コミュ障とんぼである、ごきげんよう。
店員さんに何かを聞くのってとても緊張する。仕事の邪魔だと嫌な顔されるかもしれないと思ったら尚更である。
このコミュ障っぷりのやばさを語る会としたい。
店員に聞けません
先日、大きなデパートに買い物に行った。欲しかったのはラミネーター。仕事でよく使ったりする、紙を保護できるやつ。
以前このお店で見かけたのに、今回はどこにも見当たらない。探しても探しても見当たらない。妻が店員に聞いてみようと提案したのだが。
聞けません。怖すぎます。
店員は忙しいかもしれないのに、物の場所聞かれたら迷惑かもしれない。さらにラミネーターという言葉を知らないかもしれない。
ラミネーター?はぁ?あんた何言ってんの?
怪訝な表情で私を見つめてくる店員の姿が目に浮かぶ。私を異常者だとレッテルを貼る未来が手に取るようにわかるのだ。
いや、それでも、なんとかして聞けないだろうか。ラミネーターという言葉を使わなければいけるか?
ラミネーターという単語を知らなければ「文具コーナーに置かれていた書類をフィルムで保護できる機械」と説明すればいけるか?スマホでラミネーターの画像を出しておくか?
ううむ、どちらにせよ緊張で上手く話せそうにない、どうしたものか……と葛藤していたら、その間に妻が聞いていた。
おい、旦那の葛藤をもう少し待とうぜ。今から覚醒してパワーアップするところだろうが!
このように、未来のありもしない不安にばかり怯えているのがこの私である。
領収書を貰うとんぼ
最近、私がコミュ障克服を考えていると知った妻は、突然以下のお使いをふっかけてきた。
先日靴を購入した時に、貰うはずの領収書をもらい忘れたのだという。レシートはあるから、領収書もらってこいと。
え?一度購入して領収書もらわなかったのに、再度行って領収書もらうの?わざわざ?一度もらわなかったくせに!?
ふああああああ、そ、そんな大仕事が私にできるだろうか!?
店員に面倒な仕事をお願いすることになる。忙しくて嫌な顔をされるかもしれない。声をかけた店員が、領収書という単語を知らない社会人一年生かもしれない。
怖い怖い怖い怖い。
と恐怖を感じつつも、ラミネーターの時から数日がたって私は成長していた。失敗に関する知識を一つ身に付けたのだ。
人は失敗によって成長する。そして失敗するなら、自分がもっとも大事なものが何かを考え、その大事なものが脅かされない時に失敗するのが大事だという。
要は、失敗できる状況だからこそ、たくさん失敗して勉強しようということだ。
私の大事なものは何だ?家族だ。領収書を貰うのに失敗したら、家族の命が脅かされるか?その答えはNoである。
ならば行かん。領収書をもらってやるぞ!
そう息巻いて、さっそくお店に向かう。店員に何て声をかけようか頭の中で何度かシミュレーションした上で、ゆっくりとレジに近づいていった
「あの、先日ここで靴買ったんですけど、領収書もらい忘れてしまって。今から発行するのは可能ですか?」
とまぁ、いけるんだよ。覚悟を決めたらできるんだよ。やるじゃん。
宛名を紙に書いてくださいと案内されて、しっかりと間違いないように記入し店員さんに渡す。対応も丁寧で、スムーズに領収書をもらうことができた。
ありがとうございます!!
そう満面の笑みで告げて、領収書を見ながらホクホク顔で帰路についたのである。
と、思ったら、
領収書に書かれた宛名の漢字が間違えているのだ。
私は確かに、絶対に間違いのないように宛名を書いたのに、それを見ながら領収書に書いた店員さんが漢字を間違ったのだ。
ねぇ、漢字が間違っているんだよ。聞いてよ、ねぇ。
漢字が間違っているんだよ!!うわあああああああああ!!!!
どうする!?もう一回行く!?まじで!?もういいんじゃない、領主書の宛名が間違っててもいいんじゃない?もう行かなくていいんじゃない?でも逃げちゃだめだろ、逃げちゃダメ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ。
そしてとんぼは、闇の中に落ちていった。
以前の私なら諦めたが
領収書を見つめながら葛藤し、もう無理だから諦めて帰ろうとも思ったが。今回は少し頑張ってみようと自分を奮い立たせる。
そうだ。何度も迷惑なゴミ野郎だと嫌な顔をされたとしても、失敗をし、恥をかき、迷惑をかけたからと言って、それで私の何かが決まるわけではない!
そう決意して、もう一度同じ店員さんを捕まえて、宛名を直してもらいましたとさ。
客観的な事実として、漢字を間違えたのがあちらなので普通に平謝りされました。まぁ、そういうもんなんですよね。わかってますよ、くだらないことばかり考えているって。
とりあえず疲れたよ。領収書貰うくらいなら金払った方がマシだな。