先日は5歳になる息子が、2年通った保育園の卒園式であった。
娘が卒園式中に暴れまわってひどいものだったのは置いといて、5歳児が卒園をどのように捉えているのか、少し書いていきたい。
卒園式の状況はこちらをどうぞ。
◆息子の卒園式に娘も参加させたら奇声をあげ暴れまわって地獄を見た話
先生が大好きだった息子
息子は3歳の頃から今の保育園に通い出した。周りの子は1歳から入っている子ばかりだったため、馴染むのに苦労したっぽい。
乱暴者の兄弟に毎日泣かされたり、女々しいと女の子からからかわれたり、園長先生も昭和のおじさんという感じで、軽いげんこつ(側頭部をぐりぐり)とか当たり前のようにやる世代。
息子もそれなりに荒波を乗り越えてきたようである。
そんな中、息子が大好きだったおばちゃんの先生がいた。優しくて、子供達のお母さん的な存在。
子供達みんなから慕われていたようで、当然うちの息子もその先生が大好きだった。
お昼寝の時にはよしよししてもらったり、だいすきーとはぐをしたり、とにかくこの先生だけをめちゃくちゃ好きだった息子。
そんな先生ともう二度と会えないなんて、それはそれは寂しいだろうなと思っていた。
卒園式のあとに先生からの誘い
卒園式が終わったのは3月23日であるが、卒園生は3月いっぱいまで保育園を利用できるというのが保育園界隈では常識のようだ。
卒園式が終わったあとにまた保育園に行くなんて少しおかしな風習であるが、次年度の準備もあるためこれが普通なのだという。
だが我が息子はすでに引越し先にいるため、卒園式が終われば二度と保育園にいくことはない。卒園式が本当に最後の最後。
卒園式くらいの行事があるならまだしも、通常の日に数時間かけては連れていけないよね。
そんな現実はさておき、卒園式の日に息子の大好きな先生からお誘いがあった。
「3月末までは保育園あいているから、ぜひ一回は顔だしてね」
非常にありがたいお言葉である。私も空気を読んで「検討しますね」と告げた瞬間、息子がこう言ったのだ。
「もう来ないって言ってたよ!」
息子の本音は?
先生も苦笑いで私も苦笑い。でもまぁ、事実は事実だ。
ただ私だって鬼ではない。もし息子がどうしても、もう一回だけお友達や先生に会いたいというのなら、一度くらい連れていかんこともない。
そこで息子の本音を聞いてみようと、卒園式の帰りにもう一度保育園に行きたいか聞いたのだが。
「もう行きたくない」
そうあっさり言い放ったのである。
大好きだったヨシヨシしてくれた先生にももう会えないし、友達にも会えないんだぞ!
と軽く説得モードに入ってしまうくらいにあっさりしている息子。結局行きたくないという意思は固く、二度と行かないことになった。
いやはや、遠いしこちらとしてはありがたいけども、寂しいもんだな。
別れの寂しさを理解するのは何歳から?
人の痛みや感情を理解するのは5~6歳からという話もあったが、こういった別れに寂しさを感じるのは何歳からなのだろう。
息子の友達もみんな寂しそうではなく、ニコニコとみな楽しそうにバイバイをしていた。
卒園式で泣くのは先生と親ばかり。甲斐がないとはまさにこのことであるな。
保育士の親戚に聞いてみたところ、保育園の卒園式で子供はほとんど泣かないしあっさりしているのが普通だが、ごく稀に感動して泣く子がいるらしい。
感受性豊かすぎて将来が楽しみな子供だ。
現在進行形で息子の保育園は開いているので、何度か保育園に行くか声をかけるが絶対に行かないという息子。
その理由は「お昼寝が長すぎるから」だそうだ。せっかく友達といるのに、2時間も寝かされるのが心底いやだったっぽい。
子供が考えていることはわからんな。
おそらくもう二度と会うことがないと理解できるのは何歳からなんだろうね。
子供達の夢
余談として、卒園式で一人一人の夢を先生が発表してくれる場面があった。
ほとんどの子が警察官や保育園の先生といった現実的な夢を描く中、我が息子だけは異彩を放っていた。
「スーパー戦隊になって悪い奴らをやっつける正義のヒーローになりたい」
うむ。努力によって実現可能な夢であるな。将来に期待である。