先月娘の抗てんかん薬を粉薬から錠剤に変える調整をしてもらった。
この記事にも書いているが、薬を飲む時に娘の拒否が強すぎて私たち夫婦は参っていた。
朝晩の二回、三種類も薬がありその度に逃げ回り叩いたり暴れたりと娘も親もうんざりだったこともあり、飲めるかどうかはわからないが一度錠剤に変えてもらったのである。
錠剤は錠剤で苦いし口に入ったものは反射的に噛んでしまう娘。
最初は錠剤がバレなきゃ大丈夫だろうと小さなおにぎりに錠剤を混ぜたり、パンに挟んであげたりしていた。
その対応で娘が薬に気付くこともあれば気づかないこともあった。気付かれたら口から薬だけ取り出し投げたりもしていた。
さらに難点としては、時折口の中の食べ物を薬もまとめて吐き出してしまうことだ。
それでも逃げ回るよりマシかと食事前におにぎりを作って薬をあげていたのである。
そんなある日、食事前に薬をあげ忘れてしまい既に満腹の娘。
今更おにぎりを食べさせるわけにもいかず、どうしようもなくそのまま錠剤を渡してみたのだ。すると、
すっと薬を口にいれて、噛まず、水を口に含んで飲んだのである。
それを見た私たち夫婦は喜んだがまだ安心できない。薬は朝晩3錠ずつあるのだ。油断はできない。
そして次の薬の時も薬だけそのままあげてみると、普通に薬を口に含んで水で流し込み、
「飲んだよー!」
と教えてくれた。
飲めるんかい!
と突っ込みながらも私も妻もよくわかってない弟も一緒に喜んだ。
だって、だってだぜ?
毎日、朝晩、薬あげるたびに逃げ回って叩かれて体当たりされて粉薬なげられたりするんだぜ?
薬担当大臣の妻が薬あげるたびにイライラして「もう薬あげなくてもてんかん起きないんじゃない?試してみる?」とガチトーンで言ってくるぐらいには、限界だったのだ。
それが普通に噛まずに水で飲めたのである。この嬉しさと言ったらない。そして一度飲めたらもう理解したようで、そっからの薬は本当にスムーズ。
今までの拒否っぷりがまるで嘘だったかのようだ。妻が娘に薬を飲ませたのを気づかないくらいに、素早く静かに飲んでくれている。
うーむ、素晴らしい。
そして、このことから一つの教訓を得た。それは、
錠剤は娘にはまだ難しいから
娘は錠剤を噛んでしまうから
こういった先入観がいかに邪魔であるかということだ。
もしかしたら既にできることかもしれないのに、親ができないと思い込んで挑戦すらさせない。
息子であれば「自分でやりたい」「こうしたい」などと自ら言ってくるが、あまり物を言わぬ娘の場合はより親が挑戦させないという傾向が強いだろう。
このような思い込みで娘の成長が阻害されていることは他にも多々あるはずだ。反省せねばならない。
とはいえ実際のところ、薬を錠剤に変更するのは心理的なハードルが高かった。
娘の処方箋は一ヶ月から二ヶ月分(180包〜360包くらい)を一気にもらうし、もし変更が完全な失敗だった場合に再度病院に行くのがかなり面倒なのだ。
娘のためなら!とも今なら思うが「錠剤に変えてもどうせ無駄だしな」という先入観のハードルはなかなか超えられずに時間がかかってしまった。
もう少し親の自覚をもたないといかんな。未熟である。
さて、もしこれを読んでいる方で粉薬を毎日子供にあげるのが辛い!と悩んでいる方は、一度錠剤への変更を視野にいれてみるのはいかがだろうか?
参考までに、うちの娘のレベルも書いておこう。
もうすぐ7歳の女児。
飲み込む力は強くはない。
粉薬を飲めば毎回むせるし、水を飲むだけでむせることも多い。
硬めの肉は噛んでも噛んでも飲み込めずに吐き出す。
目の前におにぎりやパンがあると、食べるペースを調整できずに何個も口に詰め込み、結果飲み込めず吐き出したりする。
理解レベルは、「タオルとって」は通じるが「タオルとティッシュとって」だとティッシュしか取らない
それと薬は大人が飲むのと同じくらい。わりと大きい。
とまあこんな感じで、お子さんのレベルと照らし合わせると少しは参考になるのではないか。
本人が「噛まないで飲み込む」ことさえ理解できて通常の食事を飲み込む時に大きな問題がないならば、一度試してみる価値はあるだろう。
また粉薬をあげていた時は全く思いつかなかったが、試しに子供に悪影響のなさそうなサプリメントなんかで確認するのもいいかもしれない。
粉薬は味がダイレクトにして水を飲んでも口に残るし、錠剤だって噛んでしまえば粉薬と変わらない。これでは苦手意識が植えつけられて逃げ回るばかりだ。
そのまま飲み込める力があるのなら錠剤がベストではないか。
子供の成長はそれぞれ違うが我々夫婦のようにどうせ無理だからと諦めているなら、改めて検討してみる価値はきっとあるはずだ。
そんな提案と喜びの報告である。ただ責任はとれないぞ。
娘のてんかん関連記事