ひきこもり経験者とんぼである、ごきげんよう。
今もひきこもりみたいなもんだが、当時とは状況が違う。妻がいるし子供たちもいるし、前向きに生活してたりする。
10代の頃のひきこもり生活を振り返ると、あそこまで精神を病む時期はなかったんじゃないか。死にたくてたまらなかったぞ。
そんな現在35歳の私が、NHKドラマ『ひきこもり先生』を見て号泣したので、簡単に紹介していきたい。
土曜ドラマ『ひきこもり先生』とは
公式サイトはこちら。内容を思い出しながら、簡単にあらすじを書く。
主人公は11年ひきこもった普通のおじさん、上嶋洋平(佐藤二朗役)。
現実で辛い目にあってメンタルを病み、当時小学生くらいの娘や妻からも距離をおくほどのひきこもりに。結局、家族と別れ、実家に戻っている。
ひきこもりから11年経過して、さまざまな支援をつかってなんとか社会復帰し、現在は焼き鳥屋で働いている。が、コミュ障感がすごい。
この上嶋洋平が、今現在ひきこもっている人に向けたセミナーに登壇し、皆に生きてほしいとメッセージを送る。
それをたまたま見にきていた不登校生徒ゼロを目指す校長先生が、一目惚れ。
我が校の不登校生徒をゼロにできるのはあなたしかいない!!と、うざったく追っかけ回して、なんとか非常勤講師になってもらおうとお願いする。
自分には無理だ……と露骨に拒否する上嶋洋平だが、飛び降り自殺しようとする女の子と出会って少しずつ考えを変え、先生になる決意をする。
そんな元ひきこもりが先生になるお話。
感想を語る
ここから感想をネタバレ全開で記していく。
たまたまタイトルに惹かれて(ひきこもり経験者なもんで)録画しただけで、正直……まぁ、普通のドラマだなぁと思いながら見てた。
ご都合主義だし、登場人物の非現実的なキャラクター感もあり。でもいくつか、涙が溢れて止まらない場面があったのです。
上嶋洋平がメンタルを病んで、おそらく初期。うずくまってるところに、娘が、パパーパパー!と寄ってくる。
そんな娘の相手をする気力がなくて。多分、相手をしたい気持ちはあるんだろうが、そんなパワーはどこにもなくて、大声を出して娘を追い払う。
ドアをしめて布団をかぶってひきこもる中、娘がドンドンドアを叩いてくる音に、布団を噛んで悶え苦しむ。
何だろうなぁ。私がおそらく、似た境遇だと感じているからかもしれない。
子供に優しくしたいし相手したいし、笑顔で対応したい。心からそうしたいんだけど。そうできない。できない自分が嫌だし、本当にクソだなと、死ねばいいのにと。
上嶋さんの苦しみが伝わってきて、号泣しました。私はこの人ほどひどくはないけどさ、延長線上にある世界だよこれは。
あとはあれよ。死のうとする女子生徒の名を何度も呼び、「生きよう」と声をかけるシーンがありまして。
なんだろう。自分でもよくわからないが、声をあげて泣きました。
自分の中で、まだ消化しきれていない心の闇があるのでしょう。生きようという言葉に、私が励まされていたんだから。
それでも生きよう
私も不登校だったし、ひきこもり期間もめちゃくちゃ長かったから、自己嫌悪の塊だ。あの期間に培われた自己嫌悪の癖は、そう簡単に消えちゃくれない。
ことあるごとに死にたくなるし、過去のできごとを思い出して思わず声を出してしまうほどの自己嫌悪に襲われることがある。
それを癒していこうと努力を始めたのが結婚してからなわけですが、いまだに消えずに残っている。
自分の存在を認めようとか、自分のことを好きになろうとか、容易にできるこっちゃない。虐待されていじめられて愛情を感じられずに、自己を認めろって無理な話だ。
それでも、それでも「生きよう」。
自分を認めなくていいし、好きにならなくてもいい。許さなくてもいいから、とにかく「生きよう」
そんな言葉に、少し救われたりしたドラマでした。
全五回のドラマで、今週第二回が放送される予定。まだまだ間に合うので、興味がある方はぜひどうぞ。
ここまで読んでいただき感謝。
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