ステップファザーにできること

重度知的+発達障害の娘と、二人のやんちゃ息子の父によるステップファミリーの話

不登校やひきこもりが人生をやり直せる学習塾の話

14歳から10年ひきこもってたとんぼ(38)である、ごきげんよう。

 

先日「うちの塾を紹介してほしい」と、なぜかこんな辺境の育児ブログに依頼があった。

 

その返信として、そちらの代表が出版してる本をすべて読んで信頼できそうなら紹介するという超絶失礼な戯言を遠回しに述べたわけだが、それも快く了承してくれた。懐が深い。

 

さて、その塾について調べてみたところ、知れば知るほど面白い。

 

苦しんでいる若者を助けたい思いが根底にあり、それをお金よりも上位の価値観として掲げている献身的な会社に見えるのだ。

 

……何の文句もない。むしろぜひ手伝わせてほしいと思える取り組みばかりしてる会社である。

 

これは心から推せる!と判断したので今回紹介していく。お金はもらっていないのでボランティア的な宣伝だと思ってほしい。

 

◆家族の紹介

人生をやり直せる塾

今回お話があったのは、下記のキズキ共育塾である。

kizuki.or.jp

 

テレビや新聞で紹介されたこともあるそうなので、ご存じの方もいるかもしれない。

 

個別指導塾で、その特色を一言で言えば"何度でもやり直せる社会"のコンセプトに沿ってることだろうか。

 

不登校やひきこもり、うつ病や発達障害によるドロップアウトなど、いわゆる一般的なレールを外れて苦しんでいる子供たち(+社会人)に手を差し伸べてくれる塾。

 

調べていくと、確かにこの塾に入って人生をやり直せる子はいるだろうと感じる。色々と興味深い点がある塾だ。

 

とはいえ人それぞれ状況が違うはずだから、ここでは人間不信で今以上に自己嫌悪の塊だった"過去の私"のフィルタを通しての見解を書く。

講師陣の特色

キズキ共育塾では、挫折経験を乗り越えた方を講師として積極的に採用してるとのこと。

 

公式サイトにインタビュー記事として、講師それぞれの半生が語られていることも非常に興味深い。

講師紹介 | キズキ共育塾

 

しかも一人一人の物語がしっかりと長めに書かれてる。"何度でもやり直せる社会"という世界観と矛盾しない素敵な取り組みである。こういうの好きかも。

 

これを読んで講師の人となりがわかっていれば、最初の一歩を踏み出す勇気も出しやすいかもしれない。

 

傷つくことを異常に恐れているからね。

 

挫折経験がない講師もいるそうだけど、結局は相性かな。その子にとって安心できる要素とは何なのか慎重に見極めた方がいいだろう。

周りが気にならない環境

塾に通うにあたって、勉強以外の不安要素がないのも素晴らしい。

 

不登校やひきこもりの苦しみは計り知れない。周りの同級生が華やかな学生生活を送ってるはずなのに、自分だけは部屋の中にいて時間が止まっている。

 

それでも何とかしたい!と普通の塾に入ってみろ、知り合いがいるかもしれない。知り合いの知り合いもいるかもしれない。

 

まさに生き地獄だ。間接的にでも絶対に繋がりたくないというのに。

 

それがどうだ、キズキ共育塾ならそういった悩みを持った子たちがそもそもの対象だし、さらに個別指導塾だから周りの目も気にならない。

 

オンラインもあるし、塾自体も午前中(遅くとも正午)からオープンしてるのも面白い。放課後の時間帯に外出したくない人にとっては利用しやすいだろう。

 

要約すると、キズキ塾では現状を取り繕ったりウソをつく必要がないということ。

 

強がって見栄張ってウソつくのは、自分のことを恥だと言ってるようなもんだから。自分を恥じながら勉強に集中できないでしょう?

その人に合わせた学習スタイル

ここの代表である安田祐輔さん(以下安田さん)は、ご自身が発達障害を起因としたいじめを経験され、うつやひきこもりの時代もあったそう。

 

また自分にあった学習法を模索してきた過去があり、杓子定規なやり方での勉強では続かないことを確信してるようだ。

 

安田さんは発達障害を対象とした勉強法の書籍も書いていて、ADHD・ASD、また視覚優位・聴覚優位といった細かいケース毎に集中しやすい環境について詳しく記載がある。

 

その知識は塾にも活かされているようで、塾では体調やメンタルの状態、また特性に合わせて長期的に持続できる勉強方法を一緒に考えてくれる気風があるようだ。

 

子供の特性や状態を見極める程度なら親でもできるが、その子に適した環境やシステムを考え、定期的に効果を検証して調整していくのはかなりハードルが高い。

 

親が子供一人にそこまで時間を使えないケースがほとんどだろう。また身内だと心理的な距離が近すぎることも逆効果になりかねない。

 

発達障害や学習障害とは無関係に、自分にとって最適な学習スタイルを見つけることは今後の人生において役に立つはずだ。

 

生き方を教えてもらえると言い換えてもいいかもしれない。

 

さらに偏差値で進学先を決めるような進路指導はしないというのも面白い。その子に合った通い続けやすそうな環境の学校を探すお手伝いをしてくれるだろう。

 

掘れば掘るほどにその子自身に寄り添った取り組みばかり。ほんと面白いよこの塾。

 

ちなみに対面授業とオンライン授業を自由に切り替えられるそうで、挫折対策として効果があるそうな。

再解釈の場

ここまで非常に通いやすい塾であることを述べてきたが、私がもっとも面白いと感じたのはキズキ共育塾がまさに再解釈の場であること。

 

不登校からのひきこもりを経た私にとって、一番心を癒したのはあの暗い過去(現実)を解釈し直すことだった。

 

キズキ共育塾はその手助けをしてくれる塾に見える。

 

まずここで働く講師陣の存在は大きい。

 

彼らは過去の傷を誰かの役に立つ経験だと解釈を変えたからこそ、今ここで講師をしている。そうでなければこんな尖った塾で働こうとは思わない。

 

そんな講師から学ぶ生徒も、今の経験を活かして数年後にここで働く姿を想像したりして。現状をポジティブに解釈する土壌が自然にできる。

 

そして中には、学校や社会からドロップアウトした自分がダメ人間であると解釈してる子もいるだろう。

 

自分は何をやっても勉強ができない、続けることもできない怠惰な人間だと解釈してる子もいるだろう。

 

これもキズキ共育塾に通うことで、自分に合った環境、合わない環境、心地よいコミュニケーションの形態などが次第に見えてくる可能性が高い。

 

また自分にとって最適な学習スタイルを確立することで、人それぞれ力を伸ばすやり方が違うことも理解できるだろう。

 

自らの体験を通して自分がどんな人間かを知ることで、少しずつ現状や過去の解釈も変わってくるはずだ。

 

あぁ、自分がダメだったわけじゃないんだ

 

この気づきこそが、その子にとって最大の癒しになる。

 

こういう見方もあると言葉で伝えたところで理解できるものではない。本人にとってはある種の信念になってたりするから。

 

講師の存在や塾での学習を通して、身をもって自分自身への理解を深めたからこそ改めて解釈し直すことができる。

 

通い続けるのは楽なことばかりではないはずだが、今後の人生を大きく変える可能性を秘めているのは間違いない。

 

これは……過去の私が通ってても人生やり直せたかもしれない。熱いぞ。

伝えたいこと

ここまで読んでくれたら宣伝としては十分なので、ここから完全な私見も書いておく。

 

今回この記事を書くにあたって、一体何のためにキズキを紹介してるんだろう?と何度も考えた。

 

そこで一つだけ、苦しんでいる子の隣にいる人(主に親御さん)に伝えたいことがありまして。

 

不登校からのひきこもり10年コースを経験した私の結論として、あの暗闇から抜け出せるかどうかは運である。

 

今でこそ私も結婚し、3人の子を持つ専業主夫として自分のやりたいように生きている。

 

しかし、たった一つボタンを掛け違えていたらどうなっていたかわからない。たまたま偶然にいくつかのタイミングが奇跡的に重なったから社会復帰できただけだ。

 

何度考えても運がよかったとしか言いようがない。

 

一方で私には兄がいる。彼は10歳から不登校になり、そしてひきこもりのまま今年で40歳になる。

 

私と兄で何が違ったんだろう。運が悪かったで終わらせていいものか?

運に左右されない準備を

今回キズキについて調べた結果わかったのは、キズキ共育塾は人生をやり直す確かなきっかけの一つのなりうること。

 

苦しみの中でも前に進む勇気のある子にここを紹介すれば、その子の人生はまた彩りを取り戻していくことだろう。

 

とはいえ、やはり本人が強く変わりたい時期にきっかけを示さないとただの嫌がらせになってしまう。それにきっかけ自体も本人の意向に沿ったものでないと意味がない。

 

適切なタイミングで適切なオファーをすることが重要で、それができる存在が近くにいれば多少はマシな運ゲーになる。

 

適切なタイミングを見極めるのはなかなか難しいだろうが、多種多様な社会復帰のきっかけを懐に入れておくことは誰でもできるじゃないか。

 

だからこそ身近に苦しんでいる人がいるあなたには、ぜひ社会復帰へのきっかけになりうるものをより多く知っててほしい。

 

フリースクールや参加しやすいボランティア、就労支援やバイトのコネ、引っ越しや転校など何でもいいからできるだけ多く。

 

そしてそこに、キズキ共育塾も入れておいて損はない。傷ついた人の心に寄り添える稀有な学習塾だと思う。

 

人生、勉強や進学以外の道も無数にあると40近い今だからわかる。

 

ただまだ若い子にとっては、レールから外れた道を模索するよりもまずは勉強によって人生をやり直した方がいいケースが多いんじゃないかな。

 

たとえやりたいことがなくとも、皆と同じでありたいという欲求は誰にでもあるものだ。

 

学業にまた従事することで、何もかもから取り残されて自ら痛めつけてきた心が大いに癒されることだろう。そこからまた自分なりの道を探したらいい。

 

まあどの道を進むのも決して楽じゃないと前置きしつつ……

 

人生をやり直す適切なきっかけを適切なタイミングで示せる誰かが隣にいるなら、それはもはや運に左右されない盤石の人生と言えるのではなかろうか。

 

周りにいる人には、ぜひそういうサポートをしてほしい。

 

これが私のもっとも伝えたいことかな。

 

親のきつさも理解できるし私にこれができるかと言われると難しいのだが……子供目線ではそう言うしかない。すまんね。

細かい情報とか

では簡単にその他の情報を書いて終わりにする。

 

キズキ共育塾は小学生〜社会人と幅広い年齢で利用できるそうな。

 

関東圏や関西圏、愛知県等に全12校あって、オンラインで全国どこでも入塾可能とのこと。詳しくは下記をどうぞ。

校舎一覧 | キズキ共育塾

 

口コミを見る限り、他の個別指導塾と比べても割安〜同等程度の価格らしい。詳しいことは公式サイトから問い合わせてほしい。

 

過去にキズキ共育塾の生徒だった人が講師になるケースもよくあるらしいので、将来のその子に金を払ってると思えばより気持ち良くお金を払えるかも。

 

他、キズキは奨学金や就労支援、フリースクールといった事業を書ききれないくらいに手がけているので、気になる方はそちらも調べてみてくれ。

 

以上、ここまで読んで頂き感謝。

 

最後に、キズキの活動を心から応援してることを表明して終わりとする。

 

ここまで読んでいただき感謝。

↓のウサギをポチすると、さらにとんぼが喜びます。

にほんブログ村 子育てブログ 障がい児育児へ