孤独を乗り越えかけているとんぼである、ごきげんよう。
孤独なんてのは孤独"感"でしかないんだよ、孤独じゃなくて単独者と名乗れ。
そんなことを教えてくれる本があった。確かに、呼称は重要かもしれない。
さて、娘が久しぶりに朝まで寝てくれたので考察する会。
娘を家族と離す
娘を家族から離してみようか、と少し前から妻に話している。
離すというか、私が娘を一対一で対応するんで、他の家族はなるべく一緒にいる時間を減らすべく妻の実家で過ごしてよと。
なぜかと言えば、私が一対一で対応をした方が圧倒的に娘の機嫌がいいからだ。
暴力癖のある娘の対応は正直言って難しい。誰が対応できるんだろう。世界にこれを耐え忍んでケアできる人間が一体どれほどいるのか。
が、未熟ながらも私はほとんど怒らない境地に達しつつある。怒るのは顔を思いっきり引っ掻かれた時と、何時間もしつこく蹴られ続けた時くらい。
逆に妻はちょっと小突かれただけで怒る。完璧主義が喧嘩の原因かな。
娘にルールを完璧に守らせるのは無理だよ。諦めた方がいいのに諦められない、簡単には治らんやつ。
息子なんかは普通に娘を無視する。何度話しかけても無視されて怒らない方がどうかしてる。
赤ちゃんは無防備に近づいて娘を触るから、衝動的に蹴られてもおかしくはない。
まあ何と言うか、娘を中心に考えた場合、家族が集まると娘の気の休まる時間にはならないのだ。
みんなの動きが気になるし、ドアの開閉すら気になるし、ルールを守るようにと指示されると疲れるし、一緒に遊びたいと声をかけたら無視されるし、思わず手が出たら怒られて喧嘩になってまた怒られるし、眠りたいのに寝られないし。
家族が大好きな娘にとって、家族全員集まることがメンタルにいいと思っていたが……これだけストレスがあるならマイナスではないか。
ここまで家族と折り合いがつかないなら、私と二人きりの方がプラスなんじゃないか。
わからんよ。私は娘と血が繋がっていないから。妻と比べたら愛着も育っていないだろうし、どこまでの絆があるかは不明である。
それでもストレスフリーの生活の方がプラスの可能性は十分にあるよね。
試してみよう
というわけで昨晩は娘と二人きりで過ごした。二人でご飯食べて、二人でテレビ見て、二人で絵本を読んで……そんで寝た。
落ち着いた空間で絵本を数冊読み聞かせをすると娘の笑顔も溢れ、非常に機嫌がいい状態でベッドに入る。
ただ完全にスムーズにはいかなかった。
いつもならすっとベッドに入って布団を頭までかぶるのに、ベッドから抜け出して玄関に向かう娘。妻と息子の名前を呼んでいた。
きっと寂しいのだろう。わかる。寂しいのはわかる。しかし荒れ狂った夜を過ごすか、落ち着いて過ごすかはトレードオフなのだ。
何となく共感の言葉を示すと娘は落ち着いて、そのままベッドに戻って寝た。
その後、朝まで起きることはなかった。蹴られることもなかった。久しぶりに何事もなく朝まで寝られた。
少なからず二人だけで過ごした意味があったのかもしれない。
そして今日も二人で過ごしてみたところ、一度も攻撃されることなく就寝。これを書いている今も落ち着いて寝てくれている。
デイでは多少暴れていたとの報告があったが、私にはゼロだった。仲良くテレビ見て絵描いて絵本読んで寝た。
ふむ。
やってもいいが
まだ2日目なのでデータとしては少なすぎる。たまたま上手くいっただけの可能性もあるし、今晩は蹴られまくることも覚悟してる。
でももしかしたら落ち着いた夜を過ごすことで、少しずつ暴力が落ち着いていく予感がする。
家族と過ごすよりもストレスなく過ごせるというのなら、これを続けてもいい。
蹴られないで寝られるなら私にとっても嬉しい話だ。
あまりこんなこと書きたくないけれど、妻も息子も赤ちゃんも、娘がいない方がマシな生活を送れる。
ほんと、こんな悲しいこと書きたくないよ。どう言い繕っても臭いものにフタしてる感じはするよ。
でも現実、暴力に晒されながら楽しい時間を過ごすのは難しい。誰もが笑って済ませられるわけではない。
邪魔者扱いといえば聞こえは悪いが、娘も家族と離れていた方が笑顔で過ごせるわけだからお互い様であり、win-win といってもいい。
悲しいけどさ。
それにいくつか懸念事項もある。
まず娘が家族と離れることでの精神的な悪影響はあるだろう。寂しさ、見捨てられ感、愛着対象である母親と距離を置くことの精神的なダメージ。
短期的にはプラスでも、長期的にはマイナスかもしれん。週末に時間を作れば埋め合わせは可能か?そこで喧嘩したら意味ないが。
次に息子と赤ちゃんへの精神的影響。彼らにとって家族が集まらなくていいものか。どうだろうね。
娘がいない平和なばぁばんちでテレビ見てた方が圧倒的にプラスかな、現実なんてこんなもんだ。
妻と子供たちの折り合いもあまり良くないが、ばぁばが緩衝材となってくれているっぽい。私はいなくても大丈夫だろう。
最後に、私の孤独感の問題がある。
娘がいない世界線を生きる家族は、ばぁばの庇護を受けてぬくぬくと過ごす。その間の私は独りで必死に娘と向き合っている。
これで孤独を感じない奴がいるのか?という疑問がある。抱え込むにしては重すぎる案件のように思われるが。
まあでも正直、そこまで大変ではない。むしろ家族全員集まった方がフォローだらけできつい。喧嘩を事前に止めることができないから家全体の空気が悪くなる。
ただ孤独感がすごいだけだな。
うーん。
一応冒頭でも書いた通り、孤独感は乗り越えられそう。だって私と同じく孤独を感じて乗り越えていく人はたくさんいるから。
今は自伝や小説を読んで、本の中の主人公を心の友にしたいと考えている。
どう?なんかかわいそう?
いや、でもそんなことはないよ。悲観的でもないし、諦めてもない。むしろこれならいけるのでは?と希望に胸を膨らせている。
今までは寂しさと孤独感の問題があって絶対にやらなかった家族分離作戦だが、今ならできそうだ。
娘の暴力は乗り越えられるよ。強度行動障害を勉強しつつ、娘に合わせて臨機応変に対応すれば限りなくゼロにできる自信がある。
……自信だけはね。
でないとこんな馬鹿げたことやんないよ。寝る。
ここまで読んでいただき感謝。
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