土日の大半を妻と二人で過ごしたとんぼである。ごきげんよう。
昨夜は映画『ツレがうつになりまして』がAmazonプライムビデオにあったため視聴。
色々と勉強になる映画だったので、簡単な感想とか見た後の心境の変化を書いていきたい。結構なネタバレもするので未視聴の方はご注意あれ。
『ツレがうつになりまして』の感想とか
几帳面な旦那と漫画家の奥さん。旦那は仕事のストレスか、だんだんと食欲がなくなり背中の痛みなどを訴えるように。病院に行くとうつ病との診断あり。
何とか日常生活を送っても最終的に何もできなくなって、仕事をやめて療養生活を送る旦那とそれを見守る奥さんの話。
実話を元にした漫画が原作ということで、ところどころイラストが差し込まれるおかげかどこかほんわかしているというか、深刻感が薄いというか。
それでもうつ病というものがどういうものかよくわかる。
不眠状態が続いたと思ったら仮眠状態で朝昼晩と眠ったり、一切の食欲がないとか今までできていたことができなくなるとか。覇気がなく「みんな消えたらいいのに」願望とか。
全体的にはほんわかしてるのだけど、うつ病で死ぬ人がいるのがよくわかる映画。身近にうつ病の人がいるのなら、一度見ておいて損はない。
ちょっとした言葉で死へ向かう
映画の後編、少しずつ元気になってきた旦那は漫画の追い込みで忙しい奥さんになんども話しかける。
集中している時に話しかけられるのがうざったいのはよくわかるし、しかも細かいことをぐちぐち言う几帳面な旦那なので余計にイライラしたのだろう。
「黙っててよ!」そう奥さんが怒りを露わにしたのだ。
これ、状況的に見て怒られても仕方がない。漫画の締め切りで追い込まれているし、集中して邪魔されているし、本人からしたらどうでもいいことをわざわざ今言わなくてもいいだろ!という怒り。
でもこの言葉によって、旦那はお風呂場で自殺を図るのだ。
自分が死んでしまった方がいいと、僕なんかいなくなっても誰も困らないと思ってしまったのである。
実際はそうじゃないでしょ?奥さんはいなくなってほしいなんてまでは思ってない。ただ一時的にイライラしているだけ。
それなのに死に向かってしまう。これがうつ病なんだよね。怖いよね。
この映画を見て「死にたい」と思ってしまう
ここからが本題だ。
この映画を妻と二人で鑑賞したのだが、最初はめちゃくちゃ元気でケラケラ笑いながらみていた私が、鑑賞後には「自分は死んだ方がいい」レベルまで落ちてしまったのだ。
それは映画のとあるシーン。奥さんは仕事相手にも旦那がうつであることをはっきりと伝えて「うつ病は隠すものじゃない、恥ずかしくなんてない」と旦那に自慢げに話すのだ。
このシーンを見て、私はなんとなく妻に告げた。
「妻よ、私がうつ病だということは会社には絶対に言わないでくれ」
だって、いやじゃん?何言われるかわかったもんじゃないし、わざわざ言うことでもない。私も傷つきそう。
そして問題の妻の返事がこれだ。
「言うわけない。周りにこういうの結構厳しい人がいて何言われるかわかったもんじゃないし」
自分ではうつ病だと言って欲しくないと思っていたのに、妻が当たり前のように言わない選択をしたことで、私の心は深い闇に落ちていったのである。
その時の心境を素直に書いてみるとこうだ。
え、言わないってどういうことだ。私のことを恥だと思っているのか。そうだったのか。はぁ、私は妻の何の役にも立たないな、死んだ方がいいよ。死んだ方がいい人間だよ。死にたい。
リアルにこんな感じ。
私が役立たずとか死んだ方がいいとかまじで関係ない。恥ずかしいとは感じているかもしれないが、職場で色々聞かれたりしてうざったくて働きづらくなるから言わないだけだ。
それなのにあっさりと死にたい気持ちに心が支配されてしまうのである。おっそろしいなぁ!
ここまでやばかったらうつ病って名乗ってもいいよね!?だめ?
希死念慮すら回避する認知行動療法
以上、映画を見る前は上機嫌で笑っていた私が、鑑賞後には笑わずどんよりしてしまっていたという話であった。
でも面白いもんで、自分でもわかるんだよ。死にたいという思いがありながらも、この感情の振れ幅の大きさが異常だとわかる。
だからPCを開いて死にたい思いを書きまくっていった。
私はダメだ、死んだ方がいい、何の価値もない。何もできないんだよ。生きてても意味がない。
これを書いていくと、だんだんと別の思考も湧いてくる。
はぁ!?私が何もできない!?ふざけんな、こんだけ過酷な環境で色々やってんだろうが!今もこうやって対策とっているし、子供たちと三人で何度もどこかに行ったし、体が動くならやることやってんだよ。誰だよ何の価値もないっていってんのは!許さんぞ!
というわけで、気づいたら死にたい願望も消えてましたとさ。30分かかったよ。
こんな風にちょっとした発言を歪めて捉え、自分で自分を追い込むのがうつの大きな要因だと知った夜であった。
今後もこういった浮き沈みを繰り返すのだろうが、私をうつ病で殺せるなんてゆめゆめ思わないことだね。