ステップファザーにできること

重度知的+発達障害の娘と、二人のやんちゃ息子の父によるステップファミリーの話

家族全員で娘の療育をする必要あるが、息子が我慢しなきゃならん問題

娘と二人で過ごすとんぼである、ごきげんよう。

 

朝と、夕方から夜にかけて、ほぼずっと娘と二人きり。

 

今までは妻も息子も帰ってきての家族の時間が多かったのだが、別居してる今はそれもない。ある意味では娘に集中できる。

 

そうやって1週間が経過しようとする今、気づいてしまった。

 

娘の対応は、家族がいたら無理だ。

 

◆家族の紹介

娘と二人で過ごして

娘のこだわりは変えられませんと担当医から言われたのもあり、妻が妊婦でお腹が蹴られるリスクもあって別居を始めたのもあり、最近大きく考え方が変わった。

 

どちらかといえば、やっぱり担当医からの助言が大きかった。

www.rabbitonbo.com

 

娘のこだわりって変えられるもんじゃないのか!!と知って、ものすごいリフレーミングした。パラダイムシフトしたというの?

 

ピンとくる言葉が横文字ばっかでなんかダサいが、要は考え方が変わった。

 

これまでは、

 

自分の思い通りに攻撃をもって周りを動かそうとする、コミュニケーション能力の乏しい女の子

 

だと思ってた。

 

でも今は大きく変わって、

 

絶対に止められない頭がおかしくなりそうなこだわりが山ほどあって、それを邪魔されると居ても立ってもいられずに手が出てしまう女の子

 

になった。

 

でも社会では誰もが娘のこだわりにこだわってくれるわけじゃないから、少し頑張る必要がある。デイでも学校でもすっごい頑張っている。

 

だからせめて自宅では、娘が我慢せず心穏やかに過ごせる空間を作る。心身ともに休めたらまた外で頑張れる。

 

自宅とは、娘にとって安息の地だ。だから今は娘が安心して暮らせる空間を作ることに専念している。

 

娘が嫌がることは一切しない。娘がやりたいことは一切邪魔しない。娘の表情を見て、行動を見て、今この子は何がしたいのかを察して、その通りに動く。

 

娘が見ていないか確認してドアを開け、娘が一緒にいたら娘にドアを開けさせる。

 

娘に聞いてから電気のスイッチもいれるし、消す時も娘に聞く。聞かない方がいい時もあり、話しかけない方がいい時もあり、その都度様子を見て行動を決めてる。

 

娘が椅子に座るなと軽く押してきたらすぐにどくし、娘が絆創膏を貼ってほしいとアピールしてきたがなかったので小さな包帯を巻いてあげた。

 

ドライヤーもいつもと別の場所でやりたいと謎のアピールしてきたら素直に移動してる。トイレットペーパーを多く取りすぎても注意しない。仕上げ歯磨きを絶対にしないならやらない。

 

今回失敗しても、次はやってくれるはずだと信用する。

 

さすがに5年以上一緒に住んでるから、ほとんど喋らない娘でもやりたいこと・やりたくないことは9割以上わかる。

 

などなど、最大限娘に合わせて生活してる私の努力の効果があったかどうかはよくわからないが、最近の娘は非常に調子が良い。

 

笑うしよく喋るし、昨日は一度も叩かれていない。押されてもない。

 

親が先回りしすぎて、自分がやりたいことを先にやられたくない!!と娘が焦って走ってくることも多かったのだが(ハブラシを取るとか)、それもなくなった。

 

ずっと一対一だから、娘の考えてることが手に取るようにわかるのが大きいね。

 

外でもいい感じだそうだ。

 

妻が夜間に顔を見にくると喜ぶが、仕事にいくといっても特に執着もせず、すんなり私と二人で寝てくれる。

 

大きな期待はしてないし、私も疲れてきたからいつまで続けられるか微妙なところではあるが……

 

こうやって娘が安心して暮らせる自宅を保ち続けられるなら、もしかしたら娘の攻撃癖が落ち着くかもしれない。

 

でもこれ、妻と息子がいたら無理だよね。

家族では無理

当たり前っちゃあ当たり前ではあるが、人が増えると人間関係はどんどん難しくなっていく。1対1とは全然違うトラブルが起きる。

 

一番は娘の2歳下の弟。この息子は当たり前だが子供だから、自由に動く。あっち行ったりこっち行ったり、自由気ままに動く。

 

娘は隣に立っただけで怒る時もあるのに、目の前でぐるぐる回ったり寝っ転がったりする。私から見れば踏まれて当たり前である。

 

で、さまざまなきっかけで娘が攻撃したり、またはドアをバンバン叩いたりするよね。

 

次は妻が怒る。家を壊されるのはマイホームが夢だった妻の逆鱗に触れる。

 

怒った妻は娘にも注意するが、息子にも注意する。すると息子は「オレは何も悪いことしていないのに!」と怒り出し、喧嘩になる。

 

すると喧嘩が好きじゃない私もイライラしてくる。

 

妻はイライラし、娘もイライラし、息子もイライラし私もイライラ。

 

そんな中で、娘は歯磨きしないと逃げまわり、薬を飲まないと逃げまわり、着替えないと逃げまわり、何もしないのに絵本を読めとぐいぐい押し付けてくる。

 

うーむ。一人ならいけるが、妻と息子はコントロールできず、相乗効果でイライラが爆発する。

 

他にも色々あるけれど、親はまあいいじゃないか。娘が不快にならないように動いてもいい。それが娘のためになるのならやります。

 

ただ息子はねぇ。

 

娘の障がいについては息子とも色々話し合ってきたし、理解もしてくれているとは思うのだが……全面的にサポート側にまわれと思ったことはない。

 

息子も子供だ。娘より2個下の弟である。そんな息子に、娘が気分を害さないように注意しながら日常生活を過ごすようにと指示するのはちょっと、心苦しいというか。

 

娘のサポートで我慢をさせるのは忍びない。いや、すでに我慢はしてるんだろうけど、親発信で娘に合わせろというのは違うなと思って。

 

娘にとっての安心な空間にしたいのはもちろん、息子にとっても安心な空間にしたいじゃないか。

 

だから娘に合わせろなんて今までいったことない。

 

妻はいうけどさ。

 

「こんなことしたら、娘が怒るのわかるでしょ!!」

 

これ、何十回も聞いた。妻は息子が我慢することを期待しているのかもしれん。

 

でも息子からすると、何でオレが怒られるんだとムカつくから口答えをして、長い長い妻と息子の喧嘩になる。

 

息子はいう。

 

「殴ってきた姉はちょっとだけ怒られて、なぜかオレだけ長く怒られる」

 

理不尽なのは確かだが……これがねぇ。

 

息子にあれもこれも我慢せえと押し付けられないし、かといって自由に動いてたら娘が発狂するし、何が正解かちょっとよくわからなくて自然に任せて事後にフォローするようにしてたのだが。

 

娘との二人暮らしで気づいてしまった。

 

おそらく我が家の正解は、息子に我慢……いや、協力してもらうことである。

協力してもらって埋め合わせる

赤ちゃんが生まれるまでは無理だが、もし今後家族でまた一緒に過ごすことを前提とするなら、息子に協力してもらう他ない。

 

私も妻も息子も、3人が娘を不快にさせないような動きをする。娘に合わせた生活に切り替える。要は今の私のような動きを、妻にも息子にもやってもらう。(赤ちゃんは無理だが)

 

完璧は無理かもしれないが、家族全員が娘の療育をする形である。

 

別に何もかも我慢する必要はない。娘のこだわりの範囲外であればやりたいことはできる。こだわりに触れなければいいだけ。窮屈だが、ガチガチではないのだ。

 

……とはいえ、我慢させることになるのは間違いないから、それはもう埋め合わせるしかないのではないか。

 

土曜日、娘がいない時に息子だけ特別にどこかに連れていくとか、娘のこだわりの範囲外で毎日息子と遊ぶようにするとか。

 

自宅では娘の療育に協力してもらって、その分どこかで息子をわかりやすいくらいに優遇し、埋め合わせる。

 

娘も息子もないがしろにせず、気持ちよく家族で暮らしていくにはこの方法しかなくないか??

 

普通に、何も考えずに一緒に暮らすのは、無理だ。

 

二人暮らしをして完全に理解した。

 

一見どうでもよさそうなこちらの一挙手一投足が、娘に多大な影響を及ぼしている。

 

つまり、娘との生活そのものが療育である。

気に入らなかったが

たまに土曜日が休みの息子と遊びにいく時に、息子がいうことがあってね。

 

「土曜日、姉はデイ行くんでしょ?(姉はいないんでしょ?)」

 

こんな娘が邪魔者みたいな言い回しをするのが、私はとても嫌いでね。言い方が気に入らん。ムカつく。

 

おそらく、私が息子に「我慢させている」という感覚がないからだろう。現状のやり方が、まったくの不公平だと思っていなかった。

 

公平にしようと努力してきたし、実際のところ息子は優遇されている。娘の数倍は息子にお金も使っている。

 

今度義母と旅行にも行くんだぜ、息子だけ。先日は妻と二人きりでワンピースの映画も見に行ってる。

 

でもまぁ……よく考えてみたら、我慢しなきゃならん場面はあるじゃんね。障がいの有無とは無関係に、兄弟がいたらどこかで我慢しなきゃならん場面はある。

 

娘が快適に暮らせるように協力までしてもらうなら、今よりも特別感を出さないといかんか。金は有限なので、あまりお金を使わない形で。

 

親二人と3人だけで遊びに行くってだけでも良さそうなもんだが。

 

うーん。みんながみんな窮屈せず安心して満足できる暮らしってのは、相当にハードルが高いなと思い知った。

 

そもそも、こんなこと考えている私が既にめちゃくちゃ窮屈だからな!

余談

言い方が悪いが、娘と過ごす時間ってなんかちょっと特殊なんだよ。

 

言葉は2~3割しか通じない。ジェスチャー込みのほとんど喋らないノンバーバルコミュニケーションがメインだ。

 

娘の視線と表情と動きと空気感で、考えを読み取りながら先回りしなければならない。こやつは今何がしたいのかと超集中する。

 

これ、介護職やってた時の感覚に酷似してる。反応ないのに私だけ一人で勝手に喋ってる感じもそっくり。そりゃそうか。

 

息子にやれといってできるもんなのか、やってみないとわからんか。

 

ここまで読んでいただき感謝。

↓のウサギをポチすると、さらにとんぼが喜びます。

にほんブログ村 子育てブログ 障がい児育児へ