自分が動かなくても時は流れることをひしひしと感じているとんぼである、ごきげんよう。
ちょっとした大事件があった。今回はその事件の主役の妻と初めてまともな会話をしたことと、その後の話を書いてみたい。
シングルマザーの妻との出会い
妻との出会いは職場。ど新人の私と妻は、違う部署ながらも偶然同じ仕事をすることになった。
彼女は当時24歳。若くして子供がいるという話は噂で聞いていたので、ほとんど初対面で直球で質問した。
子供いるんですか?
彼女は笑いながら、バツイチで子供が二人いると教えてくれた。その流れでプライベートな質問を投げかえされたのだが、苦笑いで返答を拒否した記憶がある。
人にはプライベートなこと聞くのに自分は答えないクソ野郎感が私らしい。
それから仕事に慣れて少しは仲良くなったころ、残業して帰る彼女を見つけたのでぶしつけに聞いてみた。
何か夢ってあるんですか?
このコミュ障っぷりが私らし(略
この人なら何か面白い夢を持ってるんじゃないかと期待したのだが、返ってきた答えは超現実的なもの。
「夢というか、マイホームは建てたいと思ってます!」
うーん、いや、マイホームは好きに建てたらいいんだけど、ちがうんだよ。なんかこう、世界征服みたいな夢を聞きたかったんだよ!
だってマイホームなんて何戸だって建てりゃいいじゃん、金さえあればできるでしょ?あとはどうやって金を稼ぐか考えるだけ、簡単だね!
という感じで苦笑いで流したのだが、彼女から見ると少し想定の答えと違ったようだ。
バツイチ子持ちのシングルマザーが一人でマイホーム?!現実見ろよ!!
と失笑されると思ったらしい、というか実際に鼻で笑われて傷ついた経験があるという。
だからこそ、私のバカみたいな思考にビビっときて惚れてしまったのである(とんぼ談)。
これが付き合う前の話。三年ちょっと前なのに、遠い昔のようだ。
夢を追いかける妻
それからなんやかんやあって私と結婚して、今も妻の夢は変わらない。
絶対にマイホーム建ててやる!
そう結婚当初から意気込んで、いつも土地を探していた。親戚のおじさんたちにも頼み込んだり、予算もないのに建築会社に相談に行ったり、貯金もないのに銀行に融資のお願いにいったり。
君の夢なんだから好きにしたらいいじゃないかと、ただ様子を見ていたのだが。
そしたらだ。妻の母が資金の一部を融資すると言ってくれた。
それに加えて、今年度から正社員になり大幅に妻の待遇がよくなったことで、なんと銀行から希望額の融資が丸ごと下りることが決定したという。
え、マジでマイホーム建っちゃうじゃん。
旦那の私が無職で何もしてないのに!?
とかそんなことがまったく問題にならないくらいの力を妻は得たのだ。一人で。
ま、まぁ一緒に土地見たり、モデルハウス見学に付き合うくらいはしたけども。妻の努力によって、今現実にマイホームが建とうとしている。これは素直にすごいことだ。
旦那がほぼ無収入だから保身に走ると思うじゃないか。それに構わず家建てる気満々だからな、おそろしい女だ。
妻を見くびっていた
おそらくこの女性は、私と結婚せずとも、私と出会ってなくとも執念でマイホームを建てたことだろう。
実際に一人でマイホーム資金を用意してしまったのだから、ぐうの音も出ない。
そういえば妻はずっと自分の夢を追いかけていた。一人で土地見学行って不動産のおじさんにバカにされたり、旦那が無収入だと苦笑されながら銀行に行ったり。
このような障害はなんのその、行動することによって夢を掴んでしまった。これ、すごくね?普段見てたらほわーんとしてるのに、夢に一直線の女じゃん。
これは尊敬せざるをえない。偉人だった。
というわけで、妻よ、おめでとうございます。よかったね、何もしてない私も嬉しいよ。