ステップファザーにできること

発達障害の娘とやんちゃ息子の父によるステップファミリーの話

映画『嫌われ松子の一生』を見て愛の重要性と息子の愛情不足を知る

久しぶりに愛に目覚めたとんぼである、ごきげんよう。

 

先日、お世話になっている方のブログで映画『嫌われ松子の一生』について書かれていた。こちら。

komorinelu234.hatenablog.com

 

嫌われ松子。めちゃくちゃ懐かしくて記憶に鮮明に残っている映画。AmazonPrimeビデオで3/23まで見られるらしい。

 

すごく後味の悪い映画だった記憶があって二の足を踏んだが、ちらっと見てみたら止まらずに全てみてしまった。さらに妻と一緒にもう一回見た。

 

何度も泣いて、笑った。素直な感想として、この映画はやばい。ネタバレありで、今の思いを書いていきたい。

父の愛情を欲する松子と愛される松子

松子は病弱な妹がいて、父が妹ばかり気遣っている。松子は父親からの愛情が完全に不足していて、妹ばかりかわいがられていると感じている。

 

いつも笑わない父だったが、松子が一度変顔をしてみたら笑ってくれた。だから父の気を引くために何度も何度も松子は変顔をする。

 

大人になってからも、松子の心には父の影響が色濃く見える。ものすごい愛情に飢えていて、人に愛されたいという思いが強すぎる。愛する思いも強すぎる。

 

売れない作家に殴られながらも愛し続け、不倫相手も愛し続け、刑務所に8年入っている間も一人の人間を愛し続け、刑務所に入ったヤクザの恋人もずっと待ち続ける。

 

愛がすっごい。松子の愛情は深すぎて、重すぎて、これはちょっと普通の人では抱えきれないレベル。

 

松子が相手を愛しても、相手から愛が返ってくることはない。売れない作家は自殺したし、不倫相手からは縁を切られ、愛した男は刑務所に入っている間に結婚してて、長年待ちわびた恋人からは殴られる。

 

最終的に大好きな光GENJIに長い長いファンレターを送ったのに、その返事も返ってこなくて発狂していた。

 

いやぁ……うん。なんでこんなに上手くいかないのかなぁ。

 

それでも、何度でも立ち上がる松子は素敵だ。精神病院に通い、ゴミ屋敷に住み、発狂しかけていても、それでも「まだやれる」と立ち上がる松子は本当にかっこいい。

 

理不尽な最期ではあったけども、私は松子が好きである。

 

それに、嫌われ松子は本当は愛されていたんだよ。松子のことを想ってなけりゃ、友人だってまるで別人の松子に名刺渡したりしない。不器用な父は松子に愛情を示す方法がわからなかっただけかもしれないし、病弱な妹だってずっと松子を求めていた。

 

愛されていたんだよ!君は!間違いなく、一人じゃなかったんだよ!

 

あぁ、心が苦しいわ。

きょうだい児の息子を思う

そんな『嫌われ松子の一生』見て自分と重なる部分が多かったのだが、それよりも重なったのがうちの幼稚園児の息子である。

 

重度の発達障害の姉がいる我が息子はいわゆるきょうだい児。自分は愛されていない、姉ばかり優遇されていると感じやすい境遇である。

 

松子を見ていると、息子の顔がちらついて仕方がない。

 

最近私は息子に対するイライラが半端じゃなく、冷たく当たってしまっていた。妻は妻で、いつも通り息子には厳しい感じ。

 

そんな息子が最近、やたら猿真似の顔をするようになっていた。車からのドアから降りる時に、なぜかこっちを見て猿真似をしている。風呂上がりに顔をみたら、なぜか猿真似をしている。

 

おそらく初めてこの猿真似を披露した時に、私と妻が笑ってくれたことがずっと頭に残っているのだろう。

 

最近イライラしてばかりの私と妻に、少しでも笑って欲しかったんじゃないか?愛されているという実感が欲しかったんじゃないのか?

 

って、これさぁ……もう松子そのものすぎて笑えないんだが……

 

映画をみている間、松子と息子が重なって重なって、心が痛くて涙が止まらんかったわ。あーやばい。

私は親である

私自身も親から愛情を示されて育ってこなかった。親の愛情が欲しくて認められたくてたまらなくて、私の人格に影響を及ぼしている。子供達から拒絶されるのが心底嫌なのもそこからきている。

 

つまり私も息子も親の愛情不足ってことよ。いやはや、これは面白い問題だ。

 

だが私はもう、子供ではない。親なのだから、子供達に愛を与える人でありたい。拒絶されようが何を言われようが、私は子供達に愛を示したい。

 

映画の中で、許されざるものを許し愛するのが神であると、松子は俺の神だったと言われるほどに松子の愛情は深い。

 

私も松子のように、子供達を愛していきたい。

 

あ、妻と一緒に見終わって「今、見るべき映画だった」と結論付けるほど影響を受けてしまった『嫌われ松子の一生』。

 

子育て中の人もそうでない人も、ぜひご覧あれ。AmazonPrime会員なら今なら見られるはず。