人の死の形にも色々あるのだと知ったとんぼである、ごきげんよう。
私の父親(70代前半)が大腸癌で亡くなった時は悲しみにくれたものだが、健康で長生きした義祖母周りでは、遺族は皆穏やかなムード。
皆が実際どう感じているかはわからない。でも、自らの死後に家族が笑っているなら、義祖母も笑っているのではないかと思う。
そんな義祖母の葬儀関連での、娘の行動がなんとなく切ないので記していく。
子供たちと義祖母の関係
私にとっての義祖母は、娘や息子にとっては赤ちゃんの頃から付き合いのある、ひいおばあちゃん。
特にかわいがってくれたのが、娘。障がいがあって会話が上手くできない娘に対し、いつもにこにこしながら話しかけていたという。
娘も娘でひいおばあちゃんが大好きで、顔をあわすと大抵ニコニコしながら近づいていき、肩をぽんぽんとたたく。
「げんきしてよ、おばあ。げんきしてね」
ひいおばあちゃんが好きだったんだろうね、会うと大抵こんな感じで声かけしてたらしい。それもあって、おばあちゃんも娘を気に入っていたのだろう。
逆に落ち着きのない息子とはそりが合わなかったらしく(笑)、息子と話すとどうしても嫌そうな顔をしてしまったらしい。
それを察知したらしい息子は、おばあちゃんちに行ってもあまりくっついていかない。人の家にお邪魔するたびに、あれもこれもと触りまくって走り回ってうるさいからだろう。
かわいそうではあるが、子供ってそういうもんだから仕方ないよね。
お通夜の時の娘
お通夜に家族全員で繰り出し、静かに眠るおばあちゃんに皆で線香をあげた。
その後、親戚から食事を振る舞われたのだが、息子はおかわりしたりお菓子食べたり、台所に邪魔しに行ったりと子供らしい振る舞いをする。
一方で、娘はご飯をそこそこに済ませると、一人でまたおばあちゃんの前にいき、静かに、何も言わず、じーっと顔を見つめていた。
「おばあ、ありがとうねー」
とか何とかいいながら、一人でモゴモゴモゴモゴと、ずっと喋り続けていた。
後日、葬儀もひと段落してから線香をあげに行った時。
息子は他に集まった親戚の子どもたちを見てニヤニヤしていた。一般的な子供らしい振る舞いはこんなもんだと思う。
だが娘は一目散に祭壇の前に行き、一人で線香をつけようとし始めた。
危ないので止めて、一緒に線香に火をつけ、家族で手を合わせる。そして目をあけると、娘だけがまだ目を閉じて手を合わせている。
聞き取れる言葉ではないが、もごもごもごもごと、小さなこえで何かをつぶやいている。お礼を言っているのか、お別れを言っているのかわからないが、一人だけずっと喋っていた。
娘のあの姿を思い出すと、健気と言うか何と言うか、涙が出てくる。
おばあが好きだったんだろうね。死んでしまったことや、死の概念を理解してるかはわからないが、何かが変わったことがわかったんだと思う。
このような娘を見たのは初めてであった。最後には一緒に「おばあ、ありがとうね」と言うと、娘も満足したようであった。
おじいちゃんには会わせたい
今回、コロナが流行しているために、病院に入院したひいおばあちゃんに子供たちを会わせることができなかった。
娘はひいおばあちゃん好きだったから、妻はそのことを後悔している。そうだね、私も会わせたかったなぁ。
数ヶ月前から義祖父(子供たちのひいおじいちゃん)もかなりレベルが低下していて、コロナで今は面会謝絶になっている。
おじさんおばさんたちですら面会できないというが……元気になってコロナも落ち着いて、子供たちと挨拶いけることを願っている。
ここまで読んでいただき感謝。
↓のウサギをポチすると、さらにとんぼが喜びます。