娘の特性を知ったとんぼである、ごきげんよう。
最近の娘の荒れっぷりを見て、娘の対応をどうすればいいのか担当医に相談した。てんかんと発達の専門医であるため、非常に面白い見解が聞けた。
さて、これを知ってどうするか。
こだわりは変えられないし変えてもいけない
先週からの娘の荒れっぷり、食事を投げ椅子を投げ人を殴りドアを叩き、怒って怒って泣きじゃくるモンスターっぷりであった。
これがあまりに些細なことで怒りだすから対応に困る。食事をテーブルに置いただけでぶちぎれて皿を放り投げられる、どうしろというんだ。
一応は娘が怒ったら、嫌だった(と思われる)ことに共感を示して、こういう時はこういうんだよと言葉で伝えて、理解されたと感じた娘は落ち着く。
ひたすら共感を繰り返してるが一向に攻撃は減らない。一時的には落ち着くもののどこかでまた爆発する。
これではやっていけないし、今の対応が効果的なのかもわからん!!と妻が担当医に相談した結果、非常に興味深い事実がわかった。今さらかもしれない。
娘のこだわりを考える
うちの娘は視覚優位。目から入った情報に対して過敏で、自分の中での絶対的なものがあるようだと担当医は言う。
ドアを閉めたがるのが正にそれ。結婚当初から娘はドアを閉めたがっていた。2018年にもブログに書いてるくらい。
今の娘も変わらず絶対ドア閉めるマンだ。何が何でも閉めないと気が済まない。
本音を言えば、うざったい。
朝起きて、空気を入れ替えるためにドアを開けてるのに閉められる。出かける前にルンバを稼働するから開けてるのに気付いたら閉められてる。
何とか声かけで理解をしてくれないか?こだわりを治してくれないか?との思いで、理由を話して納得してもらおうといつも努力してる。
他にもテーブルの上のものはこれ、これはここ!これは絶対にここに置くな!あっち持っていけ!!など、片付けのこだわりも強い。
息子が勉強してたら勉強道具を勝手に片付けてしまう。娘の前で宿題すると気付いたら文房具がなくなっているのだ。
そしてそれに怒る息子は逆に叩かれて大げんかになったりする。とにかく娘は片付けたくてたまらないのである。
今回娘の暴力的な行動が顔を出す場面は、娘のこだわりが肥大化されていたように思う。本当に些細なレベルで、娘のこだわりを害する何かがあったはず。
皿の位置が違う、スプーンが違う、置き方が違う、自分で置きたかった、置く人が違う、声かけが違う、我々の立ち位置や姿勢が違う……etc
うーむ、可能性が多すぎる。
担当医の見解
さて、本当に今さらなのだが、これらの娘のこだわりに対して"声かけで何とかなる"と思っていた。わかりやすく伝えることで娘も理解してくれるのだと。
しかし今回、担当医の見解は違った。
娘のこだわりは脳の特性によるもので、視界に入ったものが気に入らない場合の不快感はとんでもないものだという。
我々で言えば黒板にキーッと爪で引っ掻くような音をずっと聞かされているような、今すぐにでも止めなければ耐えられないレベルの不快感が襲ってきていると。
ドアが開いてるのも物の位置が違うのも、娘にとっては我慢ならない地獄の状態ということだ。
○○だからドアあけようね
○○だからここにおいててね
などと理由を告げようが優しく言おうが何をしようが、無理なものは無理。それが娘にとってのこだわりなんだって。
そしてとどめ。
生まれ持った特性なのでこだわりは変えられないし、変えようとしてもいけない。こだわりは自然に変わるもの、娘がストレスを感じない環境を作るのが大事。
えぇ、マジかと思って。
考えもしなかったというか、受け入れられなかったというか。
こだわりを軽減させて社会で生きていけるサポートをするのが療育かと思い込んでいた。しかしこだわりは変えられないし、変えてもいけないとは。
そうなるとちょっと話は変わってくるが……今の私なら理解できないこともない。
先日、自分がHSPであるとの記事を書いた。
これも生まれ持った私の特性である。生活はコントロールはできるが、特性自体をコントロールはできない。HSPもまた変えられないのである。
変えられないことは受け入れるしかない。受け入れた上で、この特性を持ったままどうやったら上手くいくかを考える方向にシフトするしかない。
担当医の言うことがすべて正しいとは思っていないが、少なくとも私の勝手な思い込みよりは当てになることだろう。どうにもならんことは、世の中に存在する。
そもそも娘の障がいが、治るとか治らないとかそういうものじゃないのだから。
こだわりを受け入れる不安と恐怖と
ただ色々と気になることがあったりする。
こだわりなのか甘えなのかの判断が難しい。着替えだって親にやってほしいと訴えてくることが多いが、これをこだわりとするならば一生涯着替えの自立はできないってことになる。
でもできるんだよね。着替えは。疲れだったり体調不良によってできない時が多いだけで、できる。体調がいいなら自分でやってくれる。
親に着替えさせるのをこだわりととるか、できるけどただやりたくないだけか。
……いや?この考えがおかしい?むしろ娘がそうしたいなら、自分で着替えをしなくてもいいと考える方がいいのか?
忙しい時に色々持ってくるのは邪魔で困っているんだが?相手のものを奪ってでも片付けるのも迷惑行為なんだが??ドアを開けないと気が済まない人とは共存できないのでは??
といったように、細かいことで色々と気になることがある。
娘の自立を目指してるのに、自立を妨げているのではないか?と心配になる。甘やかしすぎて何もできないまま成長しないかと。
担当医が言うには成長によってこだわりも自然に変わるし、今は物へのこだわりが強いが発達段階では人へのこだわりも強まる可能性もあるとか。
こだわりは勝手に変わるもの。コントロールできない。我々はただ待つしかない。
ということで、何をどう考えても結局はこちらの思い通りに変えられるものではない。
受け入れる以外にないことを前提に、今後の指針を考える。
とにかくストレスをなくせ
こんなこだわりおかしいだろ、これでは社会で生きていけないだろ、周りの人たちは正直生活しづらいんだが???
そう思わなくもないが、娘のこだわりを変えられない前提ならば、娘がストレスを感じないような環境づくりをするのが一番だ。
娘がいる時はドアは開けない。娘がいる時は勉強しない。娘が何かものを持ってきても100%対応できるような状態を保つ、娘の環境をコロコロ変えない。
何より娘がいる時は、娘が一番気持ちがいいように動く。
……ちょっとね、昨日の今日なのでまだ受け入れ難いところは正直あるのだが、娘のストレスはだいぶ軽減されるのではないか。
もしかしたら、もしかしたらだよ。
自宅で快適に過ごすことで娘の心身はみるみる回復し、学校やデイといった社会での活動時に"少しだけこだわりを我慢する"といったパワーが発揮できるのかもしれん。
これもHSPと同じだ。1人の時間を作って回復して、回復した力でまた社会と繋がっていく。娘が社会での共存を学ぶために、自宅では快適な環境を作って休ませる。
本当に必要なことに力を使うのだ。環境を整えることで娘が一歩ずつ前に進めると考えれば、何も心配する必要はない。
といった感じでいかがでしょう?
新しい視点
今回妻が担当医に相談してくれて感謝してる。
こだわりは変えられないという新たな視点が入ったことで、娘を見る目が大きく変わった。多分以前なら受け入れられなかった気もするし。
今後としては、家の中を徹底的に片付けて、何も物を置かない。娘の目に入る情報を限りなくゼロにするのが良さそうだ。
換気は娘がいない時にやる、娘の目に入る時にはドアを開けない、娘がいる時は細かい道具を出さない、娘が何かものを持ってきても対応できるように常に両手は開けておく。
気になるのは、息子かな。もちろん話して協力は依頼するが、どこまで受け入れてくれるかは微妙なところだ。
なんで姉だけこんな優遇されてんの?なんで自分の家なのに、姉に合わせてここまで制限しなきゃならんの?と思って当然である。
まぁまぁ、休みの日は家にいないようにした方がよさそうですね。
余談
担当医が言うには、
〇〇しちゃだめ
〇〇やらないで
といった否定的な言葉に対して、娘は非常にネガティブな記憶を持ってしまって余計に攻撃的になる可能性があるとのこと。
叩いてもものを投げても、そのこと自体に言及しない方がいいと言われた。
共感を示すのはもちろん、怖かったとか痛かったといった主観的な感情とか、そういうのを伝えてみる方が今後に繋がるかも……とのこと。
むずいっすねー
ここまで読んでいただき感謝。
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