ステップファザーにできること

発達障害の娘とやんちゃ息子の父によるステップファミリーの話

裸の大将・山下清の映画を見て涙する話

山下清で号泣したとんぼである、ごきげんよう。

 

先日、図書館にて裸の大将・山下清の放浪記を借りて、家族で見た。家族的にはつまらなさそうで途中で切り上げたが、私は全部見た。

 

どこまでノンフィクションかは不明だけども、障がいを持つ娘がいるもんで感想を書きたい。

裸の大将・山下清

私が小学生の頃、よくテレビで裸の大将を放送してた。白いタンクトップでおにぎり食べてて、やたらと貼り絵がうまいおじさんのドラマ。

 

なぜかよくわからないが子供の私もきょうだいも親も、みんな裸の大将が好きだった。友達も見てた気がする。

 

当時はやたら貼り絵がすごい、脳ある鷹は爪を隠す系のおじさんなんだなーと。水戸黄門のようなイメージだったね。水戸黄門も好きだったよそういえば。

 

それが今回図書館で借りたのは、映画版。ドラマよりも事実に寄せた作りになっているそうで、色々と違った。

 

実際の山下清は、ドラマとは違い旅先で絵を描かなかったそうな。放浪時に見た景色を覚えていて、後に自らのホームで描き上げたらしい。

 

映画でも、旅先では全然絵は描かないし、何度も障がい者施設から逃げ出してる。精神病院にも入れられて、そこからも脱走してる。

 

あれしろこれしろと縛られるのが嫌で、何度も何度も脱走して、他人の家や店に転がり込んで食事をもらって、たまに施設に戻っては作品を残してまた脱走して……の繰り返し。

 

それがいつの間にか日本のゴッホとして超有名になって、新聞にも載るようになって、人気画家として生活してるうちに病気になって……49歳で亡くなるまでのお話。

障がい者のイメージなく

山下清が現実に有名になった頃を知らないのであれなんだけど、私の中で裸の大将が障がい者というイメージはゼロ。ちょっと変わった面白おじさんだとの認識だった。

 

それが映画を見ると、だいぶイメージが違う。そもそも何度も脱走してる八幡学園が障がい児施設だし、障がい者としてかなり辛く苦しい時代を生き抜いてきてる。

 

また、山下清の残した作品を管理してる甥っ子さんのインタビューを読んだけども、家族としては障がい者とは思っていなかったそうな。おじさんの絵を障がい者アートに分類されるのが気に入らんらしい。

 

健常者と障がい者を線引きするなって気持ちはわからんでもないが、障がい者が描いた絵だからこそ価値があるって見方もわからんでははない。

 

実際のところ線引きに何か大きな意味があるとは思えないのは、今が恵まれた時代だからかもしれない。

 

多様性を認めようと皆が意識してる今だからこそ健常者と障がい者の線引きに意味がないと思えるんであって、そんなこと微塵も頭にない時代があったんだ。

 

映画では山下清自身が「頭が弱い」と自ら連呼してるし、子供からも普通にいじめられてる。

 

すごい時代だよ。昔と比べたら、我々はいい時代に生まれたよほんと。

山下清の残す影響が

映画では、山下清に絵の書き方を教えてもらった障がいを持つ男の子が、それはまぁ立派な絵を描いたと報告にきてた。

 

山下清はすでに脳出血で寝たきりではあるが、清先生から親子揃って勇気をもらえたとお礼を言ってて。

 

あぁ、清は絵を描いてよかったんだなぁって清の母は泣いていた。

 

何ていうんだろう。当時もそうだろうし今もそうかもしれないが、山下清という存在は障がい児の親に夢を見させてくれたのでしょう。

 

一人で長いこと放浪生活して、得意な貼り絵で超有名になって、日本で誰も知らない人はいないくらいの画家になった山下清。

 

彼の存在は、数多の人たちを勇気づけたはず。すごいことだ。偉業である。

 

逆に、闇もあったんだろうと推察してる。

 

障がいを持つ家族に、お前も山下清みたいになれると絵を描くのを無理強いした親御さんがいたのは想像に難くないし、山下清と比べられて強いプレッシャーを感じた人もいただろう。

 

芸術で芽を出さなきゃ、何かで偉業を成し遂げなければその人に価値がないわけじゃない。何もできなくとも、そこに存在してるだけで価値がある。

 

今の時代ですら難しい考え方。当時のリアルな受け止め方は、どんな感じだったのかなぁ。気になる。

 

映画の最後、障がい者達に向けた芦屋雁之助演じる山下清の演説は、すごかったぞ。すごかったとしか言いようがない。ぜひ見てほしい。

 


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絵が得意と言われる娘

そんな裸の大将の話。自分でもよくわからない涙がボロボロ溢れて、感動した。おすすめ。

 

余談として、うちの娘も同じように絵が好きで、貼るのも好き。

 

なかなかに個性的な絵を描くもんだから、学校やデイでもよく絵を描かされている。うちでも一人で紙とペンを持ち出して描く。

 

絵の才能を伸ばした先に何かがあるんじゃないか……とか思ったことないんだけど。

 

否定的な見方をして娘の才能を潰す気はないし、かといってやりたくないことを強要してまで才能を伸ばす気もない。

 

どうなんだろう。娘が自分でお金を儲けられるなら、自立という意味ではもちろんいいんだけど、そういう可能性も親が率先して探っていくべきなのだろうか。

 

絵描け絵描けと周りから詰められる娘を想像しても、まったく幸せそうに思えないのだが。

 

好きな時に好きなもん描く。娘はそれでいい気がしてる。おしまい。

 

ここまで読んでいただき感謝。

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