まだ実感のないとんぼである、ごきげんよう。
いつまでも元気じゃないだろうと不安視してた私の母親(72歳)が、乳がんになったと昨日聞かされた。
急にがんて言われても、頭がついていかないな。
母の現状を探ろう
昨日、暴れる娘を引き連れて行く場所もなくて、実家に逃げ込んだ。娘はドライブが好きで車中では比較的大人しいから、遠い実家に行くだけで時間も潰せる。
実家に着いて、母親に「最近の娘が大変なんだよ」と面白おかしく伝えようとしたところ、むしろこっちの方が大変だと言われた。
いやいや、子供からラーメンぶっかけられた私の方が大変だから!!!まずはこの私の話を聞いてくれ!!!
などと冗談言ってたら、色々資料を見せながら教えてくれた。
「乳がんになってね」
……えぇ??乳がん?
まさか、子供からラーメンぶっかけられるよりもリアルに大変な話があるとは想定外で、バラエティみたいなリアクションしちゃった。
高齢ではあるし大きな病気をしてもおかしくないとは思っていたが、ここで乳がんか。
あぁ、乳がんかぁ。そうか。そうか。
がんの衝撃がすごい。しかし実際のところ、乳がんのことを何も知らない。ガンだからと言って急に何がどうなるわけでもないだろうが。
そこで現状を根掘り葉掘り聞くことにした。
母の現状
がん検診を10年以上やっていなかった母。胸にしこりがあることに自分で気づいたそう。
うちの姉に相談したらすぐに病院に行くことになり、色々検査した結果2.5cmのガンだったそうな。リンパへの転移なし。
ステージはⅡA。
摘出手術をする前に、ホルモン療法が最適とのことで服薬を開始。節々の痛み等の多少の副作用はあるそうだが、抗がん剤ほどのつらさではないようだ。
それで毎月腫瘍の状態をチェックして、数ヶ月後に手術といった流れ……だそうな。
ふーむ。
母の話を聞きながら軽く調べていると、ステージⅡの10年後生存率は80%らしい。がんの中でも生存率は高い方なのかもしれん。
うちの父親の大腸癌が見つかった時にはステージⅣで余命宣告までされたから、あの時と比べたらだいぶ希望がある話だ。
体が変わるのは嫌だよね
ホルモン療法を続けたのち、ガンの摘出手術をする。手術には二つの選択肢があるそうな。
胸ごと全摘出するか、一部分を摘出した上で残りを放射線治療で潰すか。
母は、70も超えてるし別に全摘出でいいよ!!気にしないし全部取るよ!!と言っていた。
しかし一緒に調べていくうちに、全摘出した乳房を再建する手術があると知る。そのことを伝えてみると、ぜひやりたいと言い出した。
あぁ、やっぱりいくつになっても胸がなくなるのが嫌なんだとここで気づく。何十年も一緒に頑張ってきた体だ。そりゃ大きく切られるのは嫌だろう。
なら全摘出はしない方がいいんじゃない??と話し合い。
母は再発のリスクを考慮して全摘を希望していたが、ガン専門家が監修してるHPによると部分摘出+放射線治療でも再発リスクはそう変わらないとのこと。
ちなみに担当医も全摘は勧めていなかった様子。
どちらにせよ胸にメスはいれて形は少なからず変わるが、ごっそりいかなくて済む方法を選ぶこともできる。
などなど、情報を整理していくと予想以上に母は喜んでいた。よかったよ。
術後は放射線治療のため週5日のペースで5週間病院に行く必要もあり、副作用で脱毛もある。それも受け入れてもいいとのこと。
簡単な話ではないが、本人の意思が大事よなぁ。
うちの父親は数年間、お腹に人工肛門(ストーマ)つけて生活してた。亡くなる1年くらい前に、少しでも普通の生活を送れるようにと手術をしてまでストーマを外して。
最後は便秘で苦しんではいたが、自分の体のことだ。本人の希望通りにいけるといいね。選べること自体が幸せとも言える。納得のいくようにしてほしい。
医療費の話
そして大事な大事なお金の話。母はがん保険に入っておらず、それなりの出費が出るのは覚悟すべきだ。
数時間実家に居座って、ガンの話というよりはほとんどお金の話をしてたような。お金は重要だ。
高額医療の限度額制度がどうなるのかなど一緒に調べて、まぁまぁなんとかなりそうな気配。こういう時に健康保険の圧倒的パワーを知るよね。
暴れる娘も一緒に連れて役所まで行って、ある程度今後の出費の目星もつけてきた。治療の継続も手術も、なんの問題もなさげ。
今後の道筋を明らかにするのが大事やよね。
てんぷら夫婦
ちなみに、母の乳がんが発覚したのが2月末。私が一人で実家に来る機会がなく、電話で話す内容でもなく、1ヶ月以上黙っていたという。
しかも最悪なのが、ガンが発覚した数日後に私から電話があったこと。
「誕生日に、天ぷら作って欲しいんだけど」
誕生日?天ぷら?こちとらガンなのに何言ってんだ、天ぷら作ってる場合じゃない。でもがんの話はしてないからやんわりと断わったと。
……そうだった。そういえば断られたな、なんだよと思ったの覚えてる(クソ野郎)。
それから数日経って、もしかしたら息子(とんぼ)に天ぷらを作るのも最後になるかもしれないと考え直し、結局作ってくれて。
誕生日当日に天ぷらを回収に来た時、がんの話をしようと思ったそうなのだが……なんと妻と二人でやってきたとんぼ。
結局ガンの話はできず、夫婦揃ってぱくぱく天ぷら食べてうまいうまい言って、大量の天ぷら回収して帰っていった天ぷら夫婦。
母はなんとも言えない気持ちだったろう。申し訳ないことをした。妻は合わせる顔がないと言っている。
お金が必要だ
病院受診は比較的近くに住む姉が対応してくれるそう。無理そうな時は私が対応できる。治療は滞りなく進むだろう。
懸念事項はほとんど解決できたので安心してはいる。
でもやっぱり、乳がんって大病なんだよね。今なら治るし再発しないかもしれないし死なない可能性の方が高いけれど、がんはがんだ。
手術もあれば、放射線治療の副作用もどれだけ苦しむかわからん。
母の息子としては、できることは全力で協力したいところである。
うむ。結論としては、お金だよね。お金ほどありがたいものはうちの母にはないんじゃなかろうか。ひきこもりの兄抱えての年金生活。8050ならぬ、7030世帯。
お金のストレスが半端なさそうだから、ここに貢献するのが1番の親孝行になる。
うちの息子もパイロットになりたいといって金かかるし、お金を稼ぐことが家族の幸せに直結するんだと身をもって知った。
金は目的でなく周りを幸せにするための手段の一つ。全力で金を稼いだ先に家族があるなら全然構わない。
すべての収入が家族に繋がるなら、金にがめつくいきたい。そして家族にはケチらず使いたい。
ではでは。
ここまで読んでいただき感謝。
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