最近は息子の無駄話に延々と付き合っているとんぼである、ごきげんよう。
あまりイライラすることもなく話を聞けるとはいえ、子供の話というは本当にとりとめもないというか、しょーもないというか。
というか、5歳児の話ってしょーもないよね!?
相槌のプロ、とんぼ
まず宣言しよう。私は相槌のプロである。
100人以上在籍するコールセンターにて、トップの成績を誇っていたこともある。「お金は払わないが携帯は止めるな」という人の話を、3時間以上聞き続けたこともある。
そう。クレーマーすら納得させるほどの相槌術を持っているのがこの私なのだ。たかが5歳児。いい感じの相槌でふわふわ幸せ気分にさせるなんて楽勝だろ?余裕っしょ!?
息子が何かしらの話をしているとしよう。そこで私の相槌スイッチが入ります。
へぇー、うんうん、そうなんだー、そうなの!?
面白い、まじか!、それいいね!
うん。
お前の相槌の方がしょーもないわ!と思われるかもしれないが、これだけでなんとかなっちゃうんだから、ちょろいよね。
ふふん、5歳児なんてこんなもんよ。
この難問をどう乗り越える?
さて、そんな相槌のプロである私にとって、非常に悩ましい問題がある。それは息子の話の流れで出てくる質問だ。
息子の話をいい感じで相槌打って聞いてるとするじゃないか。
「パパ!ポケモンがさ!」
はいはい、またポケモンの話ね。よしよし、じゃあ私が上手い相槌で転がしてやろうじゃないか。
「ピカチュウが穴掘って、そこにサンダーが穴に落ちてきて攻撃したら、どうする!?」
ん、どうするも何も、どうするかなー、怖いねー。
「パパ!車のドアあけたら、ニワトリがいちまんきゅうせんひき入ってきたら、どうする!?」
え、どうもこうもないよ。そんなこと現実にありえないから。
「ねぇパパ!車の運転席にゴリラ乗せて、ゴリラが運転したら、どうする!?」
ご、ごりらが運転?ごりらが、うんて………
うわあああああああああ!!
どーするもこーするもないわ!そんなくだらない質問すんな!!
このように、息子は目をキラキラさせてよくわからん例えを言って、何度も何度も「どうする!?」と私を問い詰める。
そして私は、いったい何が正解なのかわからなくなってしまったのです。
あなたなら、どうする?
そういうことじゃないんだろう
結局私は、息子の問いに真面目に考えて、真面目に答えるしかない。
「ゴリラが運転席にのったら、警察につかまるよ。免許証も持ってないし、ウホウホしかいわないんだぜ、そもそも運転できないよ。握力も強いし」
見てよこのクソ回答。相槌のプロとはとても思えない。
これで息子が笑ってくれたらいいんだけど、「何言ってるのこの人」感を出してスルーされることも多い。
で、あぁこの「どうする?」って聞かれるのがストレスだなぁーと気づいて、分析してみたところ、気づいた。
息子は別に、面白回答を期待してるわけじゃなくね?
ポケモンが穴ほってあーだこーだ言ってるクソしょーもない「どうする?」話に、私も困って「こわいねー」「いやだねー」「それだめだろー」とめちゃくちゃ適当な相槌を打っていたのだが。
「どうする?」に明確な答えを示さずとも、息子は嬉々としてまた別の話をもってきて、どうするどうすると聞いてくる。
これ、多分、思いついた話を聞いてもらったらそれで満足なんじゃないか?
いやな顔せず、あなたの話をちゃんと聞いてるんだよっていう姿勢さえ示せば、親の役目としてはほぼ成功してるんじゃないか?
という結論に至ったのだが、いかがだろうか。
誰かの期待に答えなきゃという強迫観念
この時間を楽しい時間にしなければ。
相手の期待にこたえなければ。
そんな無意識が昔からあるのでね、少しずつ矯正している途中のとんぼである。
お笑い芸人でもないし、本気で私が面白いと感じるひねった回答を息子に言っても理解してくれないし。
なーんも考えずに、息子の話を聞くだけでいいんじゃないかなーと。
ピカチュウが穴掘るところを想像して、ゴリラが運転しているところを想像して、一体私は何をどう伝えようとしてたのか。不思議である。