ステップファザーにできること

発達障害の娘とやんちゃ息子の父によるステップファミリーの話

発達障害の娘には意識してこちらから話しかけることにした話

我が娘は重度の発達障害で7歳になる。まともな会話は今のところできない。

 

先日は発達検査もあったが、2歳6ヶ月という結果が出た。それでもなんとなく言葉は理解しているし、場面にそった言葉を話したりもする。

 

「おなかがすいた?」には「すいたー」と答える。ただそれ以上のこと、例えば「何食べたい?」と聞いても言葉が全く出てこない感じ。

 

そんな娘なので、思えば私はあまり娘とコミュニケーションをとることがない。

 

先日ちょっとした気づきがあったので、書いていきたい。

話しかけても無駄という無意識

悲しいかな、私の中には「娘に話しかけても意味がない」という無意識が芽生えていたようだ。

 

人でなしのクソ野郎と思うじゃないか?これがなかなか難しいんだよ。

 

実際、話しかけても「ん゛ー!」といって叩かれるか、ほとんど無表情のまま反応がない娘。

 

上に書いた通り「おなかすいた?」など、娘が完全に理解しているワード以外には反応しないし、確実に反応してくるワードの数も少ない。

 

かといって何度も「楽しかった?」と聞くとバカにするなと叩いてくる。触ったら叩かれる。手遊びをしかけると発狂して蹴られたり。

 

会話でコミュニケーションができないため、送迎の車内はお互いにほぼ無言になる。たまに話しかけても基本は無視だからね。

 

そして気づいたら必要なこと以外、私から率先して話しかけることは少なくなっていった。

 

話しかけなければ話しかけてこないから、会話はほとんどない現状だ。

試しに話しかけてみた

我が家でよく娘に声をかけるのは妻だ。

 

妻は娘とよくケンカもするが、機嫌がいい時は率先して話しかけているようだ。

 

「娘が今日学校で何やったか教えてくれた」「こねこねしたーって言ってたけど、本当に連絡帳に粘土で遊んだって書いてある!」

 

娘がそんなに話すかね?と疑問を持ちながらも、妻の話を聞いて久々に私も腰を据えて話しかけてみることに。

 

以下お風呂場の会話である。

 

「今日楽しかった?」

「…たのしかったよー」

 

「遊んだの?」

「…せんせいと、あそんだよー」

 

ただ定型文を口に出すだけじゃなく、しばらく考えたあとにニコっとして返す娘。

 

か、かわいいじゃねーか!

 

その日は体調もよかったのもあったが、ニコニコしながら、語尾をあげながら「楽しかった」ことを教えてくれた。

 

そこから少し、意識が変わった。

娘には娘の意志があること

わかっているつもりではあったが、娘には娘の意志がある。

 

まともな返事もなく、話しかけても意味がないすぐに手が出るモンスターという意識ではコミュニケーション以前の問題だ。

 

話しかけてうまくいったので、今度は叩かれたあとに「いたいよ」と話すことにした。

 

叩かれても叩かれても、娘が落ち着くまで「いたいよ」「やめて」とひたすら声をかけた。

 

それでもすぐに手が出てしまうのだが、様子をみる限り、手が出るのを自分ではコントロールできないようである。

 

それでも「叩いたら痛い」「優しくして」という言葉をかけ続けると、少しずつ手を出すまでの時間が長くなっていく。

 

衝動的に手が出てしまうことをなんとか我慢して、落ち付けようとしている感じがする。

 

感じが、ね。結局は私の主観にすぎない。

 

それでもさ、不安やモヤモヤとかどうしようもない衝動を抑えながら、娘は戦っているのではないか。娘は頑張ってるのではないか。

 

なんとなく、そう思う。

少しずつ話しかけていこう

だからなんだという話かもしれないが、少し娘に対する見方が変わった話である。

 

変わったというか、戻ったというか。一緒に住む前までの私は、娘を一人の人間としてみよう!という意識がとても強かった。

 

ただ2年一緒に過ごしたことで私の意識が変わってしまっただけなのだ。無視されて叩かれてむかついて、日常に飲まれてしまっていた。

 

今回、娘の心というか意志というか、そんなものが少しだけ垣間見えた。

 

表面だけを見るのではなく、娘の内面に目を向けていかなければならないなと気付かされたのである。

 

その一歩として、これからは少しずつ娘に話しかけていくことにしよう。

 

娘がどうしたいのか、どう考えているのか、何を我慢し、何を我慢できないのか。

 

声をかけながら一緒に成長していこうぜ。なんせ、家族だからね。