ステップファザーにできること

重度知的+発達障害の娘と、二人のやんちゃ息子の父によるステップファミリーの話

子供にとって親はアンパンマンだ話

衝撃を受けたとんぼである、ごきげんよう。

 

朝に家を出る直前、娘がトイレしてる間にたまたま棚に置かれていた国語の教科書をめくってみた。小5の長男が夏休みで持って帰ってきた本だ。

 

どんなん習ってるのかなーとパラパラ見てたら一瞬で引き込まれる話がありまして。

 

◆家族の紹介

やなせたかし氏とアンパンマン

ご存じない方もいるかもしれないが、アンパンマンの作者はやなせたかし氏である。何のためにうまれて……の作詞もやなせさん。

 

そんなやなせさんの半生を描いた物語が教科書に載っていた。アンパンマンの誕生秘話といってもいいストーリー。

 

やなせさんは戦争を体験して、飢えのつらさをこれ以上ないほどに味わったそうだ。食べ物がないことがこんなに苦しいなんて。

 

周りにも飢えで苦しんでいる人がいたのだろう。悲惨な光景をたくさん見たのだろう。

 

それでも戦争を生き抜いたが、愛する弟は戦死した。

 

なぜ自分だけは生き残ってしまったのか?戦争とは何だったのか?正義とは一体何なのか?

 

自らに問い続けたやなせさんがある日、道端でおにぎりを分け合う小さな兄弟を見つけたそうな。

 

そこで気づく。

 

飢えている人に食べ物を分け与えること、お腹をすかせた人に一欠片のパンを与えること。

 

それこそが本当の正義であると。

 

分け与える行為には痛みが生じる。なぜならそれは自分の取り分を減らす行為だからだ。

 

自分が傷つきながらも分け与えること。自己を犠牲にしながらも他者に献身すること。

 

そこで生まれたのがアンパンマンというヒーローである。

 

アンパンマンは顔が濡れたらすぐに弱くなるし武器も持ってない。それでも困っている人がいたら必ず助けに行く。

 

例え胸の傷がいたんでも、アンパンマンは必ず助けにいくのだ。

 

やなせさんの中にある正義を具現化した姿がアンパンマンである。かっこよすぎるな、アンパンマン。

批判されたとか

アンパンマンは当時批判されたそうな。自分の顔を食べさせるなんて!!という親たちの怒りのクレームにあったとか。

 

でもやなせさんには信念があった。

 

正義を貫き通すには自分が傷つく覚悟を持たねばならないと。

 

だからアンパンマンは自分の頭をちぎってお腹をすかせた人に与え続け、それが子供たちに支持されて、今では国民的アニメとなった。

 

教科書さらっと読んだだけなのに、ここまで心を掴まれるとは思わなかったわ。

あなたも私もアンパンマン

戦争という人が理不尽に死んでいく体験を経ても、それぞれが辿り着く人間の本質は違う。

 

ベストセラー『嫌われる勇気』で紹介されていた話として、アドラーは戦争を経験して共同体感覚にいきついた。

 

人間の中には皆が仲間であり、他者に貢献したいという潜在意識が眠っていると説いたのである。これはある種のアドラーの願いだったとも考えらえれる。

 

逆にフロイトは、人間の中にはもともと他者を攻撃する欲求が備わっていると説いた。そうでないと悲惨な戦争を説明できないと考えたのかもしれない。

 

どちらが正しいという話ではなくて、その人が生まれ持った性格や資質、また生まれ育った環境によって出てくる結論が全然違うのは興味深いではないか。

 

そしてやなせさんは戦争にて飢えを強く経験したからこそ、食べ物を分け与えることに強くこだわったのだと思う。食べることは生きることそのものとも言えるし。

 

ただやなせさんの正義の本質を考えると、何も食べ物を分け与えることだけの話ではないんじゃないか?

 

多かれ少なかれ、誰にでも本当に大事で失いたくないものがあるはずだ。それを失ったら生きていけないと感じるほど大切な何かが。

 

それは時間であったりお金であったり、もちろん食べ物であったり。人によってはキャリア、もしくは子供の頃からの夢、アイデンティティとか。

 

死ぬほど大事なものでも、子育てしてたら大切な何かを(一時的にでも)捨てなければならない時が来る。

 

苦しい時も辛い時も逃げ出したくなる時もあれば嫌いになる時もある。

 

それでも子供を見限ることがなく、子供が困ってたら全力でサポートをする。傷つくことがわかっていても、子供が自分から離れていくまで困ったら必ず駆けつける。

 

つまり子供にとって親はアンパンマンなのだ。かっこいいぞ。

 

とまぁわざわざ解釈を広げずとも、親子揃って餓死寸前で、そこにパンが一つしかなかったとしたら?

 

当然のように自らのパンを子供に分け与える人は多いのではないか。

 

親は子供にとってのアンパンマンであり、ヒーローだったのである。

SDGsアンパンマン

完全なる蛇足となるが、頭を分け与えすぎて首無しアンパンマンになって行き倒れてる、を繰り返してるのが私である。これはこれで良くない。

 

子供たちのアンパンマンとして活動し続けるためには、パンの残り分もちゃんと考慮して、定期的にパン工場に帰らないといけない。

 

アンパンマンが倒れてしまったら、困ってる人がいても助けられないでしょう?

 

今の私にアンパンマンができてる絶対の自信はないけれど、できる限り子供たちのアンパンマンであり続けられるよう努力する。

 

ちなみに育児ブログなんで子育てと絡めただけで、親子関係に限定されない話である。夫婦・友人関係とか。

 

より詳しく知りたい方は小5の国語の教科書か、もしくは教科書の元となった下記の書籍をどうぞ。バイブルにしたいな。

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ここまで読んでいただき感謝。

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