少し引っかかることがあったとんぼである、ごきげんよう。
昨夜、娘が息子に嫌がらせをした。その際に妻が説教をして一応は落ち着いたんだけど、その時にあった出来事を考察したい。
弟に嫌がらせをする姉
昨夜、就寝前に絵本の読み聞かせをする直前。
息子が借りてきた絵本を取り出して、手に持っていた。ただそれだけなのに、娘が息子の肩を爪を立ててぐぐーっとつかんだ。
それはもう痛かったのでしょう。息子はみぃいぃと声無き声を出して泣いてしまった。泣くわな。痛いもん、娘の攻撃。
最近の娘は荒れている。家族だけじゃなく、学校でも物を投げたとの報告あり。義母宅でも食事を投げたとか、運転中の義母を叩いたとか。
それでもやっぱり1番の標的は、弟である息子だ。なにせ、本を手に取っただけで攻撃されるんだから。私や妻にはこんなことしない。
あまりに酷いもんだから、私が息子の背中をさすってフォローして、妻は娘にがっつり注意をする流れに。
妻が剣幕で、わかりやすく叱っていたのに、娘は聞く気がない。
「絵本よみたいのー!!」
そう言って泣き崩れ、とにかく絵本が読みたいとアピールするばかり。しまいにゃ妻を叩いたり、顔を押したり。
……この子は、話をまるで理解してないんじゃいのかと、疑問に思う。こんな説教して意味があるのかと。
どこまでわかって、どこまでわかっていないんだろう。
妻ともみくちゃになってグダグダしながらも、最終的に妻が言い出した。
「あなたはお姉ちゃんでしょう!?赤ちゃんなの?!」
「年下の弟を、お姉ちゃんが傷つけるの??」
私は、このお姉ちゃん説法に首をかしげる。どうなんだろうなこの言い方はと思いつつも、口を出さずに見ていた。
娘は口をつぐんで下を向き、怒っているような、何かを考えているような、長い沈黙が続いて。
どうするのかなーと見ていたら、娘は息子の足をさすって、もごもごもごもご悲しそうな声で何かを言っていて、その中に「ごめんなさい」との言葉も聞こえてきた。
謝ることはあっても、こうやって面と向かってはっきり「ごめんなさい」と弟に言う姿はあまり見ないので、娘はすべてを理解して謝ったのかもしれない。
ごめんなさいと言えば全てが水に流せるわけでもなく、反省すれば次につながるわけでもないが。
息子が「いいよ、大丈夫だよ」と言っていたので、コミュニケーションの落とし所としては悪くなかったのかもしれない。
姉と弟の関係性
娘と息子は二つ違い。9歳と7歳。お姉ちゃんには、知的障がい+発達障がいがある。
お姉ちゃんなんだから!!と、上の子を叱ることは一般的によろしくないと言われる。上の子に我慢を強いることになるからと。
それは多分、健常児同士の話なのだろう。
日常生活動作レベルは、すでに弟の方が上。できることも弟の方が多い。すでに大きな差が生まれている。
普通の姉と弟の関係ではいられない。無意識に姉が上、弟が下にはならないし、姉に弟の面倒を見てもらうこともない。
むしろ、我慢を強いられているのは息子の方なんじゃないか。姉と弟の関係性というより、障がい児と健常児の関係性の方が濃い。
娘はてんかんあるから、息子も空気を読めよとか。娘がこういう調子なんだから、息子もこうした方がいいよとか。
そうなっちゃうことが多いんだけど、娘は娘で「自分の方が上だ」という意識が少なからずある。見る限り、弟のことを見下している。
逆に弟から見る姉はどう映るのか。
食事を介助してもらう姉。パンパースをしてうんちをする姉。息子の方が喋る量が圧倒的に多く、発語の少ない姉の存在感が薄れることも多い。
我々も、娘を姉として扱うことはほとんどない。いつもそうしてるなら、一晩の出来事をわざわざブログに書かない。
今回妻が「お姉ちゃんなんだから!」と注意した姿を見て、私は心の中でヒヤヒヤしていた。
息子は、娘のことをお姉ちゃんと認めてないんじゃないか?
「俺の方がお兄ちゃんみたい」「姉は何もできない」とか言うんじゃないかって、緊張してしまった。
結局、ただの杞憂に終わったんだけど。
それはつまり、娘のことを姉として認めてないのは私だったという話なんですよね。あまりよくない雰囲気出ていますよね。
お姉ちゃんなんだから!
「自分は姉だ」という自覚がある娘に、それを認めるような声かけを我々はしてこなかった。
そのため、今回「お姉ちゃんなんだから」と、姉として認めるような発言は、むしろよかったんじゃないか。
と、妻は考えているらしい。娘は認められてると感じて、弟に謝ることができたんじゃないかと。
んー、まぁ、確かに。なくもない。
「お姉ちゃんなんだから!!」って悪い教育の例としてあげられるけど、裏を返せば「お姉ちゃんとして認めている」ってことでもある。
この言葉を免罪符に、何度も我慢を強いられればそりゃ嫌になるだろうが、認めず期待もしなけりゃこんな発言は出てこないわけだ。
まー姉だ弟だと比べること自体どうなんだという話で、二人とも唯一無二の存在として認めるのが重要なんでしょう。
何より、何度も「お姉ちゃんなんだから!」で行動を促すのもどうかとは思う。
でもたまにはね。娘はお姉ちゃんなんだぞ!!という当たり前のことを家族全体で共有するためにも、悪くない叱り方だったのかもしれない。
娘もまんざらじゃなかっただろうしさ。たまにはね。
ここまで読んでいただき感謝。
↓のウサギをポチすると、さらにとんぼが喜びます。