絶賛妻と息子(小4)が喧嘩中の様子を見ているとんぼである、ごきげんよう。
今回の言い争いはドッジボールだって。
テレビでドッジボール的な企画がやっていて、妻が突然「ドッジボールって殺人ゲームって知ってた?」と息子に聞き、息子が「知ってるよ」と言ったことから始まった。
殺人ゲームだと認識して女子や子供に本気で投げてんのかお前は、という怒りかな。
殺人ゲームとはまたいきなりどぎついな、とは思うけれども、調べていると似たような記事が見つかる。
教育上、ドッジボールが賛否両論あるのは間違いない様子。
さて、息子の考えを紐解いていく。
手加減しない息子(小4)
息子はドッジボールが昔から大好きで、保育園の頃からドッジボールを得意としている。小学校に入ってからもずっと得意げだ。
半年ほど前に息子と一対一のドッジボールをやった時、投げる力が私より強いように感じた。強すぎるし痛いし怖いからもう息子とはやりたくない。
そんな息子は、近所の三つ下の男の子に(見た感じ)本気で投げている。
聞けば、クラスであまり運動が得意じゃない女子にも本気で投げている。誰にだって本気投げ、それが息子である。
何で皆に本気で投げるのか、息子に聞いてみたところ以下の回答があった。
「だってみんなに本気で投げないと不公平じゃん」
つまり、誰にでも公平に強く投げるべきとの主張である。
確かに一見すると、老若男女関わらず本気で投げつければ公平か。
しかし相手の年齢や体の大きさ、丈夫さなどの条件は千差万別なので、条件が違う相手にまったく同じ強さで投げるのは公平とは言い難い。
公平……というか、人としてどうなんだという話かな。
特に半強制的に参加させられている相手にとって、取れるわけない力で投げつけられて何が公平かと文句も言いたくなるかもしれない。
といった話なんだけども、息子はドッジボールが"殺人ゲーム"だと言うし、相手が誰だろうが公平に強く投げるべきだというし、みんなやってるよと言うし。
そんなこんなで妻が息子に注意を始めまして。
相手によって手加減すべきだろと、紳士的ではないと。息子の投げる力は強いんだから、運動が苦手な子にも全力は強すぎるだろうと。
それに対する息子の主張はこれ。
「だってドッジボールだから!そういうルールだから!!」
うーん。
例えばこんな記事もありまして。
考えてみてください。教師が生徒に集団で攻撃しても良いという許可を出すのです。ここから生徒はどんな事を学ぶでしょうか?
ドッジボールは子供たちに悪影響を与え非人道的にしてしまう可能性(カナダ研究) : カラパイア
わからんよ。私はドッジボールが当たり前の世代で、息子がドッジボール好きなことに一切の疑問を持たなかった人だから。
しかし改めて考えてみると、確かにドッジボールって教育のツールとして使うには適当ではない気がする。
投げるのも捕るのも避けるのも苦手な運動音痴な子も強制参加で、運動自慢から本気投げでボール当てられて一体何を学ぶんだろう。
ドッジボールでなければ"いじめ”としか見なされない行為が、ドッジボールというゲーム上では許されるどころか英雄視され、弱いものいじめを正当化できる。
「だってドッジボールだから!」
といった息子の言葉が、まさにそのものだなと。
強いやつが弱い奴を狩るゲームとはよく言ったものか。狩る側は捕食する喜びを、狩られる側は被食者としての危機感を学ぶのかな?
言い方が悪い?
とにかく興味深いなーと改めて考えさせられるな。
喧嘩の行方は
結局二人の言い争いは胸糞悪い結果を迎えたので書くのを控えるけれども、息子が言っていたことを一つピックアップする。
「オレが手加減してもどうせみんなやるし!オレだけやらないのは不公平じゃん!」
ふーむ。
妻は納得していなかったようだけど、ドッジボールという文化が子供たちに根付いている以上、息子がやらなくても誰かがやる。
だから不公平だー!という意見もわからなくはない。
まぁもしかしたら他の子は相手によって手加減してるかもしれないけどさ。見てない以上、断定するのは避けなきゃならん。
ただ息子にとっては保育園の頃から当たり前のようにやってきたドッジボールで、得意中の得意で今まで当てまくって楽しんできたはずだから。
いくら正論とは言え、あまりに否定するような物言いをすると反発もしたくなるってもんだろう。これが当たり前だったんだから。
ドッジボールって授業でも友達間でも次第にやらなくなるゲームの筆頭でもあるから、そこまで私は心配してないんだけども。
よう考えたら息子が好みそうなゲームではある。運動苦手な子を圧倒的なパワーで倒して俺TUEEEEEできるから手放したくないだろうなと。
余談
ちなみに私は、ドッジボールが嫌いだった。
ボールを投げようとか捕ろうとか思ったことない。とにかく目立たず非難されることなく、いい感じに退場することしか考えていなかった。
間違えて最後まで残った時は地獄だったなぁ。
ドッジボールの勝敗なんか本当にどうでもよくて、クラス中の注目を浴びている現状からいかに穏便に脱出するかどうかかだけが頭でぐるぐる回ってた。
なので捕食者である息子の気持ちは正直よくわからん。私は戦う気もなく、目立たず仲間に迷惑をかけずに食べられたいタイプの被食者だから。
むしろ強く投げてくれた方が「あの球なら仕方がない」と理解を得られる分ありがたいまであるな。
おわり。
認知行動療法66日目
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