ステップファザーにできること

重度知的+発達障害の娘と、二人のやんちゃ息子の父によるステップファミリーの話

どうすれば子供は自分でカバンを持つのか?娘と一年争った話

ステップファミリーとなって間も無く、私は娘の送迎を任されることになった。

 

朝は妻と息子が先に家を出たあと、私は娘を学校まで送っていくというパターンだ。

  

そこで私が毎朝娘と争った話を紹介したい。

 

始まりは2017年の4月、娘と幼稚園に行く時に始まった。

 

幼稚園とはいえ娘は失禁もあって着替えが多めに必要で、水筒もあって荷物が重かった。

 

また徒歩での登園が推奨されていたため毎朝15分ほどかけて登園することになっていた。

 

そこで手こずったのが朝、家を出る時だ。

 

娘にカバンを持ってもらいたいのに、重いと言ってなかなか持ちたがらないのである。

 

私の基本姿勢はこうだ。

 

「自分のカバンなんだから自分で持って。カバンがなくて困るのは君だし、正直私に関係ないよね」

 

だが当時の娘というのは、カバンを渡すとチラッと見たあとに一言も発さずにドアを開けて外に出て一人で歩いていくのだった。

 

そのあとは名前を呼んでもガン無視である。

 

お、思い出してもイライラするくらいに、ガン無視である。

 

当時の私はまだ娘の能力を見誤っていた部分があり、カバンがなくて困ることを娘が理解していると思っていた。

 

そのため毎日のようにこの争いは続いたのだ。

 

「カバン持ってね」と手に握らせると、カバンをぶん投げられついでに靴下や靴もぶん投げられる。

 

玄関に寝転び、叩かれ蹴られる。

 

それならば!と少し様子を見て、家を少し出たところでカバンを渡してみたこともあった。

 

すると道のど真ん中で寝転んで「いやだいやだー」と暴れまくり。

 

ふざけんな!正義は我にあり!

 

絶対に私が正しいのだと、カバンを絶対に持たせてやろうと毎日格闘していた。

 

だが疲れるのだ。

 

朝出かける度にカバンをぶん殴られる。

 

カバンは私が持つのが当然のような冷めた目でカバンを一瞥し無視して歩き出す。

 

しまいにゃ叩かれ靴まで投げられる。

 

本当にうんざりして、ふざけんなとカバンを地面に叩きつけたことも何度かあった。

 

だがそんな私の怒りなんて娘には通じないのだ。

 

また、徒歩でなく車で送迎する場合には、車を降りるときにカバンを持ってほしかった。

 

車内であっても家と変わらない。

 

カバン持ってね!とカバンを渡すと「いやだー」とカバンをぶん投げたり叩いたり、だらーんと座って全ての言葉を無視。

 

いつだったか、私が朝から作った弁当が入っているカバンを後部座席から後ろのトランクに放り投げて、「落ちちゃったー」と言い出した時は本当にむかついてむかついて発狂しそうだった。

 

うーむ。し、しかしよく正気を保ててるな。すごいぞ!

 

普通にカバンを持ってくれる日もあったのだが、私に”カバンくらい自分でもてよ”という思いが強すぎたのも悪かったように思う。

 

結局、

 

わかったよ!成人するまで私が持ってやるよ!ずっとカバン持ちすればいいんだろ!お前にもう二度とカバン持たせないからな!

 

そう何度も決意を繰り返すはめになるのだった。

 

私だって娘にとって、カバンを持っていかない=学校で自分が困るって繋がらないということは何となく理解はできていた。

 

それでも”カバンは誰かが持ってくれるもの”という習慣がつくのが嫌だったのである。

 

持てないならいい。でも元気だし持てるのだ。

 

それを”誰かが持ってくれる”とそれが当たり前になって、それ以外だと受け付けないような習慣はつけたくなかったのだ。

 

まーとにかく、カバン持ち戦争は続いて続いて終わらないまま幼稚園は卒園した。

 

そして変化が見えてきたのは小学校に上がってから。

 

ランドセル様の登場ある。

 

 義母がお祝いに買ってくれたランドセル。

 

幼稚園で使っていたリュックより頑丈な分、重い。

 

重いのが嫌な娘には余計に嫌がるかもしれないと戦々恐々としていたが、その予想とは反対に娘はランドセルを気に入ってくれた。

 

最初は玄関先でランドセルの投げ合いもしたりしたが、少しずつ玄関を出る前に自分でランドセルを持ってくれるようになった。

 

そして小学生になり半年経った今では玄関で手渡せばほぼ必ず持ってくれる。

 

カバンを近くに持ってくると、手を差し出してくれるようになった。感動だ。

 

また学校で車を降りる際にも一つ発見をした。

 

車を降りる前に車内でカバンを持たせようとすると超絶嫌がるのだが、車を降りた瞬間に間をおかずにカバンを差し出すとすんなり持ってくれるようだった。

 

おそらく、車を降りた瞬間。

 

車を降りることに集中していたところに無理やりカバンを渡されると拒否という反応ができないのかもしれない。

 

しかしこれも繰り返し繰り返し刷り込んで、今や習慣になりつつある。

 

ということで叫びたい。

 

一年以上続いたカバン持ち戦争が終結したことをここに宣言する!!(パチパチパチ)

 

いやー、毎朝気が狂いそうだったな!

 

今でも朝に娘にカバンを手渡す時は少しピリっとするが、もういいだろう!

 

お疲れ様! 

 

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