家族を愛しているとんぼである、ごきげんよう。
先日子供達と風呂に入っている時に、突然息子がよくわからない指遊びを始めた。名前の数を数えて、天国行きか地獄行きか大地獄行きを決めるらしい。
調べてみたら割と有名らしいのだが、死生観にこだわりを持っているこの私。息子のこの指遊びに耐えられなかったぞ。
そもそもバカにしている
息子が突然始めた天国地獄大地獄の指遊び。しょっぱなからアクセル全開で飛ばしてきやがった。
風呂場で、天国・地獄・大地獄と唱えながら指を細かく数えたと思ったら、「パパは地獄行きだよ!」と、ありがたいことに教えてくれたのである。
……は、はぁ。急に、私は地獄に行くことが決まったんですね。別にいいんですけど。
「僕も姉もママも、天国行きだよ!パパだけ地獄行きだね(にこり」
……
……
はぁあああああああああ!?
ふざけんなてめぇ、名前の数だけで天国や地獄行きを決められてたまるかぼけが。自分の運命は自分で決めるわ!
それにさぁ、
父と母が私の名前を決めた瞬間に、私の地獄行きが決まったって言いたいのか!?
いや冷静になれ。息子はそんなことは言っていない。
子供のくだらない遊びだ。わかっている。学校で他の友達から聞いてきた、しょーもない遊びの一つだ。
こんなのに怒っても仕方がないという理性が残っている一方で、ふざけんなふざけんなという怒りも止まらない。
結局、自分を抑えて一言だけ告げることにした。
「私はそういうの嫌いだから、二度とこの話をしないで」
それでも止まらない息子
明らかに気分を害した父を見て息子も何かを察したようだ。「ごめんね」と謝ってきた。だが息子は止まらなかった。
「でも、パパを名前じゃなくてパパでやったら天国行きだよ、僕も今数えたら地獄かも」
とかなんとか言ってきた。そこで完全にぶちぎれる。
そうか。お前は、まだ言うのか。名前の文字数だけで天国行きと地獄行きが決まっているのだと、まだ言ってくるのか。
それならさ、今や死んでしまった長年一緒に暮らしたわんちゃんも、君の手遊びで数えたら地獄行きになるんだが。
あいつが今地獄にいて、苦しんでるって言いたいのか。お前は、私の愛した家族が今は地獄で苦しんでるんだと、指遊びでヘラヘラしながら決めているわけか。
絶対に許さんぞ。
と涙をこぼしながら威圧したところで、妻が帰ってきたのでバトンタッチした。
家族をバカにするのは家族でも許さん
とまぁ、風呂場で突然不愉快な思いをさせられてぶちぎれた情緒不安定な父の話であった。
いやー子供の遊びだし、悪気がないのも重々承知している。怒ることじゃないってのもわかっている。
それでも、今や亡き家族を愚弄されたと感じた時の怒りは底知れない。それを言ったのが誰であれ、自分でも怖くなるほどに怒りが芽生える。
これまでも何度かあった。私は天国や地獄行きといった死後の世界の話になると大抵ぶちぎれる。完全なるタブーで地雷なのだ、絶対に触れちゃいけないことなのだ。
だから息子には、死んだあとの話はパパにはするなと忠告しておいた。わざわざ地雷を踏ませることもあるまい。
死んだ後はどこにいるかわからないとか、消えて無になってしまったというならわかるぞ。天国でもいい。なんでわざわざ地獄を作ってそこにいかせるんだよ。
ふざけんな。