ステップファザーにできること

発達障害の娘とやんちゃ息子の父によるステップファミリーの話

芥川賞の『推し、燃ゆ』、発達障害の話だったので感想を書く話

今日は最低限動けた気がするとんぼである、ごきげんよう。

 

体力がなさすぎるのでさすがに対策を考えないといかんな。今日考えようかと思ったがもう時間がないので書籍の感想を書く。

 

ネタバレあり。

 

◆家族の紹介

『推し、燃ゆ』のあらすじ

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女子高生のあかりが主人公。

 

勉強もバイトも人間関係も苦手だらけで、家族との関係も上手くいっていない。その中であるアイドルグループの青年に惹かれて推すことに。

 

その後は推しが自分の人生の軸となり、バイトで貯めた金もほぼすべて推しに注ぎ込む。

 

ある時、推しがファンを殴ったことでスキャンダルになり、SNSも大荒れでアンチも爆裂に増えて人気も低迷する。

 

その中であかりが思うこととは。

 

……といった感じの内容。

 

Audibleで聞いた影響も強いと思うが、終始暗い話だった。

個人的感想(ネタバレあり)

もともとタイトルに釣られて面白そうだなーと数年前から狙っていた本。

 

読了した結果、うーん。数年前の私なら絶対に読まない類の小説。小難しくて暗くて陰鬱な内容。

 

芥川賞受賞してるということで、非常にきめ細やかな情景や精神の描写があり、出てくる比喩に圧倒される。

 

いわゆる現代の純文学というやつなのだろう。読み慣れていないと本当に取っ付きにくい。

 

ちょっとした一つの感情・動作にここまで文章を乗せるかね?と、文学素人の私は感じてしまった。

 

心の機微を表現する力がすごいなと感嘆はしつつ。あ、でも後半はだいぶ慣れたか。前半がきつかっただけ。

 

普段手に取る大衆小説とは毛色が違うなと、小学生並みの感想をまず抱いた。

発達障害の傾向あり

読み始める前は、ある若者が推してたアイドルが炎上してネットが大荒れ!的な呑気な話を期待していたが、のほほんとした要素はどこにもなかった。

 

主人公のあかりは、おそらく発達障害の傾向がある。

 

鼻くそを食べてた同級生よりも勉強ができなかったエピソードや、バイト先での失敗エピソード。

 

またやるべきことがほとんどできず母から怒られて何度も失望されている話など。

 

はっきりと言及はないものの「診断を受けた」「普通じゃない」との記述もあることから、おそらくはADHD(注意欠陥・多動性障害)やLD(学習障害)あたりが疑われる。

 

一人暮らしをしてからも散らかしっぱなしのゴミ屋敷が形成されつつあって。

 

思いがけず……といったところか。

 

まさか発達障害の診断を受けた、生きづらさを抱える若者の話だとは思わず。無関係の話でもないので、少しずつ話にのめりこめたように思う。

 

結局あかりは高校を中退し、バイトもクビになり、就活もせず。親から金をもらいながら推し活をするという生活。

 

家族の理解はない。母親は毒親感も強く完璧主義。むしろあかりに早く就職しろとの圧さえある。

 

苦しいなんてもんではないだろう。ただ、この子はどうしたらいいんだろう。正直八方塞がりではないのか。この先1人で生きていけるとは思えない。

 

難しいな。

 

「なんで頑張れないか考えたことある?」

 

先生にそう聞かれて涙を堪えるあかり。うちの長男の顔が浮かぶね。

推しについて

ここで推しについて一つ考えてみたい。

 

私に推しはいない。過去、人並みにアイドルが好きだったことはあるものの、握手券やらCDを複数枚買い漁ったことはない。

 

ただ好きなタレントや歌手はいるし、番組やYouTubeを見て親近感を抱くこともある。

 

それでもやっぱり"推しが背骨"というのは理解し難い感覚だ。推しなんて結局は他人ではないのか、困ってても推しは助けてくれない。

 

特にSNSが当たり前になって親近感を抱くことが増えたことで、逆に遠い存在であることを否応なく感じるようになった気がする。

 

所詮は違う世界の住人で、決して人生で交わることもなく、幻のような存在であると。テレビを消してネットから離れれば存在していないのと同じだ。

 

この本の中でも出てくる、いわゆるインスタライブみたいなやつ。コメント欄にファンのコメントがズラーっと出てくるやつ。

 

何百というコメントが投稿されて、読まれるのはごく一部のみ。YouTubeでいえばスパチャのコメントしか読まない人もいる。話しかけてもスルーされるのが当たり前。

 

芸能人と対等の存在であるとまでは思わないが、人として接する以上は最低限のコミュニケーションが取りたいなぁ私は。

 

わからんよ。タレント側がファンに対してどういう思いを抱いているかはきっとその人次第だからわからないけれど。

 

こちらがどれだけ仲間意識を持ったとしても、彼らにとってファンは現実の仲間ではないし、ましてや友達でもない。タレントから見ればファンの方が薄情だとすら思ってるかも。

 

幻の存在に金と時間を注ぎ込むより、もっと近くの家族とか友人とか、そういう人たちをより大事にした方がいいのではないか。

 

そう思うのだが……いや、過去にひきこもっていた当時の私ならそんなことは思わないだろうな。幻でも虚像でも、心の支えが必要だった時期が確かにある。

 

それにこの本を読んでわかったのは、推しに金や時間をつぎ込むことに見返りを求めていない人がいるということ。主人公のあかりも見返りは求めていない。

 

付き合いたいとか結婚したいとか友達になりたいとか、そういうわけではないようなのだ。ただ推しを分析することだけが幸せだという。

 

私は対等な存在として扱ってもらいたいという見返りを求めているから、ファンという立ち位置に納得できないんだろう。愛着障害故かな。

 

本当に一生かけて推したいと思うなら、同じステージに上がって対等な存在として付き合えるように考えた方がいいのではないか。まぁ夢物語ではあるが。

 

どちらにせよ、今の私が推すとしたら子供たちを推すかな。

生きづらい

『推し、燃ゆ』

 

読み始めて途中何度もやめようとして、何とか思いとどまって読了した。私自身が知らないことを知らないような、未知のことが書かれてる気がしたから。

 

結局どうだったんだろう。

 

面白かったかと言えばそうでもないし、面白くなかったかと言われればそうでもない。何とも後味の悪い話であるが、読後感が最悪というわけでもない。

 

現実の人生に答えがないように、この小説の中にも劇的な答えがなかった。

 

現実は上手くいかないことが多くて、誰にもわかってもらえなくて、背骨だったはずの推しもいなくなって。

 

それでも生きていかなきゃいけないから、目の前のことを一つずつ這いつくばってでもこなしていく。

 

現実に救いがないように、この小説にも救いはない。現実は残酷だ。

 

単純に、もう少し周りの理解とサポートがあるといいのに、とは思うが。だからと言って生きづらさが完全に解消されるわけでもない。

 

発達障害云々を抜きにしても、世の中の閉塞感や生きづらさに胸が苦しくなる小説であった。

 

気分が滅入るのであまりおすすめしないが、興味がある方はぜひどうぞ。

 

ここまで読んでいただき感謝。

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