娘に顔を引っ掻かれたとんぼである、ごきげんよう。
朝洗顔した後に鏡を見たらなぜか頬が赤くて何かの病気かと思ったら、引っ掻かれたからじゃないかと妻が教えてくれた。
暴力が日常的になると、顔を引っ掻かれたことすら忘れてしまうんだね。おそろしい。
さて、息子の話。
むしゃくしゃしてる息子
学校から電話があり、息子がクラスメイトの顔を殴ってしまったとのこと。
娘も荒れてるというのに、息子まで。お前たち……と頭を抱えてしまう。次は一体何をやらかした。
話を聞けば、やりたいことだけやってるクラスメイトにムカついてしまったそうな。
本人も反省して泣いていたというが……普通、人の顔殴る?
顔だよ顔。ちょっとやそっとムカついたからといって、いきなりクラスメイトの顔殴るかね?娘じゃあるまいし、息子がそんなことするかね。
とりあえず相手側には外傷はなく、そこまで強く殴ったわけではないそうで一安心ではある。ダメだけど。
んで、現在妻の実家にお泊まり中の息子の話を聞くため、夜に家族全員+義母で集まって話を聞いた。
意味不明である
妻とは事前に、頭ごなしに怒らないようにしようと打ち合わせもしつつ、すでにしょんぼりしてた息子から事情を聴取。
本人の口から聞けばさらに意味がわからない話だった。
息子が殴ったのはA君。でも実際に殴りたいほどムカついた対象はB君だった。
まずは話を理解しよう理解しようと頑張ってたけど、ん??意味不明なんだけど??と詰めてしまうくらいには意味不明だった。
B君が苦手な授業をサボったくせに好きなことだけやっている、という話をA君から聞いて、B君への怒りが爆発して、目の前のA君を殴ったという。
……そんなことある?
A君は無関係じゃん。その程度のことで我を忘れるほどに怒って、目の前の無関係の人間の顔を殴ってしまったわけか?
事実なのかこの話は、本当に理解できないんだが。そもそもムカついたら関係ない相手の顔殴る奴は社会で生きていけないだろ。
眉間にシワを寄せながらも、理解しようと質問を続けていくと、全貌が判明した。
息子、完璧主義がすぎる
聞けば、A君を殴ってしまうその数時間前から息子は怒っていたそうだ。
体育の時間に、これまた別のクラスメイトがまったくルールを守らなかった。先生も見ておらず、注意をしても聞く耳を持たずに暴れ回ってたそう。
さらに別のクラスメイトが審判役としていたのだが、その子もその子でやる気がなくてまったく注意せず、ぐだぐだだったとか。
息子は大好きな体育の時間を邪魔されてめっちゃイライラしてたそう。
そして事件。
体育の時間は指が痛いと休んでいたB君が、実は休み時間にドッジボールをしてたという話をA君から聞いたもんでぶちぎれ、A君を殴る。
といった顛末。
これならまぁ、ストーリーとして理解できなくはない。我慢を重ねた結果、理性が吹き飛ぶほどの怒りに襲われてぷっつんしてしまったってことだろう。
考えてみると、息子のイライラには共通点がある。
ルールを守らない子、自分の役割を果たさない子、自分の好きなことだけやろうとする子、そのどれもがやるべきことをやっていない。
つまりは他者に厳しい完璧主義だ。
やるべきことをやらない人が許せないんだね。関係ない他人を殴ってしまうくらいにムカつくなんて苦しいね。
我々親から引き継いでるなと心が痛いよ。
話はしたが
聞けば聞くほど、無関係なのに殴られたA君がかわいそうで申し訳ない。謝っても許されない可能性すらある話。
だもんで直接謝罪したいと申し出たところ、怪我もないし謝罪はいらないと言ってくれた。本当に申し訳ない。
そして2度と同じことがないように息子にも何かしら話さないといけない。
息子だってはしゃいでルールを破ってしまうことがあるとか、他の子には他の子なりの理由があるかもしれないとか、あらゆる可能性の話とか。
また息子には今後どうしたら同じことが起きないと思うかと聞いてみると、
「(体育は休んでドッジしてた)B君に理由を聞きにいく」
と言っていた。割といいな。あいつはサボり魔のゴミクズだ!!と勝手な思い込みで怒り爆発するよりは建設的な行動である。
まぁ……その理由が息子にとって許せないものだった場合、本人を殴る可能性も否定できない。無関係の人間を殴るよりはマシかもしれんが。
あとは深呼吸するとも言っていたので、怒りに点数をつけるのもいいよとアンガーマネジメントの初歩を教えてみた。
他1時間近く色々と話をして、とりあえずは一件落着となった。
我々が悪い
しかし無関係の人間の顔を殴ってしまうほどの怒りって、普通に考えて異常じゃないか。もう4年生になると考えると、常軌を逸した行動とも言える。
おそらく息子の精神は相当に追い込まれている。
まず娘が荒れ果てている。息子からこの話を聞いてた時にも、息子の頭にプラスチックのお茶碗を投げつけて泣かせていた。
息子がストレスが溜まっているからと1週間はばあちゃんちに泊まりたいと言い出すほど。さらに息子は言う。
「オレだけ(荒れる娘から)逃げているみたいで、泊まりたいと言いにくい」
罪悪感まで植え付けられてしまって、末期感が漂っている。うーむ。
さらに妻は妊婦。新しい弟ができるということは、少なからず息子の精神に影響を及ぼしていることだろう。今のストレスフルな立場よりさらに状況は悪くなりかねない。
また息子は3月から初めて塾に入るので、その緊張もありそう。
総合的に判断してみると、人を殴っても仕方がないほどのストレスがあるんだろうなと察することができる。
とかねぇ、他人事みたいに書いてるけれど、我々親の責任だろうこれ。
親がしっかりと息子のケアもできて、ストレスフリーで罪悪感もない生活をさせていれば、こんなことは起きないはずなのだ。
これまでも娘が荒れて家庭が荒れると、息子もわかりやすいくらいに問題行動を起こしている。
今は突発的な怒りとして現れているけれど、中高生になれば万引きや窃盗になるかもしれないし、ひきこもりルートの可能性もある。
対策を考えねばならない。
一つずつやろう
娘の相談員は変えた。最近周りからの評判も悪い担当医(おそらくキャパシティオーバーで限界がきてる)も、娘の薬を調整してくれそう。
あと我々夫婦のわだかまりも解消した。普段ほとんど何も言わない私が、覚悟を決めて妻にめっちゃ文句言った。ふふふ。
直接何が変わったというわけではないが、いい方向に進みそうな気配はしてる。
今朝は娘に顔を引っ掻かれたけれど、娘の笑顔は増えたし夜も寝てくれている。我々の対応さえよければ娘の機嫌も少しはよくなるだろう。
親が笑っていれば娘も息子も笑える環境になる。
まぁそううまくはいかないし、そんな単純な話ではないんだろうけれども。このままではダメだと言われていると感じる事件であった。
すでに死にそうだけど、まだまだ足りないんだよ。自分で選んだ人生なんだから甘えるなってことで頑張ります。
ここまで読んでいただき感謝。
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