ステップファザーにできること

重度知的+発達障害の娘と、二人のやんちゃ息子の父によるステップファミリーの話

長男(小5)、立場をわきまえない正論マンだから嫌われてる説

大仕事を終えたとんぼである、ごきげんよう。

 

先日書いた、長男(小5)が部活で居心地が悪いという話。

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さすがに一度長男から話を聞いてみた方がいいだろうと昨晩がっつり話した。2時間弱。

 

別に何かが解決したわけではないが、色々とわかったことがあるので記していく。長いよ、圧縮したとは言えなんせ2時間だから。

 

◆家族の紹介

正論マン

つい昨日まで、部活での居心地が悪いのは練習休みまくっとるくせにキャプテンにしがみついてるからじゃないの?と考えてた。

 

とは言え、これは私の勝手な推測なんで。

 

思い込みをぶつける前提で話し合うのは争いのもとなので、まずは長男がどういう状況で居心地の悪さを感じるのか情報収集することにした。

 

するとわかったのは、長男を差別(と本人は言う)するのはごく一部。同じ学年の子たちで、さらにほぼ全員がバスケ部の1軍に所属する子たちのようだ。

 

長男から出てくる名前を聞けば、どれもこれもバスケが上手い子ばかり。プロやらNBA目指してバスケに人生賭けてるような。

 

ちらっとキャプテンについても聞いてみると、キャプテン自体は長男がやめてもどうせ誰もやりたがらないとのこと。

 

それに長男を避けている子らは1軍のため練習も別。普段の練習でもそう関わり合いがなさそう。ならキャプテンであることはこの件にあまり関係ないか。

 

じゃあなぜ……まあはっきり言うと、なぜ嫌われているんだろう。そんなに関わらないはずなのに。

 

本人はわからないという。あいつらは貴族でオレは農民だ。いや、あいつらは人でオレは猿扱いだ、などと言ってて。

 

傷ついているのはわかったが、嫌われてる理由は考えてもわからんそうな。しつこいと言われたことはあるらしい。

違和感から紐解く

一つ思い出したのは、バスケ大会における長男の行動。妻が見ていて違和感を覚えたらしい。

 

この大会では1軍も2軍もごちゃ混ぜで出場し、当然そこには長男を嫌う連中もいたし、長男も同じ試合に出てた。

 

ハーフタイムか何かで試合が中断するとコートから選手がはけるじゃないか。その時に選手はコートに向かってお辞儀するのがマナーなんだって。

 

いつかバスケ部のコーチがコートへの感謝が大事だと力説し、長男の心に響いたっぽい。

 

それなのに1軍の連中がお辞儀もせずにコートから出て行ったもんだから、それを見た長男が注意したそうな。

 

「コートから出る時はお辞儀して」

 

正確ではないが多分そんな感じのことを、おそらくは命令口調にはならないように言ったんだと思う。でもそれも無視されたと。

 

この行動に何かヒントがあるのではないかと思ってね。嫌われてる自覚があるのにこんなこと注意してたら、余計に反感買うだけじゃないか。

 

その辺どうなのと聞いてみたら、まあ長男の回答が面白いよ。

 

「だってあいつら、プロになりたいって言ってるんだよ。そんなやつらがお辞儀もしなかったらダメでしょ」

 

確かに。君の言ってることが間違っているとは言わないが、まあ相手と君の関係性もあるからねぇ。

 

話を素直に聞いてもいいと思える人と、この人の話は聞きたくないって場合もあるから。

 

「でもあいつら礼儀正しいかっこいいプロになりたいって言ってるんだよ。それなのに面倒臭いからってお辞儀しないのおかしいでしょ」

 

そうなりたい=今現在そうではない、ということで。

 

今はお辞儀の重要性がわからないかもしれないけれど、これから経験して学ぶかもしれないし、プロになって痛い目見てから気づくかもしれない。

 

「でもあいつらもコーチから聞いてるんだよ!これではプロではやっていけないよ」

 

うーん。必ずお辞儀をするべきだという信念の押し付けが強すぎるな。

反感を買う考え方

今回長男に伝えたかったことの一つに、自分を客観的に見られているか?というテーマがあった。ついでなんで絡めて話す。

 

そもそも長男と1軍の子らでは、バスケに向き合う姿勢が違う。彼らは現在人生を賭けてバスケをやっていて、一方の長男はそこまでバスケ熱がない。

 

今年度でぬるっとやめてしまえる程度の、いわば趣味みたいなものである。

 

長男はこの二者を貴族と農民、または人間と猿だと仰々しく例えたが、私から見ればガチ勢とエンジョイ勢という方がしっくりくる。

 

この立場の違いを踏まえた上での言動・行動を調整できているだろうか。

 

1軍の子からすればコーチや監督、またバスケプレイヤーとして認めている人からの話はそりゃ聞く耳は持つだろう。

 

一方の長男は2軍でバスケの実力も志も彼らと比べて圧倒的に低い。

 

そんな奴にバスケ論を説かれても、お前が軽々しく入ってきていい領域ではないと怒らせるだけではないか。

 

だから多分、バスケ全般的な話をしなければ仲良くできると思う。

 

聞けば、2軍の中には長男よりバスケの実力が低い同級生もいる。

 

その子は1軍の子らと仲良くしてて、お泊まり会まで開催してしっかりコミュニケーションをとれている。

 

その子と長男の違いは何なのか。

 

その子は普段バスケ部でどういう動きをしている?長男にそう聞くと、しっかりわかっていた。

 

「その子はバスケ部ではあまり喋らないよ。輪の中にはいるけど、他の話題で盛り上がってるよ」

 

そうだね。その子はきっと、自分の立ち位置を見極めた上でうまく立ち回っているんだ。

 

1軍の彼らが何よりも大切にしてるバスケという領域に、軽々しく首を突っ込まないからこそ仲良くできているんだよ。

 

つまり長男が煙たがられるのは、立場をわきまえずにバスケの話に踏み込んでるからなんじゃないの?

 

といった話をとてもとてもオブラートに包んで話した結果、返ってきた言葉が……なんだったかな、妻と一緒にピキッときたのだが。

 

原文とは違うが、ニュアンス的には以下のもの。

 

あいつらは一軍のくせに礼儀すらなっていない。プロになろうってやつがこんなんではダメに決まっている。

 

オレですらわかることを何でやらないの?むしろプロになる気のないオレだからこそ言わないといけない。

 

さすがにおいおいおいおいおいとなった。こんな思考してたらそりゃ1軍から嫌われるわ。

 

だって君は部活を毎週休んでて自主練もしない2軍メンバーなんだよ。そんなやつがプロを語って誰がいい顔するんだよ。

 

誰も君のご高説なんて聞きたくないの。

 

思考がこれでは、出てくる言動にも上から目線の嫌な感じが滲み出てるんじゃないか。自ら嫌われにいってるようにしか見えない。

 

……ただ、長男の言うことが完全に間違ってるわけじゃないんだよね。それだけが長男を駆り立てるのだろう。

屁理屈か正論か

私がこの会話中に再三言っていたのは、「長男が言ってることは間違ってはいないよ」だった。とにかく間違ってはいない。正論を言っている。

 

ただ人間関係は正論だけでは上手くいかない。相手にも立場があり、思想があり、感情があるわけだから。いくら正論でも相手の神経を逆撫でしてたら意味がない。

 

そう言った話をしてると、長男が過去のことをつらつらと話し始めた。

 

今から半年以上前、まだ長男が小学校4年生だった時のこと。

 

情報の授業で使ったノートPCを、まだ作業が残っていたので授業終了後も使用してたんだって。

 

それが学校ルールにおいてPCは授業中のみ使用可能と決まってるもんだから、友人の1人が今使っちゃいけないんだよと長男に直接注意をしてきて。

 

「もう少しだから待って」と伝えても友人は譲らずしつこくて……そこで多分怒鳴っちゃったのかな?

 

先生も間に入って、長男が注意されたらしい。授業が終わったらPCを使わないのがルールで決まっているとかなんとか。

 

それに対する長男の反論はこれ。

 

「何でオレだけ!?他にも使っているやついただろ!」

 

この話をしながらふつふつと長男の怒りも戻ってきてた。

 

主張はこうだ。他にもPCを使っているやつはいたはずなのに、あいつはなぜかオレだけに注意してきた。先生もそうだ。

 

オレ以外にも使っていたのに!なぜオレだけに?絶対におかしい。

 

あいつはPC使ってた全員に注意すべきだっただろ!!先生も全員に注意するべきだろ!!何で俺だけが!!!

 

みたいな話。ちなみにこれで当時の担任に相当キレ散らかしたらしく妻にも電話があった。かなりバチバチやりあったらしい。

 

後に学校関係者(妻の友人)から話を聞けば、この件は支援学級の運営会議でも議題にあがるほどだったとか。知らんかった。

 

でね……これはまぁ長男の屁理屈ではあるじゃないか。周りがどうだろうと長男がルールを破ったことには変わりないし。

 

とは言え長男が言ってることが完全に間違ってるとも言い切れない。正論と言えるかはわからないけれど、確かに長男だけ注意されるのはおかしい。

 

まあ自分の中での正論にしがみつくのではなく、「自分にも悪い部分があった」と冷静に事実を認められたならもう少し結果は違ったのだろうが。

 

自分が絶対に正しいと思ったら、地獄の果てまでいっちゃうんだもんな。まいったね。

解決はしないが

他、何話したっけ。例え話は色々やったような。

 

塾にも通わず中学受験を目指してない奴が、物知り顔で「中学受験するんだったらもっと勉強しろよお前、当たり前だろそれくらい」とか言ってきたらムカつだろう?とか。

 

こういう逆の立場で考えてみたら?系は通用しないかと思いきや、しっかりイメージしてムカついていたから効果はあったのかもしれん。

 

ふむ。とりあえず長男と話した要点はまとめられた気がするので、簡単に私見を書いて終わりにする。

 

今回話してわかったのは、長男は相手と自分の立場を客観的に見て発言を調整するのが苦手らしいこと。

 

さらに自分の中に絶対的に正しい考えがあって、それをお互いの立場や関係性すらお構いなしに口に出して絶対に譲らないこと。担任相手でも全面戦争を仕掛けてしまう。

 

他の見方もあるよと理解を示しながら話してみても、終始「だって」「でも」のオンパレードでなかなか聞く耳を持ってくれないし。

 

これでなぜオレが嫌われているのかわからないというんで、そりゃ難儀だなぁ。

 

だから今回伝えたことはこれ。

 

今のままやってたら一般的には嫌われる可能性が高い。嫌われる覚悟をして自分を貫きたいならそれでもいい。なぜなら間違ったことは言っていないから。

 

ただ今の長男のやり方で、長男のことを理解してもらったり相手が素直に話を聞いてくれるかかどうかは微妙である。

 

今聞いてる限りでは、むしろ長男が動いたことで逆効果になってるように見える。直接物申すことだけが最善策じゃないよ……とか。

 

最近は怒鳴り返さないように我慢してるというから、わかっちゃいるとは思うのだが。耐え難いほどの衝動があるのかもしれないから解決策にはならんかも。

 

まああれこれ言ってもな。とりあえず今はこれだけ。

 

あとは客観的な事実を捉えて偏らない思考をする訓練が必要だなこの子は。相手の感情や立場なんてこれっぽっちも頭にないし、自分がどう見られてるかもわからんらしい。

 

認知行動療法をやれと紙とペンを渡してもゴリゴリに歪んだものしか生み出せなさそうなんで、寝る前の会話でナチュラルに認知の歪みに気づいてもらうスタイルがいいかな。

 

そう思ってるんだね、客観的な事実はこうだよ、こういう別の可能性もあるよ、君の意見にこうも反論できるよ、その上でどうしたらいいと思う?的な。

 

私の認知も歪んでる可能性もあるが、他人のことだからより客観的には見られることだろう。

 

はー大仕事だった。疲れた。

 

ここまで読んでいただき感謝。

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