以前に、母が無料で電位治療が行える怪しいお店に足しげく通っていることを書いた。
確かにこりゃ高齢者も集まるわなーと素直に感心したという記事である。
今回新たな展開があったので、続報として記していきたい。
嘘をついてしまう環境
母は半年ほど毎日のように通っていたらしいのだが、最近行きたくないと言い出した。
お店の人にターゲットにされてしまったようなのだ。ターゲットと言っても、別に勧誘ではない。
ただ皆の前で言われるらしい。
「○○(母)さんはもう半年もほとんど毎日来ていますよみなさん!どうですか、腰も治ったんですよね!?便秘も治ったんですよね?他に治ったところないですか?」
とか、店に行けば毎回のように店員にみんなの前で聞かれるそうだ。
実際のところ母はそこまで状態がよくなってはいないそうなのだが、皆の前で「治ったんですよね?」と聞かれたら「はい」と言うしかないらしい。
みんながみんなそうではないかもしれないが、そういう人が多数いて宣伝に利用されているのだろう。
そして当然であるが、周りの人たちに聞かれるんだと。
「ねぇあなた、本当に治ったの?」
母はそれが心苦しいってさ。面白いね。
店員の煽り
そしてこの店に嫌気がさしたのか、母が最近言うことがある。それは店員のお願いというか、煽りがひどいそうだ。
「みなさんは無料で治療を受けているわけですけども、誰かを紹介してもらわないと私たちは生きていけません!帰ったらお友達に電話してくださいね!」
とか。とにかく誰かを連れてこいという煽りがすごいらしい。
そうなると、当然誰かを紹介しないと行きづらくなる。
でも健康のためでもあるし、毎日の楽しみでもある電位治療だ。そりゃ友達を誘っていくよね。
実際私も母に誘われたし、母は親戚も誘って連れて行っている。
無料とはいえ、誰かを紹介しなきゃさすがに毎日通うのは心理的に厳しいはずだ。
返報性の原理にがっつりはまっている母
返報性の原理をご存知だろうか。
相手に何かを与えられたら、人はその恩を返さずにはいられないというもの。
これが面白いのが、例え無理やり与えられたものであっても人は恩を返さずにはいられなくなるのだ。
ブログ界隈でもたまに見る、興味もないブログに一回だけコメントつけにきたりする人も返報性の原理を知っててやっているはずだ。
そしてこの電位治療の店、無料をうたっているが、話を聞けば恩の押し売りが半端ではない。
毎日行って店員から恩着せがましい発言を毎日聞かされ、”紹介”という形でそれを返してくれと毎日せがまれる。
お客さんは、そりゃ紹介するよね。当たり前だ。
無料ではない商品がある
そして問題はここだ。
誰かを紹介するなんて、限度がある。そもそも怪しい電位治療なので、誘って付いてくる人自体が少ないはずだ。
そうなるととても肩身が狭いらしいのだ。
「あなたたちは無料で治療をしていますけど、紹介が必要なんです!」
毎日これを言われても何も気にならない人は、そういないのではないか。
そして今回母から聞いた話によれば、色々と健康グッズを裏で販売しているようだ。
たっかい水素水とか、健康食品にサプリとか。店員から購入を促さないものの、商品が確かにあるらしい。
これ、どう思う?
紹介できない人の最後の手段
というわけで、もう紹介できなくなってしまった人は何か商品を買って恩返しするしかない。
いやむしろ、お金を払えて嬉しいとすら感じるかもしれない。
そして一度でも買ってしまえば、例えば食品やサプリ、飲料水なども売っているので定期的に購入せざるを得ないだろう。
広告収入がメインというが、実際のところ裏の商品販売がメインなのではないかとすら思う。
実際にうちの親戚も高いサプリを買ってしまったようだし、お金がある人になれば数十万する機械だって買ってしまいかねないだろう。
紹介できない人は、金を出すしかない。毎日通いたいならね。
何も気にならない人はいいだろう。おそらくそういう人は、店員も相手にせず切り捨てているはずだ。
母のような人の目を気にしたりする人が、完全無料で電位治療の店に通い続けるのはなかなか厳しいのではないかな。
なかなかえぐいシステム
無料でできると母がずっと言っていたが、このやり口はちょっとえぐい。
本人が納得して高いサプリや健康食品を買って、毎日電位治療に通ってニコニコ過ごすのなら別に何も言うことはないが。
ただ店のシステムにはまって、追い込まれて不要なお金を出すのは……どうかな。
電位治療の店に行く前から私が絶対に怪しい!と何度も文句を言っていた甲斐もあり、母の洗脳っぷりは少し解けてきている気もする。
実際別にどこも良くなってないらしいのだが、じゃあなんで毎日通っているんだ?
そこが電位治療の怖いところであるな。ただより怖いものはない。
一応、実際に効果がある人もいるだろうし、サプリや健康食品が悪いわけではないと書いておきたい。やり口がえぐいねって話であった。
以上。また何かあれば書きたい。
おすすめ関連記事