ステップファザーにできること

重度知的+発達障害の娘と、二人のやんちゃ息子の父によるステップファミリーの話

長男(小6)の発達相談にて、療育的な接し方を勧められた話

寝不足とんぼである、ごきげんよう。

 

最近書かないが、長男(小6)との夜の勉強も再開してる。モチベーションを高めるためにテストのあとは採点して得点を教えてあげることにしたが……どうだろうね。

 

さて、前回失敗に終わった発達相談の2回目に行ってきたのでその報告。書きたい衝動が溢れ出て書かないと何も手につかない。かなり長くなると思われる。

 

ちなみに1回目はこちら。

www.rabbitonbo.com

 

◆家族の紹介

長男の発達相談

半年前、初めて長男を連れて発達相談へ行った。当時の長男は怒りが原因の反芻思考によって食欲が減退、体に痛みもあり。

 

専門家の意見も聞いた方がいいと本人にも承諾をとって行ってみたはいいのだが……ほぼすべてストレスのせいと片付けられた。あと妻のやり方が悪いと。

 

いくつか長男の言動・行動で「ん?」と思うことも話はしたものの、ストレス対策して成長すれば解決するかもよー的な話に終始する先生。

 

 

……なにこれ。

 

 

と落胆してたのだが、一応半年後の予約をとりまして。それが今日だった。

 

正直、もう私も乗り気じゃなくて。長男も現在は特に大きく困ってることがないという。そらそうだ、長男のトラブルは夏休み前後から始まる。

 

一学期は割と上手くやるやつなのだ。付き合いが長くなるとダメになるパターンが常なのである。

 

今は本人も困ってないんだから、親としてはストレス対策を講じて、長男に気分を害するコミュニケーションを適宜指摘していくしかない。

 

やることはもう決まっているのだから、別に発達相談する必要ないのでは?

 

とすら思ってたんだけど。こういう時にブログが頭をよぎる。様々な助言をもらってきたのに、そんな適当な判断したなんて書けないじゃないか。

 

先生には期待できずともせめて私にできることは最低限やっていこうと決めて、長男の気になることについて文章でまとめて印刷した。

 

勉強のやる気がないとか段取りが悪いといった一般的によく聞くような話は一切排除して、あまり育児話で聞いたことがない案件だけ書き連ねる。

 

特にコミュニケーション関係のトラブルについて。

 

たとえば、ターゲットにした友達にしつこく注意し続けて、殴り合いになって、先生に止められて、先生から二人まとめて注意されたのに「オレだけに注意すんな!」と先生にも怒鳴り散らした話とか。

 

そういうブログにも書いてきたような、私にも理解が難しい話をピックアップ。これを見れば長男のコミュニケーションの課題をほぼ理解できるものとして簡潔にまとめた。

 

まあ……これを読んでもらってもストレス対策せえと言われるなら仕方がない。

 

印刷した時点で私の仕事はほとんど終わったなと多少の安堵もありつつ、受診時間を待った。

当日にトラブル

病院の予約は14時なので、13時に長男は学校早退して帰ってくる。妻も同様でばぁばんちに集合……だったのだが。

 

13時40分になっても長男が帰ってこない。おかしい。給食後の5時間目が13時から始まるから、授業始まる前に早退しろと言ってたのだが。

 

このままでは受診に間に合わないし明らかに帰りが遅い。長男には昨晩も今朝も何度も早退のことを話したはずなのに、まさか忘れてしまったのか?

 

受診時間が迫っているため急いで妻と学校に向かってみると、長男は体育館で遊んでた。

 

……その理由がなんかもうむちゃくちゃだよ。説明できないかも。

 

事前に長男から聞いてた説明は上で書いた通り。

 

お昼に給食があって、その後13時から5時間目が始まるんだと。だからこそ5時間目が始まる前に早退するように伝えた。

 

しかし実際、給食のあとに5時間目はなかった。

 

5時間目の前に長い休み時間があるという。その長い休み時間が始まるのが13時半ということも長男は認識してた。

 

13時に早退することも覚えていた(本人談)のに、13時半からの休み時間が始まった。そこに何の疑問も持たずに汗かいて遊んでた。

 

妻が体育館で迎えると、何で迎えにきたのかわからないようだった。本気で13時は過ぎてないとの認識だったんだろう。

 

……わけわかんねぇなこれ。

 

でまぁ案の定妻がぶちぎれて、放置してたら喧嘩になりそうだったんで無理やり止めた。

 

長男に悪気はない。ただ長男の頭の中の学校のスケジュールが、実際のスケジュールと全然違ったというだけの話。

 

でもここまで時間感覚(流れの把握?)がむちゃくちゃなのは初めて知ったかも。

 

ちなみに担任にも13時早退であること、13時には本人にも早退を促すように事前にお願いしていた。で、先生も忘れていたらしい。

 

病院前にいい土産話ができたなと私だけ笑ってたけど。

 

楽しい楽しい休み時間があったんなら仕方がないか。

親子三人で

少し遅れて受診に滑り込み、妻・長男・私の3人で主治医と話す。

 

学校や塾の近況聞き取りから始まり、現在困っていることはないかとの質問。長男本人は特にこれと言って話すことがないような感じ。

 

私にも聞かれたので……一応長男の前で話してもよさそうな案件として、妻と長男の喧嘩を選ぶ。そして喧嘩の原因が言った・言わないの水掛論が多いことも伝える。

 

こういった喧嘩の背景には、上で書いたような認識にズレがある話も。集中した長男は周りが見えなくなる、好きなものにのめり込むと大事な予定も吹き飛ぶなど。

 

この件について、主治医からは外部のアイテムに頼ることを勧められる。現状の本人には解決が難しいから、周りの大人が教えるかアイテムに頼るのが早いと。

 

間違っても怒って喧嘩するのはやめた方がいい、無駄であると。

 

時間がわからなくなる件については腕時計などタイマーの導入を、言った・言わないについてはボイスレコーダーでの録音がいいのでは?と。

 

ちなみに長男はアナログの時計を見ても、ほとんど長い針しか見ていないことが判明した。

 

基本的に短い針はスルーしてるらしい。そりゃ時間認識ぐちゃぐちゃになるわ。

 

対策として、デジタルの腕時計をしたらいいのでは?との結論になる。面白いね。

私と二人で

といった話で「もう他にないなら」とお開きになりそうだったところ、何とか食い止める。まだ私が話したいことがある。しかし長男がいては話せない。

 

先生から「じゃあ次は親だけで」と言ってくれたら違和感ないのだが、私発信で長男だけを退室させるのはあまりに不自然。

 

仕方がないので妻もまとめて退室してもらってから、今回用意してきた長男のコミュニケーションに関する紙を手渡す。

 

先生もしっかり……でもないな。文章を読み慣れてるのかそこそこの速さで読んでくれて、こちらが言いたいことは最低限理解してくれたようである。

 

ここからは先生の見解を、私が理解したニュアンスで書く。原文ママではないことをご留意いただきたい。

医師の見解

長男の成長タイプは

まず長男のコミュニケーション能力について。

 

通常、他者と接しながら相手の言動や反応をみることで、少しずつ自分の振る舞いを調整しながらコミュニケーション能力が成長していく。

 

が、長男はそのようにして成長するタイプではないという。

 

自分と相手の二人がいるにも関わらず、自分のことしか見えていない。相手の表情や態度を読み取ることができていないことが察せられる。

 

そのため長男のコミュニケーションの課題については、知識と経験によってカバーするのがいい。

 

他者との触れ合いの中で覚えていくのではなく、このケースではこの選択肢を選ぶのが合理的であることを説明して、知識として覚えさせる。

 

そして実際に似たようなケースが発生した場合に、知識を駆使してその場を乗り切る。たまに間違えることもあるが、修正しつつ選択肢を増やしていく。

 

といった経験を何度も何度も繰り返していくと、感性的な練度も少しずつ上達していきコミュニケーションの精度があがっていくとのこと。

 

だからまずは感情的に教えるのではなく、「わかるだろ」「察しろ」でもなく、合理的な説明によって長男に新たな選択肢を提示する。

 

これを長い目でやっていこう……といった話がメインかな。

長男フィルタを通さない説明

また何かしら長男に適切な行動を教える場合は、別の何かに置き換えて話すことを勧められた。

 

たとえば人形劇とか。

 

長男はメタ認知が苦手な可能性が高く、相手がどう思うか、不快な気持ちになるのではないか?といった問いだと、長男の意識が介入して納得させるのが難しいと。

 

そのため、いわゆる外在化というやつかな。長男とは一旦切り離し、自分とは違う客観的に見られるキャラクターを使用しての説明が非常に効果的であると。

 

長男のようなタイプで外在化をうまく使いこなしてきた子は、脚本家になったりすることもあると言っていた。あとは人間心理を探求したりするとか。

 

だからまぁ、妻がよくいう「相手のことも考えろ、迷惑だろ」的な注意がほとんどまったく意味をなしてないのも、これが原因なのだろう。

 

怒られるから言うこと聞いてるだけでまったく納得してないみたいな。よくあるから。

長い目で見るがストレスは

先生としてはこの対応を冷静に、淡々と、長い目で見てやっていくしかない、という見解である。

 

大人になってもLINEや電話で適宜サポートを続けていくような言い回しであった。

 

……でもこれ、言うのは簡単だけど超絶難しいじゃないか。一般的には嫌われる行為を日常的にやってしまう長男相手にこちとら冷静でいられない。

 

だからこそ妻なんかはぶちぎれまくって大げんかしてるわけだから。

 

一応先生にも、親も強いストレスを感じている現状もあり長期的に続けていくのは難しいのではないか?と質問をぶつけてみた。

 

その回答がこれ。

 

よそで美味しいご飯食べるなり友達に愚痴るなりで、長男とは無関係な場所でストレス解消して長男相手には淡々と適切なコミュニケーションを教えていく。

 

……とかそんな感じのこと言ってた。

 

端的に言えば、

 

子育てで得られる幸せに期待すんな。よそでストレス対策して療育のエネルギーを蓄えろ。

 

といった感じだろうか。

 

先生は療育とも言わないし、発達検査がどうとかそういう話も一切しない。それでも完全に私と共通認識を持っていることはわかった。

 

これはストレスフルでかつ長期的な療育になる、と。

合理的と論理的

何となく気になったのは、先生は"合理的な説明"と言い、私は"論理的な説明"と言っていたこと。

 

私は合理性よりも論理性を重視する。しかも感性寄りの論理性。もしかしたら長男にとっては感性をかませず効率重視の合理的な説明の方がわかりやすいのかね?

 

これまで合理性はあまり考えていないというか。むしろあまり好かんというか。

 

でも面白い発見であるな。

次回も予約

1回目の時は「次回の予約はしなくても……」と言ってた担当医が、今回は「次回も予約した方がよさそうだね」と言ってくれた。

 

頑張って文書作ったからな、本気出した甲斐があったな。ふはは。

 

というわけで、しばらく期間をあけた半年後にまた受診となった。半年後……遠いなとは思わない。次回はないなと思っていた私としては満足している。

 

どちらにせよ、身近にいる人間が療育していくしかないわけだから。厳しい現実を教えてくれたってことで感謝したい。

妻と義母の認識の変化

書いてみると、私が知っていることも多かった。

 

淡々と適切なコミュニケーションを伝えるとかやってるし、水掛論になりそうな時は言質(メモ)もとるし、適宜必要なケースではアラームも用意してる。

 

それなりに理解してるからこそ、私は長男と喧嘩しないのである。

 

あ、でも外在化で伝わりやすくなる件はぜひ取り入れたいね。人形買ってもいいな。

 

あとは、今回の担当医が"長男の対応は常識に囚われた考え方では通用しない"という態度だったのが逆にありがたかった。

 

あーですよねぇ、そうですよねぇ、私もそう思いますって。世間一般に言われている子育てモデルにして考えてたらおかしくなりますよって。

 

でまぁ先生との話は妻とばぁばにもしっかり伝えた。(長男には、怒りっぽい妻の相談ということにしてごまかした)

 

以前から私は妻とばぁばに何度も訴えている。長男の対応は考えなければならないと。一般的な対応ではやっていけないと、頭をフル回転させないとダメだと。

 

一応ここ1年は私の話も取り合ってくれるようにはなってたのだが、まだまだ真剣味が足りなかった。

 

なんだかんだ長男は"言わずとも"わかってくれるだろうと思っていた節がある。

 

いやいやそうじゃないよ、教えないとわからないんだって。怒って怒鳴って叱るんじゃなくて、冷静に落ち着いた態度で教えるしかないんだっ!

 

そしてそれが死ぬほど難しいんだって!!

 

みたいな話が、きっと今後はもう少し通じるだろう。

 

今回の受診によって、妻とばぁばの認識がガラッと変わったように見受けられた。あの先生がそんなこと言うの?と大きな衝撃があったようだ。

 

よかった。大成功である。

 

そういう私も、医者からこうもはっきりと「この子は他者とのやり取りを通じて自然に適切なコミュニケーションを学ぶことはない」と言われて、なんだかスッキリした。

 

やるしかないんですよね。

 

じゃあ長くなったんで終わり。一番重要なのは親のストレス対策かなー。

 

ここまで読んでいただき感謝。

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