なかなかの衝撃に包まれているとんぼ一家である、ごきげんよう。
昨夜、夕食を食べながらいつものように家族で近況やら適当な話をしていたら、息子が突然重たい話をしてきたので紹介したい。
興味深い話である。
学校の話をしない息子と
普段うちはテレビの時間を制限していることもあり、家族の会話は多いほう。特に息子はよく喋る。ご飯をほおばりながら喋り続ける。
主に自分が好きな話しかしない。呪術廻戦がどうだ、ワンピースがどうだとか。楽しそうに話している。元気だ。
コロナ禍のため授業参観も削られ、家庭訪問もなかった息子の小1の1年間。
できれば息子の学校や学童での話を把握しておきたい気持ちもあるから、妻も毎晩ほぼ必ず、
「今日どうだった?」
と聞くようにしているようだ。でもこの聞き方もあまりよくないんだろうなぁと以前から思っていてさ。だって、返事は必ず
「楽しかったよ」
だからだ。これしか返ってこない。
何やったかを聞けば、鬼ごっことか、ケイドロなど出てくるけども、息子はあまりこういった話を率先してこない。すぐにアニメやYouTubeの話に移る。
朝も学校まで送迎したら、走って学校に行く。駐車場でクラスメイトと会ったら一緒に行く。休日もクラスメイトと遊ぶ。学校も嫌がらない。
それなりに悩みはあるだろうが、こんな息子だから。学校生活をそれはそれは楽しんでいるのだろう皆思っていた。
だが、なんだか違うようだ。
昨夜の夕食中、近所の遊具が何もない公園の話題で、せめてブランコだけでもあったらいいのにねーと話していた。
その流れで息子に聞いてみたんだ。
「最近、ブランコ乗った?7歳にもなればもう乗らないか」
息子の近況をそれとなく聞く、ナイスなパスだったはずなんだけど。
返事がこれだ。
「オレ、裏切られたから友達のグループから去った。3月に入ってから休み時間は一人でブランコ乗ってたよ。○○って子もいたけど、今はオレ一人だよ」
……
んん!!?
き、君、この数週間、ぼっちでブランコ乗ってたの?
息子の話を傾聴しよう
えぇ、なんだその話。こんなこと今まで一言も言わなかっただろうに、何があってそんなことになったんだ。
興味もあれば心配もあり、どういう表情をしていいかわからないまま、とりあえず根掘り葉掘り聞いてみることにした。
今週で学校は春休みに入って、もう一年生は終わって次年度が始まるのを待っている息子。
その一年生が終わる前に、色々といざこざがあったらしい。
遊びグループのリーダー話
これブログに書き忘れたんだけど、数ヶ月前にそこそこな事件があってね。
休み時間に、クラスの大部分が集まる遊びグループがあったそうな。同じクラスの子がメインメンバーで、他のクラスの子も何人かいて、総数で20人以上いるとか。
そのグループのリーダーを決めることになって、何人かが立候補。息子も立候補。
で、まー子供なりの民主主義というか、多数決を行った結果、息子は惨敗。おさむ君(仮名)がリーダーに選ばれたそう。
この時に息子はとても悔しかったらしくてねぇ。どうしてもリーダーになりたかったのに、負けてしまったから。
そのころから、おさむ君のことはあまり好きじゃなかったのかもしれない。
おさむグループの独裁政治
それでも大人数が入っているおさむグループだから。
やっぱり子供は大人数で遊んだ方が楽しいわけで、誰もがそのグループに入って、息子も副リーダーとして頑張っていたと。
だが、そのおさむリーダーのやり方が少しやりすぎだと。
鬼ごっこで、じゃんけんもせずに勝手に鬼を決めるという。今日はお前が鬼な!的な一方的な形で誰かが鬼にされるとか。(おさむが自分で鬼をやることもある)
息子が仲の良い友人も勝手に鬼にされてムカついてはいたものの、「仕方がない」と受け入れていたと。
他にも、グループの中でヒエラルキーがあるようで、メンバーに順位付けをしていたみたい。めちゃくちゃ興味を惹かれる、超面白い。
おそらく深い意味はない……と思うんだけども、グループ内のやりとりの中で、順位を下げたりあげたり的な言動もあったとか。
話を聞く感じでは、逆らったら強制的に鬼にされたり、順位を下げられたりと、嫌がらせを受けるような……そんな感じ。
今の小学生どうなってんだよwと半笑いで話を聞いてたわけだけども。息子はこれが気に食わなかったという。
息子の言い分を聞く
息子も、おさむリーダーに強制的に鬼にされたことで、ぶちぎれたようだ。
「鬼はじゃんけんで決めるんでしょ!」
そう真っ当な主張をしたのに、
「もう決まったんだよー!!」
とか何とか、おさむリーダーも周りの皆も、息子を鬼と勝手に決めて逃げていったと。息子はこれを裏切られたと表現していた。
他にも上にあげた順番をつける行為も含めて、このグループにいてもロクなことがないと感じるようになって、仲間のもとを去ったんだって。
で、去ったあとはずっと、休み時間はぶらんこに乗っていると。
「オレしかおさむに逆らえる奴はいない」
「みんなが走って鬼ごっこしてる姿をみてもどうでもいい」
「最初はオレにも仲間がいたけど、結局みんなおさむのところにいった」
「オレは何も感じない」
そう話す息子が、とてもかわいそうになりまして。頭をなでなで、背中をなでなで。全力で共感することにしたわけです。
おかしなところもある
息子が何をしようと全力で愛していこうと決意はしているが、息子の話を100%鵜呑みにするつもりはない。
最初、息子は「3月からブランコにずっと一人で乗っていた」と言っていたのに、話を聞いていくと「あれ、2月だったかも」「1月から一人でずっと乗っている」と話がどんどん盛られていく。
今日改めて聞いたら「12月から一人でブランコ乗っている」と笑顔で言い出して、はっきり申し上げまして信憑性がゼロ。
そもそも月日の概念を完全に理解しているのかも疑わしい。1~2日の話という可能性すらある。
さらに、少し嫌悪感を抱いた順位付けの話も続きがあってさ。
息子も一時期、リーダーだったらしく、その時には友達に「順位下げるぞ」的なことを言ったことがあると白状していた。
てめぇも同じことやってんじゃねーか、自業自得だろと突っ込まざるをえないところもある。息子がおさむより嫌われている可能性すらある。
時代が違えば子供たちの付き合い方も変わるようで、正直この子供たちの付き合い方はまったく理解できないんだ。
一年生だからこんなものなのか、時代のものなのか、田舎特有のものなのか。
クラスメイトで軍団作ってリーダー決めたり、仕方がなくリーダーの独裁認めたり、ヒエラルキーを構築したり……ってこんなんある?
『小学一年生のヒトラー』的な本になりそう。
これも勉強か
20時ごろから始まった息子の「悲しみのブランコ」の話は長く、22時まで続いた。
妻は色々と息子の力になろうと話をしてくれた。
こんなに学校で頑張っていたのに、家で厳しくしてごめんねとか。気に入らない人に自分の意見を貫き通すのはかっこいい、できることじゃないとか。上も下もない、皆得意なこと、不得意なことがあるんだよとか。
私もなんやかんや言いたいことをいって、息子の頭が回らなくなったところで話はストップした。
一応、2時間ずーっと話を聞いていた私の印象としては、悲しみのブランコが長期化してる感じはしなかった。
むしろめちゃくちゃ話を盛ってる感がすごかったんだけど……それを口に出しちゃおしまいだから。
とりあえずは様子見かなぁという結論に落ち着いた。なにせすでに一年生は終わっている。
学年が上がれば友人関係はすべてリセットされるのが、義務教育のメリットでもある。おさむグループも消え去るだろう。
その時に、この一年で学んだことを生かせるかどうか、新たな友人関係を構築できるかどうかは息子にかかっている。
親としては、もう少し息子から学校の話を聞けるような話の振り方を考えてみるとか。
学校という狭い世界で自分を決定してしまうのもアホらしいので、もう少し別の世界にも触れさせてみようとか。
コロナ禍で難しいけども、授業参観や家庭訪問にて、友人関係に注意してみるとか。
などなど、できることをやっていこうと思っております。
息子も偉そうな指示厨になるところがあるから 、今の段階でおさむに出会えて感謝すべきかもしれんな。自分のクソ野郎な部分も、おさむを見て気付いていきなさい。
これこそが勉強だ。
うーむ。面白かったのでまた聞かせてほしいね。
ここまで読んでいただき感謝。
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