また熱を出したとんぼである、ごきげんよう。
下がった熱が先ほどぶり返した。熱が下がった瞬間に無茶をしないと家庭が回らんというのに、もはや笑ってる場合じゃないくらいの危機感を抱いている。
とりあえずブログは少し前に読んだ小説の書評で、ネタバレあり。体調も悪いのであまりいいことは書けないかも。
成瀬シリーズ
本屋大賞1位を取った話題の小説、成瀬シリーズ。
オーディブルが5月から配信されるのを待てず、珍しく本屋に買いに行った。
あらすじとしては、何でもできる女子中学生が今やりたいと思ったことに全力で向き合うストーリー。
地方で愛されたスーパーが閉店するために、ローカルテレビ局が最後の時まで毎日生中継に来ると知った成瀬。
テレビ中継に自分が映るために毎日足繁く通う。別に何かをしゃべるわけでもなく、じっとカメラを無言で見つめている。
なぜ?
他にも、急にシャボン玉を極めてみようと言ってみたり、お笑いのM-1に出ることを決意したり。
その時々で興味関心があることに全身全力で向かっていく非常に魅力的なキャラクター、としてすこぶる評判が高い。
あまり感情を面に出さず、淡々と目標のために行動しつづける姿に読者は涙を流すのでしょう。
ミステリやラノベのように大きな事件が起きるわけではないので、興奮したい人にはあまりかな。
中高生が読むと人生の歩み方にも良影響がでるかもしれない。窮屈な時代に、人生は楽しんでいいんだと教えてくれそう。
目標達成に向かう成瀬あかりはかっこいいし、それに付き合う島崎も勇気溢れる友人である。
個人的感想(ネタバレあり)
お小遣い制で自由に使える金が少ない私が、音声配信を待たずに本屋に走るくらいだからよっぽど期待しておりまして。
ネガティブな意見もオブラートに包みつつ書くので注意されたし。
人気本なので言葉を選ぶと……一巻を読んでうーんと首を傾げ、二巻を読んでさらに首を傾げた。何となく求めていたものと違う。
おそらく私は、勇気を求めていたのかもしれない。
様々な障害も、大言壮語を吐きながら乗り越えていく女の子。表紙からそんなイメージをしていたのだが、成瀬あかりは基本的に何でもできてしまう。いわば天才だ。
もちろん努力はしてるが、何というかそれを当たり前のものとしてやってて、それをやる動機も(一部を除いて)どこか薄い。
二巻まではここまでやる動機が詳しく書かれていない。3~4巻へと続けば、もしかしたら強い郷土愛への言及があるのかもしれない。
いや、おそらくドラマっぽい動機なんてなくて、ただ好きだから。
もしかしたらこれが様々な著名人に響いたことなのかも。
本編では、成瀬の人間味は僅かに顔を出す程度でほとんどでることはなく、基本は無表情でやりたいことズバズバやっていく。
この姿が今の人たちに刺さって私に刺さらないなんて。
悲しいな、もはや老害化したか。
例えば成瀬あかりは200歳まで生きるために早寝早起きや運動、食事制限などめっちゃ頑張ってる。頑張ってるしそれが当たり前のものとして定着してる。
淡々と、淡々と。
20年前にこの本が出てたなら、もう少し成瀬に熱みたいなものが織り込まれたのではないか。泥臭い因縁とか、家族の別れとか。
あとは私が何が何でも諦めない意志の強さを求めていたのかもしれない。普通に興味が消えたら諦めるのが成瀬さんなので。
こういう見切りの速さも現代的かな?あと涼宮ハルヒを彷彿とさせる。
まあまあ、成瀬さんは成瀬さんでいいが、人間臭さが好きな私にとっては幼なじみの島崎さんや、成瀬を嫌ってる大貫さんの方が好きだ。
書きたいのはそれくらいです。
おすすめではある
さすが本屋大賞というだけあって読みやすいし、2~3時間もあれば読了できると思われる。
小説というよりは事件が起こらないラノベのような本。おそらくはドラマ化、映画化、アニメ化はあるんじゃないかな。アニメ化はめちゃくちゃバズりそう。
感想なので正直に書いてはみたが、これは個人的感想なんで。38歳のおっさんはこの本の読書対象ではない可能性がある。
Amazonレビューもすごく良くて、5月から配信されたAudibleでも怒涛の勢いで高評価がついている。
というわけで、下記リンクを貼っておきますので気になった方はぜひどうぞ。お子様にもおすすめです。
諦めていた「楽しさ」を生きる感覚を取り戻せるかも。
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*登録初月は無料のAudibleで、成瀬シリーズを音声で聴けます。本が苦手な方は音声で聴いてみることをおすすめします。
ここまで読んでいただき感謝。
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