読み聞かせもやりたいとんぼである、ごきげんよう。
たまたま息子が借りてきた絵本を読み聞かせしたら、なんとなく気に入らない描写があったので記していきたい。
ヘンゼルとグレーテル
息子が借りてきたのがあの有名な『ヘンゼルとグレーテル』。もう返してしまったみたいで写真がない。
色々なバージョンがあるらしく、今回読んだのはこれだ。
有名な話なので知ってる人も多いはず、一応あらすじを簡単に紹介する。
ヘンゼルとグレーテルは両親と住む貧乏な4人家族。食べるものもないので、仕方なく両親はヘンゼルとグレーテルを捨てることに決める(母親発案)
捨てられたヘンゼルたちは、自分で撒いた小石を辿ってなんとか無事に家に帰還するも、もう一回捨てられる。
次はパンクズを撒いたが、鳥に食べられてしまう。道に迷ったヘンゼルたちはお菓子の家に。
その家の主である魔女に食べられそうになるが、命辛々逃げ出してなんとか無事に自宅に帰ることができた。
悪いお母さんはいなくなっていて、お父さんは泣いて喜びましたとさ。
めでたしめでたし。
とまぁ、こんな話だったんだけど、めちゃくちゃひっかかる部分があった。
一言で片付けられると困るんだが
今回読んだ絵本は、最初、ヘンゼルとグレーテルが寝ているところから始まる。軽い自己紹介だ。
そして次のページは両親の会話なんだけど、お母さんの第一声がすごいぞ。
「ねぇお前さん、こうなったら子供たちを捨てるしかないよ!」
これだ。えぐすぎる。
「子供たちをすてて、私たちだけでも生き残ろうよ!」とか。
そんなことはできない……と苦しそうなお父さんへのとどめがこれ。
「じゃあ私たちも死んでもいいんだね!」
本当に貧しいとこうなるのかもしれないが、この母親の考え方はどうなんだと思いながら子供たちに読み聞かせしてたわけよ。
するとね、お母さんがなんでこんなに冷たいのか、説明する一文があった。
それがこれ。
おかあさんは、ヘンゼルとグレーテルの本当のおかあさんではありませんでした。
……
……
えっ、この一文だけでみんな納得させるつもりなの?
これを読み聞かせしている私は本当のお父さんじゃないんだが!?
うーん……なんていうのかな。
本当のお母さんじゃないから子供たちを捨てるじゃなくて、平気な顔で子供たちを捨てるような人がお母さんになってしまった。
そんなニュアンスで描いてほしいなと思ったわけです。
細かいけど、違うんだよ。血の繋がりがないことで何かが決まるわけじゃないのに、それを理由にされたらたまらんわ。
本当のお母さんじゃないから、子供たちを捨てるのは納得って?そんな馬鹿な。
いやぁ……まあでも、こういった昔話に継母はつきものか。シンデレラの意地悪お母さんも継母だったような。
こんなん気にならなかったのに、今やこんな気持ちになるんだね。
色々とバージョンがあるらしい
今回読み聞かせしたヘンゼルとグレーテルでは、最後に子供たちが家に帰ってきた時にはお母さんはいなくなっていた。
出て行ったのか、死んだのか、何もわからない。
調べてみたら、様々な改変があるらしい。最後には母が病で死んでいたパターンもあるとか。
あと、母親が継母なのも改変されたもので、最初は実母だったとか。
子供を捨てるのが実母だったら冷たすぎるから、継母に改変されたのかね。それはそれで気に食わん。母親の人間性の問題を、血の繋がりの問題にすり替えないでほしい。
ヘンゼルとグレーテルの見所はおそらくお菓子の家で、こんな一文誰も気にしないんだろうけどさ。
「本当の親じゃないから」の一言ですべて説明がつくとは思って欲しくないね!
ここまで読んでいただき感謝。
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