寝不足とんぼである、ごきげんよう。
土曜日の夜に色々あって、寝不足傾向がいまも続いている。何でこんなことになったのか、軽く書いていきたい。
オンライン飲み会で
土曜日の夜は、私がむせび泣いた日。
私を慰めたあとの妻は、初めてのオンライン飲み会があるという。まったく気分が乗らなさそうであったが、約束は破れないと参加。
夜の9時半ごろから始まったオンライン飲み会は盛り上がっているのか、深夜になっても終わらない。
なんとなーく聞こえてくる話に耳を済ませると、景気のいい話が聞こえてくる。
「旦那さんもできるよ!」
「人生は好きなことやった方がいいよ!」
とかなんとか。
妻の愛想笑いと、明らかに乗り気じゃない相槌も聞こえてきた。
元々、お友達は新しい事業を始めたらしいとの情報があったので、それに誘われてるんだろう。
あぁ、お付き合いも大変ですなぁとしみじみ思っていたわけです。
誘われているのなら、どんな事業なのか気になるし、どうせ眠れない。飲み会が終わるまで待っておこうと待機してたら、終わったのが4時すぎ。
グロッキー状態で出てきた妻から話を聞けば、これがまた面白かった。
マルチ商法じゃん
6時間以上に及ぶオンライン飲み会。
聞けば大半の話が、なんだか全員が儲かってハッピーになるマルチ商法の話だったという。
自らが友人やらお店やらに営業をかけて会員を増やして、会員を増やせば増やすほどにお金が入り、みんながみんな儲かって夢も叶うという。
マルチ商法じゃん。笑える。しかも会員登録に20万。月額1万なんぼかて。来年になったら100万になるから、今しかないって。
うーむ。前に、「天国に行くために40万払って儀式をすべき」と、超絶信頼してた友人から誘われた以来の衝撃の話だわ。
今回は妻だけでなく、遠方に行ってなかなか会えない友人も参加していたそう。妻も友人たちと会うのが久々で近況話もしたかったはず。
人の人生に口出すつもりないけど、せっかく集まった友人の話も聞かずに、目をギラギラさせてお金の話ばっかりとか。人としてどうなんだ。
6時間もぶっつづけで話を聞かされて、しかも仲がよい友人が「人生が変わる」的な話をし続けてくるとか軽い洗脳だ。
深夜だし頭もまわらなくなって判断力も低下した妻は「旦那に相談する」と保留にして、私に話をしてくれた。
いやぁ、面白い。非常に興味深い。ニヤニヤしながら聴けるよ、この手の話は。
友人から誘うというやり口が、まず卑怯じゃん。好意もあるからむげに断れないし、好意は返さなきゃという返報生の圧力もある。
あと「20万で会員になれるのは今だけ」という希少性まで追加して。あぁ、人をコントロールしようとしてるなぁと。
むかつくなぁこの友達は……と少しイライラしつつも、よくよく考えれば、彼女たちも被害者なのである。
彼女たちは実際にこのマルチ商法の社長と会ったというから、そりゃもう相当な影響を受けたと思われる。
だって社長だよ。作り込まれたカリスマ性を演出した『社長』が、このビジネスの素晴らしさや、みんなが幸せになるという大義名分も掲げ、お金持ちになれる、夢を叶えられると訴えてくるわけだ。
ハロー効果の力はすごい。かっこいい金持ちのカリスマ社長が言ってたら、飲み込まれても仕方がない。
相手に想定されるより強い好意を抱いているようなら、その相手には警戒すべきだとロバート・チャルディーニは言っている。
妻から友人の話を聞く限りでは、ちょっと心酔しすぎだね。頭を冷やした方がいい。
「今頑張れば子供たちにも楽をさせられる!」
と、平日は仕事をしつつ余った時間はオンラインで研修を受け、土日はマルチ商法のネットワークを広げるための活動やらで、子供たちは放置してるんだって。
こうなってしまっては、誰が何を言ってもこの友達を止めることはできないだろう。
なにせ家族や友人などの身近な人を勧誘してるし、高い金も払って時間も使っている。コミットしすぎて、後戻り不可能だ。
今さら「意味がなかった」なんて言えない。だって自分が誘って20万払った人だっているんだぜ。
実際はめちゃくちゃ頑張れば儲かる可能性もあるので、完全に騙されているわけではない。が、払う犠牲が多すぎるなぁこれは。
家庭は大丈夫なんだろうかと、切ない気持ちになる案件である。
妻は翌日にさくっと断っていたぞ。
私が騙されることもある
人に影響を与えて承諾を得るにはどうすればいいか、上っ面ぐらい心得ている。
返報生
一貫性
希少性
好意
権威
社会的証明
だからといって、絶対に自分が騙されないとは思っていない。プロの詐欺師に本気で狙われたら、普通に騙されそう。
でも防御力をあげることはできるはずなんだよ。勉強して、常日頃から客観的に考える癖をつけ、冷静で総合的な判断をできるように訓練する。
日頃の勉強が大事だね、自分も家族も、詐欺にあうリスクをゼロに近づけるように日頃から精進します。
影響力の教科書的な本
ここまで読んでいただき感謝。
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