ステップファザーにできること

重度知的+発達障害の娘と、二人のやんちゃ息子の父によるステップファミリーの話

火垂るの墓(実写版)を見せた7歳の息子、大泣きし寝られなくなる話

寝不足気味なとんぼである、ごきげんよう。

 

子供たちとともに映画を見るのが、週末夜のリラックスタイムとなりつつあるとんぼ一家。ただ映画には当たり外れがある。

 

普通に失敗もするわけで。

火垂るの墓(実写版)をレンタルする

普段、何気ない会話で息子が戦争の話を聞いてきたりする。

 

リアリストな私としては、7歳の息子にも現実を伝えたい。人は死ぬし、戦争では大勢死ぬと。

 

これまでも色々と話してはきたし、息子も戦争というものが何なのか興味がありそうだったので、先週末は火垂るの墓を見ることになった。

 

戦争映画はきついか?と思いつつも、見た記憶を辿ればそこまで子供に見せられないような内容ではなかったような……それに、なんてったってジブリでしょ?

 

絶対の安心感を持って火垂るの墓をレンタルするつもりだったのに、ない。

 

残念。まさかハクソーリッジを見せるわけにもいかんので、どうすっかなーと店内をうろうろしてたら、見つけた。火垂るの墓、実写版を。

 

戦争をテーマで実写版はさすがにやばい!!

 

そんな思考になったら良かったのだが、「火垂るの墓はジブリだから」とまったく引っかかることなく、ほくほくしてレンタルした。

 

実際、実写版の火垂るの墓はジブリと関係がないというのに、先入観は怖い。

泣き出す息子

というわけで、家族で火垂るの墓実写版を見始めた。

 

妻と子供たちがソファに座ってみてる後ろで、何かしら作業をしながらながれ見をしてたのだが……内容は想定の範囲内。

 

やや痛々しい場面もなくはない。が、物語感というか作り物感も強く、何の問題もなさそう。むしろ、親戚のおばちゃんの方が怖いと感じるくらい。

 

娘は内容を理解してなさそうで、たまに大声をあげて喜んだ。

 

息子も内容の理解が難しいらしく、妻にたまに質問しながら見てた。登場人物が多いね。

 

で、1時間ちょい見た頃かなぁ。優しい人たちとして描かれていた校長先生の家族が、一家で死んでるシーンがあり。

 

深く考えたら凄惨なシーンではあるが、息子はそこもスルーしたので、十分に見られると判断した……のだが。

 

戦争に行かずに遊んでいる学生かな、その人が袋叩きにされているシーンあたりで、息子が突然泣き出した。

 

もうとにかく怖くて怖くて仕方がないと泣いて、人が殴られているところ見たくないと、妻に正面から抱きついてみんみん泣いてしまった。

 

7歳の息子が、ここまで泣くなんてよっぽどだ。こりゃトラウマになるやつだわと止めようかと思ったら、妻がおかしなモードに入っていた。

 

「これが現実だよ、目を背けちゃいけない」

 

的な感じで、息子に戦争の現実を教えようとしてた。

 

続行大丈夫かよと様子を見ていたが、やっぱり息子は怖かったようだ。見られないと泣きながらずっと妻にだきついてうるさいので、強制終了させる。

 

7歳児(2年生)には戦争というテーマが早すぎたか、暴力的なシーンのせいか。もしかしたらアニメだったらいけたかもしれない。

 

年齢制限がある映画でもないし、なんてったって火垂るの墓だから、いけると判断したのだが……

 

失敗だったね。申し訳ないことをした。また数年後に機会があれば、鑑賞することにしよう。機会なさそう。

寝られない息子

息子にとっては、戦争で妻や私が死んでしまうかもしれないことが怖くて仕方がなかったようだ。みんな死んでしまったらどうしたらいいんだろうと。

 

それは確かに地獄の世界かもしれないが、怖くて不安で眠れないと息子がぐずりまくりで、寝室に入ったのにまったく寝ない。

 

怖がる息子を妻が寝かしつける。それでも怖い息子はぐだぐだ喋りまくって寝る気配なし。

 

その影響で娘が覚醒してベッドを蹴りまくって最悪。何度寝かせても寝かせても息子が起きてくるから、怒れる娘のベッド蹴りが1時間以上続く。

 

最終的に「ママの部屋で一緒に眠りたい」とのことで妻は受け入れるも、隣に息子がいると寝られなかったようだ。翌日の妻はグロッキーになってた。

 

戦争とはベクトルが違うが、平常時には平常時なりの地獄がある。平常時に自殺する人がいるんだぞ、息子よ、現実を見ろ。

 

ちなみにその翌日も、夕食時に戦争の話をし始めた息子。

 

妻が戦争の悲惨さよりも、人の命の大切さ的なことを伝えていい感じの方向性に持っていってくれた。

 

にもかかわらず、結局寝る前には戦争が起きたらどうしよう、不安で寝られないと息子はリビングに陣取って寝る気なし。

 

僕がアメリカにいる時に戦争が起きたら、ママやパパと敵になるの?

 

こんなもしも話に付き合って睡眠時間削りたくないんだが!?もういい加減寝てくれ!!

 

……などと思いながらも、一応は丁寧に答えたけどさ。最悪の状況への対策は大事よな。わからんでもないぞ。

この世界は残酷だ

そんな失敗した話。

 

この世界は残酷だ。人は死ぬ。戦争がなくても、明日には自分以外の家族がみんな死んでる可能性もある。もちろん自分も。

 

ごく身近な存在が死なないと、もしかしたらこの感覚はわからないかもしれないが。親も兄弟も、誰もが普通に死ぬぞ。そういう世界だろ。

 

でも、そんな心配ばかりしていても何も変わらない。変えられないことは受け入れて、自分に今できることをやるしかない。

 

……などと、怖がって寝られなくなっている7歳児に言えるわけもない。

 

というわけで、普通に子供に見せるべきではない映画を見せてしまったという失敗談。軽率な行動をとってしまい、すみませんでした。

 

ここまで読んでいただき感謝。

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