疲労のピークとんぼである、ごきげんよう。
今週は常軌を逸した忙しさだ。夜から予定外の娘とドライブにも行ってきた。死にそう。
ただ今日はとてもいい発見があった。
育児に奮闘する私にとって小説はただの娯楽ではなかった。読む価値がある、むしろ読まないといけないものだったのでは?
そんな可能性に気づいた話。
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『告白』を読んで
今日、あらすじを読んで興味の沸いた小説を読み始めた。
湊かなえさんの著作『告白』である。
とある中学校の1年B組、終業式後の雑然としたホームルームで、教壇に立つ担任の森口悠子が静かに語り出す。「わたしは、シングルマザーです。わたしの娘は、死にました。警察は、事故死と判断しました。でも事故死ではありません。このクラスの生徒に殺されたんです」
娘が教え子に殺されたという担任の語りから始まり、続いてクラスメイト・犯人の母親・犯人、とそれぞれの視点から見た告白で構成されている。
主観的な告白ではわからなかった部分が他者の告白で浮き彫りになる。視点の違いで見え方がここまで変わるものかと驚かされる。
映画化するのもわかる。ぜひ読んでほしい作品だ。
ただこの著者はイヤミスの女王と言われているようで、後味の悪いミステリを書くことで有名なんだと。
確かにこの作品も後味が良くはない。途中で苦しくなってしまって何度もやめた。それでも結局一日で読み終えてしまった。
面白かったというと語弊があるのだが……非常に興味深い作品だった?いや、うん、面白かったんだろうね。
決して笑える作品ではないし、むしろ怒りとか苦しみとか憐れみとか嫌悪感とか。一体何て形容すべきかわからない複雑な感情を抱かされる。
まぁ書籍レビューブログでもないので、あとはぜひ読んでくれとだけ書いておく。
育児に役立つヒント
ネタバレせんように書くので伝えづらいのだが、この小説の登場人物の中に自分と重ねてしまう部分がいくつかあった。
本物の空気読めないバカのように書かれている人物の中にすら、自分の影を見る。
自分だけでなく妻もこんな感じかなぁとか。特に息子に関しては思うところが多い。愛情が諸刃の剣であると知れた。
今の自分が置かれている状況や思考と重ねる部分が散見される。ステップファミリー的な要素もあったしさ。
ミステリではあるものの、毒親、親と子の絆、自己実現と子育ての選択……などなど親子の愛がテーマなのかな?と思うほど。
難しいねぇ。親だって人間だし、親だってその親から多分に継承してる。一般的な常識も思い込みも洗脳もあるし一概に親が悪いとも言い難い。
じゃあ子供が悪いのか、子供が何とかすべきかといえばそれも違う気がするし。
うーん、読んでて鬱になるわ。自分はだめな親で、それを認めることすらできないと。
息子に合わせる顔がないなとうなだれて公園から帰ったよ。
でも学べる
とまぁめちゃくちゃ暗くなったのは置いといて、とても勉強になった。
親の愛情だからとか、親は必死に頑張ってるなんてのは親目線での話。
子供から見たら頑張ってる親を冷めた目で見てるかも知れないし、馬鹿らしいと思ってるかも知れないし、やっぱりそれでも親を愛おしいと思ってるのかも知れない。
人間の思考の多様性は本当に様々で、未成年だからこその思考ってのもやっぱりあって、そして子供の頃からの呪縛に気づけない毒親もいて。
普通に生きてたら気づけない人間の思考が垣間見える、それが小説だった。
小説だからフィクションなんだけども、人の本物の思考なんてそもそもわかるわけない。自分の本音すらわからないことが多いのに。
だからこそ多様な人物を描く小説は、人間を知る学びになると確信した。子供たちとの関係改善にも大いに役に立つことだろう。
今後は狂ったように読んでいきたい。
ちなみにやっぱり私はオーディオブックで聴いたので、最後にAudibleのリンクを貼って終わりにする。初回登録後30日は無料なので。
『告白』は俳優の橋本愛さんが朗読をしてて、これがまたいい。公園で寝てる赤ちゃん抱っこしながら聴いてたのに途中寒気がしたよ。
あと本編終了後のおまけで、橋本愛さんが人間を知るために小説を読んでると言ってて一瞬で好きになってしまった。
興味があればぜひどうぞ。
ここまで読んでいただき感謝。
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