出会った頃の子供達が1歳と3歳で、とにかく結婚は早ければ早い方がよかった。
特に息子がまだ物心がつかない内にと結婚を急ぎ、結局付き合ってから一年で結婚。初婚なのに急ぎに急いだ。
今はなんの違和感もなく父として生活しているが、幼児の一年は大きい。のほほんとした娘はいいとしても、現時点の息子であればこんなにすんなり私を受け入れてくれなかったはずだ。
②父親としての子供達との関係性
早けりゃ早いほうがいいとも書いたが、子供達との関係性は避けては通れない。
突然親となり同居するのだから、それなりの関係性を結婚前から構築しなければならないのだ。そうしなければ自分も子供も妻だってストレスが半端ではなく、いい方向に進むわけがない。
子供の性格もあるは当然のこと、子供のことを何も知らない初婚の男性にとっては初めてのことばかり。なかなかだぞ。
子供は好き勝手に振る舞い、好き勝手に話す。当然、それが気に入らないこともあるかもしれない。また、父になる前は気にならなくても、父になったら気になることもある。
例えば、結婚する前の私は何も考えておらず、子供達がテーブルに乗って飛び回り、私のパソコンのキーボードをがちゃがちゃ叩きまくっても笑顔で「うん、大丈夫だよ。触っていいよ」と言っていた。
何が大丈夫だよ、ふざけんな!!壊れたら誰が責任取るんだ!?
というのが今の私である。わかりやすいね!
子供とはどんなものなのか、どういう対応すればいいのか、父親とはどういうものなのか、一から学び、その上で子供たちと良好な関係を築いていかねばならない。
試行錯誤の毎日であるぞ。
③義母との初顔合わせ
やはり結婚となれば相手の親との顔合わせは必須である。
もし彼女が実家に住んでいるのなら、子供たちを連れて遊びにいく前には一度顔合わせをした方が心象はいいのではないかな。
私の場合は、妻が元旦那の不倫が原因で一度離婚している。
二人目の子供の出産直前に不倫が発覚したため義母はブチギレ、「今度連れてくる男がクソ野郎だったら絶対に許さない」とまで言っていたそうだ。
そんな中、満を持して登場したのがこの私である!
二人の子持ちで今や立派な大人とはいえ、親は娘を心配するものなのだ。
一度うまくいかなかったのだから、今度はどういう人間かくるか色々と思うところもあったのだろう。
私は初めての挨拶の時、義母とがっつり3時間くらい話した。「なぜ娘を選んだのか、娘のどこが好きなのか」などなど。いやー、面白い時間だった。
色々な親がいるが、真剣に向き合って話し合えば大抵の親は協力してくれるだろう。最高にありがたい存在である。私は義母に感謝してばかりだ。
④自分の両親がどう反応するか
そして当然だが、自分の親にも妻や子供を紹介せねばなるまい。私のように親が全く教育熱心でなかった家庭でも、やはり緊張した。
「二人の子持ちの女性と結婚するなんて、親は認めないだろうな」
そう感じていた。
反対されたらどうしようかと考えていたが、やりたいようにやってやる!と反対覚悟で告げてみた結果、あっさりと父も母も受け入れ喜んでくれた。
とくに母は妻の職業が気に入ったらしくちゃんと働いてる人なら大丈夫だと安心したようだった。
働いてりゃいいのかよ!とも思ったが、お金で苦労した母らしい。喜んでくれて非常に嬉しかった。
どう転んだとしても、親への挨拶は避けては通れないハードルなのである。
⑤同じ職場で結婚し、仕事をやめるのが旦那の私
これはあまり当てはまる人がいないと思うが、私の中でもっともハードルが高かったのが仕事を辞めることだった。
様々な理由から、結婚後に私が仕事をやめることになったのだ。そして辞めた後はフリーランスとして生きていくつもりだったのだが、私は結婚して子供が二人のお父さんになる。
周りから「はぁ?そんなバカなこと言ってないで現実みろよ」と言われるんじゃないかと本当に怖かった。
実際は、同僚にわざわざ本当のことをいう必要はなかったので適当な嘘でごまかし、また信頼のおける人たちには真実を話したが、特に批判もされず受け入れられた。
一番嬉しかったのは、ある上司の言葉である。
「やりたいことやったほうがいいよ。それに君は、やりたいことを家でやることが悪いと思ってるみたいだけど、奥さんからしたら家に誰かがいることはありがたいことだと思うよ」
そういう見方もあるんだなと、とてもありがたかったね。
とにかく、私たち夫婦がどうやって今後やっていくか、ってことを同僚や家族、親戚に説明すんのがなんやかんやで一番面倒くせー!と感じたという話。
まあ本当のことをいう必要もないのだけどね。
結婚を決意したならあとはやるだけ
というわけで、結婚時に感じたハードルを5つ紹介してきた。思い出せば、当時の私はかなり色々な問題に直面していたように思う。
子供達と出会い、義母と顔合わせをし、自分の両親に妻と子を紹介し、仕事を辞めて完全無職になり二人の父になり子供達と喧嘩しまくり………一年でようやったもんだ。
そして結婚してからは親戚づきあいも始まるし、父の葬式には妻も出てくれたり、法事に子供達を参加させたりと独身では体験できないことが多くある。
突然子供ができるのはすごいことだ。
人生の飛び級だぞ、やったな!!や、やったか?!
……さて、ハードルということで紹介してきたが、結婚しようと二人が決めたのならあとは勇気を出して進むしかない。
子供達との関係性も、親との関係性もやってみなけりゃわからないのだから。
まずは見切り発車をして、それから調整する。それが大事なのだろう。
おかげで結婚して一年半経った今、それなりに穏やかな日々を送れている。完璧ではないが、今まで生きてきた中ではもっとも充実した日々だ。
地獄も見たし、今まで感じたことのない激しい怒りやストレスも感じたりした。
今日もイライラしたしな!だってさぁ……と愚痴を言えばキリがない。楽しいことももちろんあるし、嬉しいことだって多くある。
こりゃなかなか体験できない、稀有な人生ではないか。
おすすめ記事