今回は科学的な根拠に基づいた子育てについて紹介する。
参考文献はベストセラー学力の経済学。思い込みや偏見とは違う、実験やデータに基づいた子育てについての考え方がわかる本である。
ただ出てくるデータがほとんど日本のものではない。国民性や環境の違いなども当然あってそのまま当てはまらない。
であるが、今後教育していく上で考え方のヒントとしては役にたつはずだ。
学力の経済学を、私見も交えながら何回かのシリーズにわけて紹介していきたい。
子供の勉強に対するご褒美はありか?
記事タイトルの答えを早速書いていこう。子供の勉強に対するご褒美はありかなしか、その答えは「あり」である。
子供の学力をあげるという点において、勉強に対するご褒美作戦は子供の学力を確かに底上げするらしい。
しかし、そこには注意点がある。それは「何にご褒美をあげるか?」ということだ。ここで一つ考えてみよう。
以下の2点、どちらが子供の学力をあげるだろうか。
1.テストや試験の成績がよかったらご褒美をあげる
2.本を読む、宿題をする、などにご褒美をあげる
学力を上げるという点においてわかりやすいのが1で、地味に効果がありそうなのが2という感じだね。
ある実験では両者を比較したところ、実際に学力テストの成績が上がったのは2の本を読む、宿題をする、などにご褒美をあげることだったそうだ。
わかりやすいご褒美
テストの成績を上げることでご褒美がもらえるなら、子供がすげーやる気出して学力が上がる気がするじゃないか。
だが実際は、もしテストの成績が悪かったとしても、子供はテストの成績をあげる具体的な対策が思いつかないという。
ご褒美が欲しいからテストの点数をあげよう!と考える子供達は、「もっと問題をよく読む」「解答を見直す」といった、小手先のテクニックに終始するんだって。面白いね。
逆に本を読んだり宿題をするといったインプットにご褒美をあげた子供たちは、ご褒美をもらうためにやることが明確だ。
ただ本を読み、宿題をすればいいのだから。
つまり、ご褒美をもらえる手段がわかりやすく決まっていて、かつそのことで学力が確実に底上げされるのが2.本を読む、宿題をする、などにご褒美をあげることなのである。
アウトプットにご褒美でも工夫次第で学力アップ
じゃあテスト等のアウトプットにご褒美をあげるのは効果がないのか?と考える人もいるかもしれないが、別にそうではない。
テストの成績をあげるための正しい努力の仕方や、正しい勉強方法を大人が示すことで、しっかり学力は底上げされるのだ。
例えば塾にいくとか、親が教えるのもいい。周りの大人が子供達に時間を使うのは大きな意味があるのだぞ。学力だけじゃなくてね。
勉強でも遊びでも、どんどんコミュニケーションを取ろうぜ。
そもそも学力をあげる必要あるの?
ご褒美のあげかたによる子供たちの学力について書いてきた。
私としては、子供が「もっと俺の学力をあげてくれ!」と言うならまだしも、わざわざご褒美を持ち出してまで勉強させなくても、というのが本音だ。
ただ、子供が言ってくることもあるのだ。
例えばうちの5歳の息子は「文字の練習をしたい」と言ってくるし、息子自ら「やりたい」と言ってくるなら協力してやらんこともない。
それなのに子供の集中力やモチベーションについて理解が浅ければ、親が子供の足を引っ張りかねないよね。
やる気はあるけど正しい方法がわからない子供達をサポートする意味で、ご褒美作戦は選択肢として持っててもいいんじゃないか?
そしてもしご褒美を作るなら、インプットに使うとなお良さそうだという話であった。
他にもご褒美のあげ方を間違えなければ子供がもともと持っているモチベーションに影響がないこと。
遠い将来よりも近い将来のご褒美に効果があるなど、他のポイントも下記書籍で紹介されているぞ。
少し古い本ではあるが、まだまだおすすめの本さね。
参考文献
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