ステップファザーにできること

重度知的+発達障害の娘と、二人のやんちゃ息子の父によるステップファミリーの話

他者のことばかり考えるのは自然と切り離された生活してるから話

シロツメクサの花輪を初めて完成させたとんぼである、ごきげんよう。

 

次男坊の頭に乗せてみるも、やはり初号機なんでいまいちか。

これからシロメツクサの全盛期になるらしいので、見つける度に作っていくことにする。

 

土日対応で忙しく時間もないため、自然関連で面白い本を見つけたので簡単に紹介したい。

 

◆家族の紹介

虫眼とアニ眼

その時々で興味を持った本を読み進めていくと、この人は面白いぞ!と感じる人が何人か出てくる。

 

以前も少し書いた。

www.rabbitonbo.com

 

この中でも、解剖学者の養老孟司氏とジブリの宮﨑駿氏による過去の対談が収められた書籍がありまして。これ。

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この本、めちゃくちゃ面白い。現代生まれの人間にはおそらく気づくことのできない違和感について二人が語り合っている。

 

特にこのお二方は自然に対して強い思いがある……というより、人工物に囲まれて自然を無視した現代社会を疑問視しているところがある。

 

養老氏は現代人は意識ばかりが肥大化し、脳化しているとの発言を過去にしてる。身体と感覚が衰え、脳だけが活性化する歪な社会。

 

宮崎氏と言えば、「うちの子供がトトロ大好きで100回みてます!」と言われて頭を抱えたという話が有名か。

 

トトロ見て外に出てドングリでも拾うきっかけにすることを想定していたのに、テレビにかじりつかれるのは真逆の行為だから。

 

そんな二人の対談なんで面白くないわけがない。

 

書籍の最初の方には、宮崎氏が理想とする街のイラストや説明がある。

 

子供たちが自然の中で自由に遊び回れて、地面も凸凹で平らなところなんてなくて、年長にもなれば自由に火遊びもできるような。

 

好きだわーこのじいちゃんたち。日本の宝やで。

人間関係への意識が強すぎる

自然が好きな方にはぜひ読んでほしい本。その中でも一つ興味深い点をあげるとすれば、人間関係の話。

 

自然がもっと身近にあった頃、人の関心は自然にも強く向けられていたという。

 

しかし現代社会は自然から遠ざかり、人工物に囲まれ、自然を無視した生活になっている。

 

そのため本来フルに使っていた人間本来の感覚を持て余し、それらが他者、つまり人間関係に強く向かっているのではないかと。

 

たとえば養老氏が教員向けの講習を受け持った時。多くの先生方が学校の課題や問題点、その解決方法などを考えて発表する時間があったそうな。

 

そこで出てきた課題というのが、すべて人間関係に関するものだったという。子供たちのコミュニケーションとか喧嘩とかどう教育するかとかそういうの。

 

養老氏としては、こういう授業したら面白いかなとか、実験がどうとか、授業の工夫についての話を期待してたのに全然違ったとか。

 

また昔はもっと人への敵意もマイルド……というか、今ほど強くなかったという話も興味深い。

 

たとえば子供の間でも、友達同士で喧嘩とか憎み合うことは今も昔も変わらないけれど、たとえば昔なら「オレのとんぼの方がおおきい」などと自然が絡んでいると。

 

そのおかげで相手に対するフラストレーションも中和されてるというか。意識が自然にも向いてるんで相手に対する敵意はそんなでもなかったとか。

 

わからんよ。私はその世代の人間じゃないし、現代社会の中で人工物に囲まれた環境で育ってきたから本当のところはわからん。

 

でも現代では誰もが人間関係のことばかり気にしてるのは確かだろう。SNSの炎上見てても怖い。どう考えても異常じゃないかあれは。

 

私だってこうやってブログ書いて、子供たちのことばかり書いている。言い換えれば子供たちとの人間関係についてばかり書き連ねている。

 

もちろん考えなきゃいけないケースもあるにせよ、こんなに他者にばかり意識が向いているのは自然とのバランスが崩壊してるせいかもしれない。

 

もっともっと自然と触れ合って、自然の中で生きていれば、他者なんて今よりも全然気にならんくなるのかも。

 

すでに自然と切り離された現代社会で生まれた以上、そもそも自然が身近にある感覚を経験していないから確信はないけれど。

 

人間に意識が向きすぎと言われて、なぜかスッと納得してしまうのが不思議だ。

 

ちなみに養老氏はあるインタビューにて「今は世界が半分になった」とも言っている。

 

もともと人間の世界と自然の世界があったのに、半分が消えてしまった。残った半分が重くなるのは仕方がないのかもしれない。

アドラーへの感じ方も変わる

といったおすすめの書籍の話。

 

自然が身近にある生活をしていれば人間への関心も緩和される……という話を聞いて、アドラー心理学への感じ方も少し変わった。

 

ほら、課題の分離ってあるじゃないか。

 

自分の問題は自分の問題、他者の問題は他者の問題として切り分けようというやつ。

 

私は『嫌われる勇気』が好きなんで、ことあるごとに課題の分離という言葉を使ったりするくらいには好きだったんだけど。

 

……そもそも、意識して分離せにゃならんほどに他者のことが気になってる状態がおかしいんじゃない?という気がしてる。

 

アドラーはすべての問題は人間関係の問題だという。

 

確かにそれは一理あるのかもしれないが、強度というか深さというか、そこまで他者を強く意識してしまう現代社会が異常なだけなのではないか。

 

自然が身近にあって、植物があって鳥がいて虫がいて動物がいて、天気は移り変わって星があり月があり、周りはコントロールできないものばかりの世界。

 

そんな世界に身を置いていれば、他人がコントロールできないなんてむしろ当たり前。気にする必要がないことくらい自然と身につきそうなもんだが。

 

あー、山買いたいなぁ。

 

ここまで読んでいただき感謝。

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