ステップファザーにできること

重度知的+発達障害の娘と、二人のやんちゃ息子の父によるステップファミリーの話

障害児の娘を長期入所させたあとの世界は果たして面白いのか話

朝から娘(特別支援学校・中1)とドライブに行ってきたとんぼである、ごきげんよう。

 

もはや土日恒例のドライブ。娘の情緒が安定してきたのでリスクも低い。

 

適当にドライブして、スーパーで娘用のパン買って、私はコーヒー飲むのがお決まりになってる。そして10時のデイがお迎えにくるまでは二人きり。

 

慣れたのでそう悪い1日の始まりではないのだが。

 

◆家族の紹介

娘を長期入所させるかどうか

うちの娘は強度行動障害になりかけている状態で、娘が荒れている時の行動を初めて見た人はドン引きするだろう。

 

というか機嫌がいい時の動きも激しい。ソファで飛び跳ねる姿はすごいぞ、隣に座ってられないし、離れた場所まで振動が届くくらいの飛び跳ね方。

 

いつか動画をあげてみたいもんだ。ソファがいつ真ん中からバキッと真っ二つに割れてもおかしくない。跳ね返りの少ない硬いソファにすればよかったと後悔してる。

 

もはやこの娘が家族と長時間過ごすのはリスクが高いと、家族全員が揃う時間は1日30分〜1時間以内と限定的にしてる。

 

本当に全然一緒にいないぞ。逆にいえば、やたら私と二人きりで過ごしてるということでもある。

 

女の子とはいえ中学生にもなって体が大きくて力が強いから、もはや他に対応できる人がいないとも言えるが。

 

靴はいたまま顔面蹴ってくるとか、走ってきて体当たりとか、しゃがんで体を拭いてたら頭皮をえぐられるとか、全体重をかけて足を踏んでくるとか。

 

70近いばぁばなら骨が折れててもおかしくないようなことも多い。

 

無理に止めると足が飛んでくるか、頭をぶんまわすか、皮膚を爪でねじられるか。対応が非常に難しく、声かけを間違えようもんなら恐ろしい攻撃に晒される。

 

まあ……もうこの子とは一緒に住めないんじゃないの?と感じてしまうのは自然なことだと思う。

長期入所には覚悟がいる

時折、コメントでも娘をどこかの施設に預けた方がいいのではないか?との声を頂く。妻もそういった話をたまにしてくる。寄宿舎とか。

 

実際そういった施設があるのか、また利用可能かどうかは置いといて、私の中では長期入所という選択肢はゼロである。

 

家族と長期間離された娘の情緒は、悪化することはあっても安定することはないのではないか。発達年齢は2歳半、この子は体の大きい幼児なのだ。

 

妻と少し会わないだけで明らかにおかしくなるから、一般的な12歳と比べるとどうなるかわからない。一般的な12歳でも親と離れるケースは稀である。

 

一番怖いのは、娘をどこかにやってさらに情緒が悪化した場合に手遅れになる可能性があること。今現在が既に手遅れなんじゃないかという説もあるが。

 

逆に、家族と離れることで自立的な姿勢が芽生えて攻撃が減るなんてことも……あるのか?いや、可能性は相当低そうだ。

 

長期入所をさせるなら、娘が荒れ果てて廃人のようになったとしても受け入れるくらいの覚悟が必要である。

 

まあそんなわけで、娘が12歳という現時点で長期入所は考えていない。

 

が、思考停止してる感もあるなーと思いまして。

 

もし娘が長期入所となった場合に生活がどう変わるのか考えてみた。

娘がいない世界では

まず平日の負担が大きく減る。家族が争うこともなくなるから、朝はゆったりと食事をとってゆったりと学校に送ることができる。

 

一般的な家族はどうなのかわからないけれど、娘がいないなら喧嘩になりようがない。

 

家族揃って朝ごはん食べられたりするかも。これすごいことだよ。我が家では無理だから。

 

娘がいるからテーブルをひっくり返さえたりリモコンを投げられたりするリスクがあるのであって、一般家庭でこんなことは起こらない。

 

夕方、娘が帰ってこないのならば……当たり前のように家族は自宅に帰ってこられるだろう。

 

娘がいるから夕方の長男はばぁばんちで過ごしてる。次男坊も娘がいるからばぁばんちで過ごしてる。

 

娘と組み合わせた場合にリスクが高すぎるし、全然楽しめないからだ。

 

娘は厳しい。ドアを開けただけで怒るし、誰かが動いても怒るし、隣にいるだけで蹴ってくるし、Eテレ以外の番組は許さないし、宿題はさせないし、おもちゃも触らせない。

 

しかし、娘なしで長男と次男坊だけなら私一人で面倒を見ることも可能だろう。

 

Eテレ縛りもないから適当なバラエティ番組も家族で見られる。チャンネル変えても動いてもドアを開けても怒る娘はいないのだから。

 

家族全員で夕食を食べる時も、皿を投げられる心配はないし食事を突き飛ばされるリスクもない。急に次男坊に攻撃する娘を監視する必要もない。

 

夜間も同様に、蹴られて殴られながら寝なくていい。娘がいないのならば、他の家族が全員同じ寝室で寝ることすら可能だろう。

 

ゆったり談笑しながら夜を過ごし、今日あった楽しかったこと悔しかったことを話し、笑っておやすみと言って皆で1日を終えることができる。

 

土日は娘の起床にあわせてドライブにいかなくていい。大声を出して家中を練り歩く娘はいないのだ。何となくだるーんとしながらゆったり起床できる。

 

休みの日の行動制限も解除される。娘がいるとあそこは無理でこっちも無理で、そもそもできる行動も限られている。

 

車でも暴れるし、足ぶん回すし、車から降りないし。

 

娘がいなければ……どこにでも行けるね。

 

想像してみると、なんとまぁ普通の生活が送れるこった。

面白いか?

一見幸せそうな生活なのだが……果たしてその生活は面白いか??という疑問がある。

 

いや、おそらく充実した時間を過ごせるとは思うのだが、面白くはなさそう。心から笑うことはないような。

 

なぜなら臭いもの(というと娘に失礼だが)にフタをしてるだけだからだ。見えないところで娘は家族と離れて過ごしてる。

 

一人家族から隔離された娘がいる状態で、残った家族でキャッキャと楽しめるか?と言ったら、私は楽しめないはずだ。

 

ショートステイといった一時的なものならまだしも、長期ならあまりに不公平だなと思う。

 

どういう施設に入るのかにもよるから一概にはいえないけれど、娘をないものとして残った家族で過ごす生活は受け入れ難い。まったく心が踊らない。

 

楽じゃないけど楽しい方がいい。そうだ、娘の対応は楽じゃない、しかし私は楽しんでいるのだ。

 

そもそもを紐解いていけば、結婚したのは娘+長男という二人の子供と向き合っていくのは面白そうだなと思ったのがとても大きい。(それだけじゃないが)

 

血の繋がらない二人の子供で、さらに娘には障害がある。非常に重たい結婚となるが、これを乗り越えた人生はさぞかし輝いているだろうなと思ったのである。

 

平たくいえば自分のためにやっている。不謹慎に聞こえるだろうが、まあ私はそういう人種らしい。

 

自分のためとはいえ、今では娘の暴力問題含めて家族全体を幸せに過ごさせることが、私にとっての人生の課題となってしまっている。

 

それなのに、娘を長期入所させてしまったららどうだ。なんてつまらない人生だ。このブログも書くことない。

 

普通の結婚生活をわざわざネットに残そうとは思わない。殴られたことはおもしろネタとして書いてるんだよ。

 

蹴られて引っかかれることは、衝撃映像番組を作ってるようなテンションで書いてるんだよ。

 

実際は疲れてしんどくて死にたくなることもあるけれど、家族の課題を乗り越えることは人生の軸である。

 

多少殴られて蹴られるくらいでこの軸がブレることはない。

 

なぜならそれが私が選んだ、超絶面白そうな人生だからである。

どうなるかはわからんが

とは言っても、これは私の考えであって家族全員が同じような考えを持っているわけではない。

 

特にきょうだいである長男や次男坊にとっては選択肢がない。乗り越えようなんて思えるはずもないかもしれない。

 

今はほら、私がメインで娘の対応をしてるんで、他家族の心身への被害を最低限におさえて生活できてる。みんな楽しそうに生活してるよ。

 

だからいいんだけど、今後私でも娘の対応が難しくなってきたり、家族全体の幸福度が著しく低下したり、もうどうしようもないから娘を殺すしかないととかなったら。

 

さすがにその時は長期入所も考える。皆の人生を大きく狂わせてまでこの考えを押し通すつもりはない。

 

だから現在の課題としては、これ以上娘の攻撃性を高めないこと。そのためには娘の体調・機嫌に大きく影響を及ぼすてんかん発作を一刻も早く改善すること。

 

できる限り娘の生活リズムを整え、ストレスを軽減し、最低限の家族との時間も作ってあげること。

 

そして私の心身の健康状態を良くして、娘や他家族への対応を日々改善すること。

 

こうして多角的に暴力性の軽減に努めていけばあるいは……と思うのだが。

 

とにかくまだまだできることはあるので、今娘の長期入所を考えるのは時期尚早だなと思う。

 

まだ家族は笑ってる。昨晩話した長男もゲラゲラ笑ってて、次男坊も保育園で汗だくになりながらダンスを踊ってて、妻も忙しそうに友人の結婚式へと出かけた。

 

情緒が安定してきた娘も機嫌良さそうに笑ってデイに行ってくれた。

 

まだまだこれからでしょう?

 

それでも諦めなければならない時が来るかもしれないことは覚悟しつつ……その時に後悔しないようにできることをやっておきたい。

 

ここまで読んでいただき感謝。

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